お気に入りだったものが壊れてしまったとき皆さんはどうしていますか? 捨てて新しいものを買う、そんな方も多いかもしれません。 でも、捨ててしまったらもう出会えないかもしれない。そんなものもありますよね。 日本には陶器や磁器をお直しする「金継ぎ」という技術があります。 器が割れたり、欠けたりしてしまった際に漆で接着し、継いだ部分を金でお化粧して修復するという方法です。この技法は縄文時代から続いていると言われています。 私が初めて金継ぎと出会ったときとても驚いたと共にとても後悔
生きていくのに必要なもの。食べ物や、服、極論をいうとこれだけでしょうか。現代社会で生活していくのに必要なものまで広げると車やパソコン、スマートフォン、家具家電、シャンプーなどの日用品などがあげられるかもしれません。食べ物や衣服だってそんなに高級なものがなくたって生きていくことはできます。 そう考えると、私たちの身の回りには不要なものが多ように感じられます。 なぜ人は不要なものを欲しがるのでしょうか。 おしゃれをしたい、誰かにかわいいって思われたい、好きなものに囲まれて暮らし
職人の背中が語ること。 それは、今まで積み重ねてきた経験や苦労、仕事への向き合い方などいろいろなことを教えてくれている気がします。 多くは語らずともその姿を見れば、今までどれだけ真剣に仕事と向き合って、どれだけ真剣にものと向き合ってきたのかがわかります。 伝え手の役割はそれを真摯に受け止め、リアルを伝えるということ。 どんな仕事もその業界の職人。 ものづくり業界だけではなく、他の業界にも通ずるものもあると思います。 仕事への向き合い方、お客さんとの向き合い方、そしてキ
機械化が進み、淘汰されていく職人たちの手仕事。 この世の中に必要なものってなんなんだろう。 そんなことを考えさせられます。 この時代に、大手耐熱ガラスメーカーのHARIOが立ち上げた手仕事の技術を継承するためのブランドがあります。 「HARIO Lampwork Factory」 創業90年の歴史の中で製造が機械化され幅を広げてきたHARIOですが、始まりは職人の手仕事から。 この手加工の技術を次の世代に伝えるため、それを多くの人に使ってもらうためにデザインされ、日常に
幸せだなと感じる瞬間はどんなときでしょうか。 好きな人と一緒にいるとき、好きなものを食べているとき、好きな音楽を聴いているとき。 幸せに暮らすには“好き”という気持ちが必要不可欠です。 好きなことを仕事にするという言葉をよく耳にしますが、これはもしかしたら全員が実現するのは難しいのかもしれません。 世界の人が好きな仕事だけをやっていたら社会が回らなくなってしまいます。 かといって好きなことを仕事にしていない人は不幸かと言われればそうではありません。 仕事の合間にも暮らし
“伝える”ということには様々な手段があります。 話すこと、顔の表情、ジェスチャー、音楽や絵で表現することなど……。 その方法の一つでもある文章を書くということ。 手紙を書くとき、雑誌など紙媒体で原稿を書くとき、SNSに投稿するとき、私たちの生活で文章を書くということ、その文章を読むというシーンがたくさんあります。 文章って形に残るものだから、なんかうまく書かなきゃいけない。 そんな使命感に駆られながら書いてしまう。 構成だったり、言い回しだったり。 そして硬くてかしこま
物がありふれている現代社会で、“いいもの”もたくさんありふれています。 いいものを作れば売れる 確かにそうかもしれません。買い手がそれを理解することができれば。 しかし、多くの人は物を見ただけでは、なぜこれがこんなに高額なのかということを理解するのは困難だと思います。 そこで重要になってくるのが伝えるという力。 このものにはどんなストーリーがあって、どんな想いが込められているのか。 それは共感できるものなのか、それとも新しい発見なのか、心が豊かになるものなのか。 受
大切な人に何かを贈るときどんなものを選びますか? どんな気持ちで選びますか? 誕生日、結婚・出産祝い、記念日。。。 相手に喜んでもらうために相手の好みのものを渡しますか? それとも自分が本当に気に入ったものを贈りますか? 贈りものをするときは何かメッセージ性のあるもの、意味のあるものを送りたいといつも思っています。 伝統工芸の業界に関わるようになってから漆の魅力をすごく感じるようになりました。 使えば使うほどツヤが出てきて、どんどん手に馴染んでいく。 触ると自分の体温が
