見出し画像

“そもそも人は完全ではない。それでも私は、ありたい自分を追求する!”~葬儀社の採用人事 八幡優子さん

Hitoテラスは、従来のプロフィールでは伝えきれない、あなたの内なる魅力を表現するプロフィール=インナープロフィールをインタビューによって引き出し、あなたらしさが伝わる自己紹介をお手伝いするメディアです。


1.八幡優子 やわたゆうこさんの経歴

国際基督教大学教養学部語学科卒業。新卒として、むすびす株式会社へ入社。入社後3年間に渡り、葬儀をプロデュースする“エンディングプランナー”に従事。140件のご葬儀のお手伝いを行う。 新卒4年目で人事部へ異動し、新卒採用担当としてキャリアチェンジ。 これまで2度の出産育児休暇を取得し、現在に至る。

むすびす株式会社:
100人いれば100通り
「生き方」をお伝えする日本で唯一のお葬式を提供する葬儀社
https://www.urban-funes.com/

2.モットーに込められた想い

八幡優子さんのモットーは、
そもそも人は完全ではない。それでも私は、ありたい自分を追求する!
です。

お母様がクリスチャンで毎週教会に通っていた影響もあり、「そもそも人は完全な存在ではない」という前提で自分や他人と向き合うことが、八幡さんには自然な感覚でした。インタビューを進めるにつれ、彼女は不完全さに甘んじるのではなく、仕事を通して自分を律し「ありたい自分」を追い求めることで、不完全さを払拭していこうとする姿勢が伝わってきました。特徴的なのは、人と比べて無いものを埋めようとするのではなく「ありたい自分」に向かっていく、そこが八幡さんの大きな魅力です。
このあと、八幡さんのインナープロフィールとそこにまつわるエピソードをぜひご覧ください。

3.八幡優子さんのインナープロフィール

八幡優子さんのインナープロフィールはこちらです。
モットーとそれにつながる4つの内に秘めた想いを下記のイラストで表現しています。

内なる想い①:そもそも人は完全ではない!

お母様がクリスチャンだった影響は?という問いに対して、八幡さんからは、「自分の生きやすさのベースはここにある」と即答が返ってきました。
「キリスト教においては、そもそも人は完全な存在ではないという考え方があるので、別に完璧じゃなくても、駄目なところがあってもいい。大きな存在に許してもらえている感覚があるから自分に失望しない。だから自分は生きやすいんだと思う。」と彼女は自己分析をしています。
育てられ方という側面からも、“そもそも人は完全ではない!”という価値観が培われてきたことがわかるエピソードがあります。
「人に迷惑をかけるようなことに対しては怒られた。例えば、他人の家の壁に落書きするとか(笑)」
「でもテストの点数など、能力的にできるできないで、とやかく言われたことは全くなかった。逆に点数が高いから褒められるとかもなかったですね。だからご褒美に何か買ってもらえるようなこともなく、張り合いがなかったです(笑)」

八幡さんのお母様がそのように娘に接することで、おそらく八幡さんは自分をダメだと責めない、他人に対しても不完全が当たり前というスタンスで関わることできるのでしょう。だから自分は生きやすいという意味がよくわかったエピソードでした。

メタファーとして「一部が欠けている石像」をバックに撮った写真を提供してくれました。

内なる想い②:みんなの“普通”より、私が思う“いい”を選びたい

この写真は、大学時代入っていたサンバサークルの一コマ。

右端が八幡さん

八幡さんいわく、「サンバサークルって、あまり他の大学にはないんです。でもそれが面白いなって思ったので入ったんです。大学も主流は英語関連だったが、興味を持ったのが日本語学でそれを専攻しました。」
「日本語学を専攻したもう一つの理由は、周囲の英語レベルがとても高く、英語という分野で頑張ってもダメだと思ったんです。大海で頑張るよりもマイナー分野で自分が勝負できるところを選ぶ、という判断基準が自分の中にあると思います。」

