ファンタスティックコント~鬼の苦労をわかってよ編~
~ 鬼の苦労をわかってよ編 ~
① 鬼だって虫歯になる
鬼の牙が虫歯になりました。
歯医者さんが診察しました。
「ちゃんと歯を磨きなさい。この牙、もう抜くしかないな」
「ふが、ふが」
② 鬼の牙は立派
ピカピカの立派な牙でした。入れ歯でした。
③ 交差点で活躍
赤鬼、黄色鬼、青鬼が、交差点に立っていました。
車が止まりました。
運転手が顔を出しました。
「どうしたんですか」
青鬼が手を振って、誘導をしました。
「信号機が故障しましてね。はい、進んで」
次に黄色鬼が手を早く振って、次の車に注意を促しました。
赤鬼が両手を広げて、その次の車を止めました。
チームワークは完璧でした。
④ 鬼の就職
ただの鬼が失業しました。
面接で緊張して真っ青になり青鬼になりました。就職できました。
お客様に怒られて腹が立ったら赤鬼になってしまいました。まずいな。クビになるかも。
不安になったら黄色鬼になりました。俺は一体何者なんだ。
ただの鬼になりました。
⑤ 赤鬼の顔の色は赤
赤鬼の顔が真っ赤でした。お酒の飲みすぎでした。誰も気づきませんでした。
⑥ 金メダルをお願いします
鬼が人間に頼まれて、オリンピックのレスリングに参加しました。
「金メダルをよろしくお願いします」
「まかせとけ。人間なんか、ちょろいもんだ。さあ、こい」
出場選手を見回したら、どの国も鬼ばかりでした。
鬼はため息をつきました。
「金メダルは、神頼みか」
両手を合わせました。
⑦ 鬼のパンツ
鬼がパンツをはき忘れました。誰も貸してくれませんでした。
⑧ 鬼の定年
広場で子供たちが鬼ごっこをしていました。
定年した鬼が声を掛けました。
「俺を仲間に入れてくれよ」
子供たちは、アッカンベーをしました。
交代で楽しそうに鬼になっています。
鬼は指をくわえて見ていました。
「鬼になれないのって寂しいな」
⑨ 人食い鬼の昼飯
夫「ええ、これしかないの」
妻「ぜいたく言わないでよ。あんた、稼ぎがないでしょ」
夫「最近の昼飯って、マネキンとか人形ばかり。たまには本物を食べたいよ」
妻「栄養が偏るから、色々食べなきゃだめよ。はい、蝋人形」
夫「ちぇ、これ味がないんだよね。野菜くれる」
妻「いいわよ、雑草あげる。家の周りに、いくらでもあるわ」
夫「すぐ生えてくるからな。菜食主義になろうかな」
妻「雑草魂を身に着けるのよ」
夫「じゃ、ちょっと草刈りしてくるよ」
⑩ 『人食い鬼』養成中学校の卒業式
校長先生のご挨拶。
「卒業おめでとう。君たちは素直で正直で人を疑うことを知らない。私は誇りに思っているよ。どうか、これからは古代からの伝統を重んじて、人食い鬼の道を究めてほしい」
校長先生は涙をぬぐいました。
「最近の人間たちは酷いものだ。兵器をどんどん開発している。大量破壊兵器もある。どれも、我々の持っていないものばかりだ」
校長先生は一枚の書類を掲げました。
「全員に医療保険をプレゼントする。入院代も付くし手術代もでる。先進医療も受けられる。対人保険だ。健闘を祈る」
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