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【快感インストール】

 2020年12月に有料定額動画サービスdTVで配信されたドラマ(全4話)。
 同サービスのオリジナルドラマ第2作で、原案・北山宏光、主演・二階堂高嗣と、いずれもジャニーズ事務所所属の男性アイドルグループ・キスマイこと「Kis-My-Ft2」のメンバーである。
 女性の胸にふれることでその女性の「快感をインストール」する能力に目覚めた主人公が、その能力を活かして「最高にHな大学生活」を送ろうとする……という物語の、お色気コメディ作品。

 この有料チャンネル内の、見たい人だけがわざわざクリックして見るドラマに対して、フェミニスト達がまたぞろ集団攻撃に乗り出した。

 始まってもいないうちに、である。

主人公が能力に目覚めたきっかけが、つまずいた女性の胸を偶然触ってしまう【ラッキースケベ】場面だったことがきっかけのようである。
 しかも本作は、有料動画サービスとして観たい希望者のみに配信されているものである。フェミニスト達の「【公共の場】なのが問題!」「見たくない人への配慮」だのがいかにウソだったか。その無限回目の証拠ということになる。

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 このアカウントは日常的に【嘘松】ツイートをしまくっている重度の虚言癖の持ち主なので、そんなことを頼んだファンの実在は疑わしい。
 それ以前に、ジャニーズの男性アイドルといえば女性から「【性的消費】される側」の筆頭と言っていい人達である。女性が男性にするのはいいが、男性が女性にするのはお話の中でもダメだというのだろうか。
 そもそも本シリーズ、第一作『BELOVE』はやはりKis-My-Ft2の男性アイドルが主演するボーイズラブドラマであり、おおいに女性ファン達に性的消費されていたのだが、フェミニストが攻撃した話はついぞ聞かない。どうやら【BL無罪】の対象だったようである。

 その他にも、本作を叩きながら、同じツイートで「見てもいない映画を批判するなんて!」と、フェミニストが出演している他作品を擁護する者も登場するなど。相変わらずのダメ百鬼夜行ぶり。

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 そして参戦してきたのが【太田啓子】である。
 彼女はハフポストのインタビューに答え、次のように宣言する。

こういった話をすると、「『ルパン三世』を見たからって強盗にならないし、『名探偵コナン』を見たって殺人犯にはならないから、問題ない」といった反論も耳にしますが、強盗や殺人と性犯罪では社会での扱われ方に違いがあります。
どういう行為が強盗や殺人に当たるか、また、それがどれだけひどい行為なのかは広く適切に理解されている一方で、性暴力については、「そもそもどんな行為が性暴力なのか」「性暴力はどれだけ人を傷つけるか」についての社会全体での認識が甘いところが今の日本社会にはあります。(「『ラッキースケベ』描写、何が問題ですか。太田啓子弁護士に聞いた」より)

 この発言が「インチキ」であるのは、「性暴力が理解されていない」「性暴力が許され、甘く扱われている」というのは、「フェミニストが勝手に拡大したがっている(たとえば萌え絵は性暴力とか)意味での性暴力」に過ぎず、本来の刑法的な意味での「性暴力」ではないからである。

 実際の性暴力は現代日本の社会通念では、むしろ性のつかない単なる暴力以上に卑しいものとされている。性的暴行は単なる暴行罪より、強制わいせつは単なる強要罪より、強姦致傷は単なる傷害罪より、圧倒的に罪が重い。
 刑務所ですら、性犯罪者はそうでない犯罪者によって制裁的なイジメを受けるという話は、(個別事例は知られていても)統計的な実証は困難であろうが根強く流布されているし、多くの人がそういうこともあるだろうとその話を受け入れている。
 それはフェミニストの主張とは逆に、性犯罪が「特に卑しく忌むべき犯罪」であるという社会認識が広く存在している証拠でもある。

 だからこそフェミニストは、気に入らない絵柄や表現を「性暴力」と結び付けたレッテルを貼るということを、規制やクレームの突破口として常套手段にしているではないか。
 そう、フェミニストの行動そのものが、性暴力が社会的に悪いものと理解されている証拠なのである。

 フェミニスト達の抗議活動はめでたく失敗し、『快感インストール』は好評のうちに12月26日、円満に最終回を迎えた。
 なお原案の北山宏光は、痴漢や性暴力の被害を理解していないどころか、本人が実際の痴漢経験被害者であることを明かしている。

 なお、本作の放映後、影響を受けた性犯罪が発生したと言う話も、性犯罪そのものが増加したと言う話も、当然ながらどこにも存在しないのであった。

参考リンク・資料:

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