八幡さんが「そもそも人は完全ではない」という価値観を持つ人だという前提でこのコメントを聞くと、単に苦手だから逃げたという解釈とは違った意味合いを感じます。
人と比べて劣るところがあるのは当たり前、そして、その克服のために自分が消耗するのであれば、逆にエネルギーが湧いてくるものを選びたい、たとえ多くの人が選択しないものであってもそれを選びたい、という気持ちがこのコメントの行間には込められていると思いました。

就職先に葬儀社を選んだことにも通じるものがあります。葬儀業界と聞くと、自分なら選ばないと思われる人も少なからずいると思います。ではなぜ八幡さんは、就職先に葬儀社を選んだのか?そのエピソードを紹介します。

「2週間前まで普通に会っていた先輩が突然亡くなったんです。その先輩が夢の中にでてくるくらいモヤモヤして、鉛玉が引っかかっている気分のところ、葬儀とは別に居酒屋でお別れ会をすることになったんです。みんなが手紙を書いて持ち寄り、明るい音楽を流しながら集めてきた写真を見ながら普通にワイワイ喋る時間だった。でもその時間があったから、何かを飲み込めた感じがしたんです。」
亡くなった人を鉛玉にするのではなく、残された人にとっての灯火にしていけるのであれば、このような時間は大事なんだと思った。でもこのように考えている人はあまりいないかもしれない。だったら、これを仕事にするのもいいじゃないかと思ったんです。だから、自分のなかでは葬儀社を選ぶというのは、まったく素直な決断だったと思います。」

このエピソードを聞いた時、「私が思う“いい”を選びたい」という言葉の意味がわかった気がしました。それは、実体験を通して納得した自分の感覚を信じるという事、だからこそ「ここでならがんばれる」と思えるんだと得心しました。

内なる想い③:「格好いい自分になりたい!」

八幡さんにとっての「格好いい」とは?という問いには、いろんな表現で答えが返ってきました。いくつか紹介しましょう。
・みんなは赤か黒のランドセルなのに一人だけ緑のランドセルを背負って通ってくる女の子がいて、自分だったらちょっと勇気がいると思うんですけど、その子は堂々と背負っていて格好いいーと思ったんです!
・中学校の時の友人も短期留学先の台湾人の女性も、自分を持っている感じで堂々として、サバサバしている。なぜか、みんなボーイッシュでショートカットの髪型なんですよ。こういう感じが格好いい〜と思うので、自分もショートの髪型にしたいんです。旦那さんは長い方がいいって言うんですけどね(笑)
・あとスカートではなく絶対パンツスーツ!5センチのヒールでカツカツって感じで髪をなびかせて歩くOLが憧れでしたねー

その格好いい姿のどのような部分に惹かれるのかと尋ねると、
「自分があるという強さです。人を傷つけるみたいな強さではなく、単純に自分がそうありたいからそうしてるという、堂々としている強さがある。周囲を気にして怖がることもない。
他のランドセルがダメだとか、自分のいいでしょ、という感じでもない。ただ自分がそうしたいからそうしている。だから、その人と違っていても馬鹿にされることもなく、普通に接してくれる。こういう人は、格好いいと思います。」

八幡さんの「格好いい」は、まさしく自分の中からでてくる「こうありたい」を堂々と追求することなんだなと思いました。最近は、その一環で、キャリアコンサルティングの資格を取得したそうです。

内なる想い④:「仕事は自分を律する手段である」

八幡さんいわく、
「格好いい自分になりたい!とか言ってますが、同時にすごい怠惰な自分もいるんです。すごく面倒くさがり屋だし、性根はダラダラタイプなので、ありたい自分を持っていてもできない…みたいなジレンマを感じるわけです。」
「でも、いざ仕事だとなれば、朝早く起きてビシッとスーツ着てちゃんと化粧して9時前には会社でパソコンを出してるような、強制的にありたい自分にならせてもらえる。自分にとって仕事とは、そのような存在だと思っています。

