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【鬼滅の刃 遊郭編】

 2021年12月~22年2月にかけて放映されたテレビアニメ。
 原作は2016~2020年に週刊少年ジャンプに連載された吾峠呼世晴の大ヒット漫画【鬼滅の刃】で、テレビアニメ一期(竈門炭治郎 立志編)、【鬼滅の刃 無限列車編(映画)】から続く物語。

 原作はすでに連載を完走している作品のため、無限列車編の次の戦いの舞台が遊郭であることはファンには当然、周知の事実であった。
 そのことで週刊誌が「フジテレビが制作に難色を示している」と報じていたというが、これは虚報であったようだ。

 2021年2月14日。放送予定が発表されると同時に、そのサブタイトル「遊郭編」に噛みついたのはもちろんフェミニスト達であった。

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 「出ます、いろいろ。」じゃねえよ馬鹿。
 お前の怪談まがいのツイートの方がよっぽど遊郭の犠牲者を娯楽にして消費してるだろうが。

 そもそも彼らは原作を読んでいない。ただ「遊郭編」というタイトルに飛びついているだけである。
 あらかじめファンでなければ作品に文句をつけてはいけないとは、もちろん言わない。ただ文句をつけようと思ってから実際に口を出すまでの間に読めばいいだけの話である。もちろん彼らは、最初から最後まで読みはしないのだが。

こういう愚行は初めてのことではない。たとえば2020年の【アートアクアリウム展~高知・金魚の海~】は、そのうちの1作品名に「花魁」があっただけで、5つもの婦人団体が抗議を仕掛けたと報じられている。

 そもそも遊郭を舞台にした話がある作品くらい幾らでもある。『パタリロ!』や同じジャンプ作品である『銀魂』、さらには『千と千尋の神隠し』も明らかに舞台のモデルが遊郭である。

 さて、ハエにとびかかる蛙のごとく目先の情報に飛びついて浅薄なクレームをつけ、突っ込まれると後付けで「批判のポイント」を捏造しはじめるのがフェミニストのいつもの行動パターンだ。
 彼らは「遊郭を美化する危険があるのを心配しているだけだ」と言い始めたのである。

 実際のストーリーは「遊郭での悲惨な境遇のあまり鬼と化した兄妹と戦う話」であって、そんな心配は微塵もありえない
 そもそも本当にそんなことを心配しているのなら、さっさと本屋でもネカフェでも行って原作を読めばいい。そんな危険がある内容かどうか、一発で確かめられるではないか。本当に心配していたらそうするはずだろう。そうしないのは「心配」が本当ではないからだ。
「確かめたいから原作の何巻が遊郭編なのか教えてくれ」と尋ねているフェミニストさえ、少なくとも筆者の観測範囲では絶無なのである。

 そもそも大昔の出来事について娯楽作品に「美化する表現」があったとして、どんな実害があるというのだろう。遊郭が美化される!と喚き散らす人たちは、娯楽作品に登場するニンジャやサムライ達についてもいちいち「美化」だと叫んできたのだろうか。

 子供たちに本当に教えなければならないのは「娯楽作品に遊郭を出すな」などということではない。「本当の遊郭は悲惨だった」ということですらない(知っているに越したことはないが、興味のある人が教養として持っていればいい知識である)。

「娯楽は娯楽であり、歴史的事実とは別物だ」

 ということだ。
 それさえ教えていれば、忍者だろうと侍だろうと遊郭だろうと、娯楽作品でどう大胆に変えられようとも構わないのだ。

 ……もっとも子供たち以上に、フェミニストにそれを教える必要があるようだが。

参考リンク・資料:

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