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 チャイコフスキーによる序曲。
 作曲は1880年で、ナポレオン1世のフランス帝国軍による侵攻をロシア帝国が撃退したことをテーマとした曲である。

 2022年2月のロシア連邦によるウクライナ侵攻に伴い、各地の演奏会などが同曲の演奏中止・曲目変更などをおこなっている。
 ただしこの曲のテーマはあくまで「侵略者を撃退したこと」であり、また当時の「ロシア帝国」には、現在のウクライナ共和国も含まれている。

 2022年3月1日、明石フィルハーモニー管弦楽団は、同月21日に予定されていた「第30回定期演奏会」でのこの曲の演奏中止を告知した。

明石フィルハーモニー管弦楽団ホームページより


 また3月2日には中部フィルハーモニー管弦楽団が、3月26日のコンサートにおいて同曲の予定をシベリウス【フィンランディア】に変更し、1812年と同じチャイコフスキーの『くるみ割り人形』から「トレパック」を追加した。
 『フィンランディア』はロシア帝国圧政下におけるフィン人の民族意識の目覚めをテーマとした曲で、フィンランド第2の国家とも呼ばれる。

 同楽団の加藤隆久理事長は以下のようにコメントした。

政治や経済界、さらにスポーツ界などでもロシア非難、ウクライナ支援が表明されているが、そのような中で、私たち音楽に携わる者に何ができるかと考えたひとつの答えが、今回の曲目変更です。ロシアの戦勝曲である大序曲『1812年』にかえてシベリウスの『フィンランディア』を演奏することにしました。しかしながら、音楽そのものやチャイコフスキーに罪はなく、リスペクトの気持ちは変わらないので、くるみ割り人形の『トレパック』を追加曲として演奏します。

「ロシアの戦勝曲」曲目を変更 中部フィルの演奏会

 音楽界ではロシアへのキャンセルが相次いでおり、プーチン氏と親交のある世界的指揮者【ワレリー・ゲルギエフ】氏の各国での地位や公演のキャンセル、【ユーロビジョン・ソング・コンテスト】からのロシア全排除などが起こっている。

参考リンク・資料:

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