自分を律するという観点で、もうひとつ八幡さんとのやりとりをご紹介します。
八幡さんは、いくつかある葬儀社の中でこの会社を選んだ理由として、「ここまでやるのか!すごいなっと思える人たちがいたから。たぶん、それが自分のありたい像の一部と重なったから。」と語っています。

~むすびす株式会社の「ここまでやるのか!」と感じた一コマ~
流れ作業として業務をするのではなく、葬儀の一つ一つのフローに「誰に、どうなってもらうために、何をするのか?」という意図を徹底的に考える会社です。

一方で、最初に配属されたプランナーという仕事では、「そこまではできないなと諦めかけた。その理由として、自分が大事になってしまうから。」と非常に正直な気持ちを吐露しています。
でもそこまでの情熱をもって、がむしゃらに頑張っている人には惹きつけられるし、そんな人たちのためには自分は頑張れる!」と言い切る八幡さんがいました。

この話を聞いて感じたことは、情熱を持って夢中で仕事をする人と触れ合うことができる仕事場は、やはり八幡さんにとっては自分を律する場になっているんだということです。

現在、八幡さんは採用人事という仕事に就いて9年となり、適合感がでてきたそうです。
「年数を長くやっているので、採用については自分が一番考えているという誇りがある。そして、しっかり考えれば、うまくいくという実感が持てている。
と語っています。
それが彼女の言う適合感であり、きっと、その仕事に対して堂々と取り組むことができる強さも感じているのでしょう。
ありたい格好いい自分に向かって、一歩一歩進んでいく彼女をこの後も応援したいと思います。

大学で学生へ授業を行っている一コマ

4.インタビュアーが感じたこと

八幡さんのコメントで印象に残っているのは、
「いつどんな形で死んでも可哀想って思われないように生きていきたい」
という言葉です。続けて彼女は、このようにも語っています。
「本当はもっと良くできたかもしれないけど、この人生や自分自身に満足していたいし、してるつもりです。」「だから他の人に必要以上に迎合したり、羨んだりせず、自分がいい思うことは大事にしたいと思っています。」

他人と比べて劣っている部分があると悔しい。その悔しさをバネにして成長していく「強さ」を持っている人もいます。この「強さ」を求める指導者は、世の中には多いのではないでしょうか。
一方、本文にも書いたとおり、八幡さんはこれとは違う育てられ方をされました。

彼女は、劣っていることを認める「強さ」を持ち、
その克服のために自分が大きく消耗するのであれば、諦める「強さ」を持ち、
それよりも、自分のエネルギーが湧いてくる道があれば、
たとえそれがマイナー路線でも、その道を選択する「強さ」を持っている
と思います。
そんな「強さ」を持つ人が、彼女が目指す「格好いい」なのだろうと思います。

「そもそも人は完全ではない。それでも私は、ありたい自分を追求する!」
このモットーを貫いている限り、彼女の言うとおり、
いつどんな形で死んでも、「八幡優子って格好よかったねー」と胸を張って言い切れる。冒頭に記した八幡さんのコメントには、こんな想いが込められているんだろうと思います。

~八幡優子さんにコンタクトをとりたい方はこちらから~

<<今回のインタビュアーの紹介>>

亀田啓一郎(かめだけいいちろう)
株式会社プロジェクトプロデュース 代表取締役
企業向けに人材育成研修や組織開発コンサルティングを実施。
自らのミッションは、自分の可能性、感性を信じて挑戦する人を応援すること。

南波由記(なんばゆき)
Office Atsumaru 代表
15年に渡る企業人事経験を経て、HRエキスパートとして人事採用支援、メンター、コーチとして「よりよい生き方・働き方」の実現をサポートする活動を行っている。

<<Hitoテラスからのお知らせ>>

人には経歴だけでは伝えきれない価値や魅力があると私たちは考えます。 人の奥底に光を照らして、内なる魅力を表現するプロフィール(インナープロフィール)を創りたいと想っています。

この記事が参加している募集

就活体験記

是非サポートをお願いします!Hito TERRACEの光がたくさんの方に届くための費用として使わせていただきます!