生まれてから高校まで過ごした新潟。 この町には何もない。 そう感じていました。 大学は山梨県の大学に進学。 最初はこの町にも何もなくてつまらないと思っていましたが、そのまちの人とのつながりの輪が広がって行くにつれてまちのことを知れるようになり、だんだん好きになっていきました。 そんなとき、私のふるさとにも本当は魅力があるんじゃないか、もう一度目を向けてみよう。 そう感じました。 住んでいた時は気づかなかった、出会うことのなかった、この町で頑張っている人、おもしろいものが
日常生活で意識をしていないと、伝統工芸品に触れられる機会は本当に少ない。 どこで売っているかもわからない、知るきっかけも少なすぎる。 だから次の世代も知ることができない。 そしてだんだん失われていく。 そんなループに陥っています。 でも、いいものは必ず残っていくと信じています。 時代に合わせて進化していくことができれば。 今できること。 それはホンモノを自分の目で確かめること、自分の手で触れてみること。 そしてそれをありのままに伝えることだと思っています。 少しでも誰か
最近、久しぶりに会った友達の一人が就職の関係もあって環境問題をすごく意識するようになっていました。 エコバッグを持って行かないと マイボトルにしないと お肉を食べる量を減らさないと 単純にすごいなと思いました。 私はあまり環境を意識していませんでした。 何か行動に移したとしても義務感で疲れてしまい、続かずにすぐにやめてしまうことがほとんどでした。 しかし、それと同時に今やっていることはもしかしたら環境問題に通じているのかもしれないと思いました。 伝統工芸は人間生身の手
毎日の食事に使うもの、自分の部屋に置くもの、身に着けるもの。暮らしをともにするものを選ぶとき、何を基準に選択しますか? 金額でしょうか。デザインでしょうか。それとも使い心地でしょうか。 人それぞれ判断基準があると思います。 そしてその優先順位もあると思います。 大量販店で売られている金属の高級スプーンとハンドメイドの木製スプーン。 どちらも1,000円だったらどちらを選ぶでしょうか。 雑貨チェーン店や格安家具店で販売されているスプーンだったら、1,000円という金額はかな
「手しごとで作られたものは温かみが感じられる」という言葉をよく耳にします。 手しごとで作られたものを触ると温かくて、機械で作られたものを触ると冷たいのでしょうか。そんな物理的な温度の話ではないですよね(笑) ではその“温かみ”の正体は一体なんなのでしょうか。 人の手で作るものは一つとして同じものはできません。 同じデザインで同じ作り方をしてもその時の温度や湿度によって変わるものもあるし、もしかしたら職人さんの気持ちの状態によっても変わることもあるかもしれません。 よ~く
伝統産業を守るにはいろいろな方法や役割があると思います。 職人に弟子入りして作り手になること、伝統を広めるために伝え手になること、そのものを使って楽しむ使い手になること。 その全てに共通してあるものは伝統産業に対する“愛”だと思います。 作り手は愛着を持ってもらえるように愛を込めて作り、伝えてはその職人さんの愛を受け止め自分の愛を乗せて伝え、使い手はそのものを愛し、大切に使い続けていく。 ものづくりって愛にあふれている。 最近職人さんを訪ねているうちにそんなことを感じま
今日はうるしの日。お気に入りの漆製品を使って麗しいひとときを✨
新潟の伝統的工芸品で今一番オススメしたいのが「村上木彫堆朱」。 真っ赤な漆塗りに華麗な彫り。部屋に一つあるとその場がとっても華やかになります。 縄文時代が原点ともいわれている漆器。それだけ日本人の文化に強く根付いているものなのです。 現代、暮らしの中に漆器を取り入れている方はどのくらいいるでしょうか。 「濡らしてはいけないんじゃないか」「特別なときに使うもの」…… 漆器は扱いづらいというイメージを抱いている方も多いかと思います。 でも実は、使いやすくて日常使いに向いてい