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名探偵コナン ゼロの執行人感想

名探偵コナン ゼロの執行人 

監督立川譲

名探偵コナンは原作を50巻以上集めていたものの、安室透が出て来る前に処分してしまい、それ以降触れていなかった。なので、実際に安室透や赤井秀一の姿を見たことはない。昨今のものすごい人気に後悔するも、改めて手に取るには少しハードルが高いのでそのままにしているのだが、赤安、安コ等の単語とファンアートがじゃぶじゃぶとTLに流れてくるので、つい知った気になっている。最近のコナンについて知っているのは、それらの偏った情報だけだ。

今回映画を観る前に知っていた情報としては、以下の数点だ。

・警察内部組織について把握しておいた方が楽しめる

・脚本が相棒の脚本を手掛けた方で、今までのコナン映画と違う世界観

・福山雅治がめちゃくちゃ解釈入れ込んだ歌詞を書いている、真実はいつもひとつ、という言葉を使う許可を得ている

・コナン君のスケボーテクと安室さんのドライビングテクがめちゃくちゃすごい

・終盤の安室さんの決め台詞そのもの

・大量の夢女爆誕

・100億の男及び100億の男にすべく通っている人々の存在

観る前からかなり把握してしまっている。自分で思っていた以上にTLで布教されてしまっていたようだ。

さて。この映画を5月1日の今日観てきたのだが、これはちょっと嬉しい偶然となった。映画中で事件が展開するのが、まさしく5月1日の今日だったからだ。

初っ端博士に魔改造されたドローンが登場し、にぎやかな探偵団諸君が終盤まで今日も今日とて活躍するし、今回のケースは今時な内容の犯罪で、どちらも程よくリアリティがあって良かった。

そして中盤のスケボーテク、ドライビングテクは確かに凄まじかった。コナン君はアメコミのヒーローばりの身体能力を遺憾なく発揮し、安室さんは映画のTAXI並のドライビングテク及び公安ここに在りの凄みを上乗せして、あっさりと魔改造済スケボーとRX-7のバディを達成していた。

全てのコナン映画を観ているわけではないのだけど、大体犯人の動機は縁故に由来するものが多く、犯人自身の価値観や人間性に踏み込んだものは少ない印象だった。それが今回の映画では、コナン周辺の人間関係とまた別レイヤーで力を入れて描かれる検察庁や警察内部組織の力関係の微妙なニュアンスが描かれていて、新鮮だった。中でも終盤のとある人物の慟哭が印象的だった。加害者、被害者と割り切れない、割り切るなと主張する人間をコナンで描かれたのは、確かに異色なんだろうと思う。そして、その公安ドラマは安室さんと風見刑事というレギュラーのキャラクター陣に収束していく。

全体を通してハードボイルドに描かれた分、最後のアクションシーン手前、夢女を大量発生させる大口を叩くだけのハクが裏打ちするようで良かった。ラストのキメキメのアクションシーンも、それぞれの魅力を味わえたし、エンディングテーマもあてがきされただけあって、鑑賞後の感情を後押ししてくれる。映像も好きだった。

というわけで、久しぶりのコナン映画を楽しんできた!という感想おわり。

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