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ウォーク・イン・クローゼット 綿矢りさ 感想

ウォーク・イン・クローゼット 綿矢りさ 綿矢りささんの衝撃のデビューをもろに食らった世代だ。 こんな視線で人を見つめる人間が存在するって世の中すさまじいと思った。 いずれ全部読むつもりでいるけれど、今のところはまだ半分ほど。 ウォーク・イン・クローゼットには表題作と「いなか、の、すとーかー」の二作品が収録されている。 どちらも一人称視点で男女それぞれの主人公の話。綿矢さんは三人称より一人称視点の作品が多いなという印象がある。 「いなか、の、すとーかー」 日常に介入してく

    • ピクセル感想 ※ネタバレ

      オタクに優しい世界線の2015年—— Netflixにて鑑賞。ポケモンは出ません。 もともと劇場で観ようか迷っていたのが、忙しかったか時間が合わなかったかでスルーしてしまった。 予告編はよく覚えている。何度か劇場で観た。ニューヨークに降臨する巨大パックマンが襲い掛かってくる映像は見てるだけで楽しい。 大きいことは良いことだ。特に映画の世界では。 この映画、観る前に想像していた以上にオタクに優しかった。 うだつの上がらないゲームオタクの主人公はそのまま冴えない中年となった

      • 娼年感想

        娼年 監督 三浦大輔  原作 石田衣良 松坂桃李の尻のほくろを見た時、監督は成功を確信したんじゃないだろうか。 映画冒頭のセックスシーンで、そう思った。 原作は出版当時に読んでいて、大筋は覚えていた。冒頭から最後までとにかく性的行為ばかりしている。 女性の欲望への理解というポーズ。それを前面に押し出し、清潔感でくるみこんだ、口当たりの良い小説という印象だった。 登場人物は多すぎないし、過激だけれど、大部分の人には受け入れられる程度のセックスシーンがバリエーション豊かに展開

        • キャロル感想[微ネタバレ]

          キャロル  監督:トッド・ヘインズ Netflixにて鑑賞。 女という檻に押し込められるのに抵抗する、二人の女性の激しい恋の物語だった。 美しくハンサムで、繊細で、自分の魅力を存分に理解しているキャロルと、愛らしく、溌剌として素直なテレーズの対比はくっきりしている。けれど、二人の苦悩の源は同じところにある。キャロルは家庭生活に閉じ込めようとする偏執的な夫。テレーズは彼女が自分のものになると信じて疑わないボーイフレンド、どこか馴染まない世間。 どちらの女性もとても魅力的だ

        ウォーク・イン・クローゼット 綿矢りさ 感想

          アベンジャーズ インフィニティ・ウォー感想[ネタバレ]

          アベンジャーズ インフィニティ・ウォー  監督:アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ MARVEL映画の履修歴: 全作観ている。原作のコミックスは未読で映画以外の知識はほとんど無い。キャプテン・アメリカ推しでWSとCW大好き。マーベル展にも行った。 事前に知っていた情報: ・ホークアイがポスターに居ない ・アントマンは出ない ・今作では終わらない 以下、感想 ここに至るまでに既に十年と十八作が過ぎている。Marvel Cinematic Universe、文言

          アベンジャーズ インフィニティ・ウォー感想[ネタバレ]

          名探偵コナン ゼロの執行人感想

          名探偵コナン ゼロの執行人  監督立川譲 名探偵コナンは原作を50巻以上集めていたものの、安室透が出て来る前に処分してしまい、それ以降触れていなかった。なので、実際に安室透や赤井秀一の姿を見たことはない。昨今のものすごい人気に後悔するも、改めて手に取るには少しハードルが高いのでそのままにしているのだが、赤安、安コ等の単語とファンアートがじゃぶじゃぶとTLに流れてくるので、つい知った気になっている。最近のコナンについて知っているのは、それらの偏った情報だけだ。 今回映画を

          名探偵コナン ゼロの執行人感想