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【名探偵コナン 理想の花嫁~My ideal bride~】

 2022年4月15日公開の劇場アニメ映画『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』封切に先立って企画された公式ネット人気投票。

『名探偵コナン』は、1994年に「週刊少年サンデー」で連載開始された青山剛昌による推理漫画のロングヒット作品。96年からTVアニメ化、97年以来毎年(2020年を除く)4月に劇場版が公開されている。

「理想の花嫁~My ideal bride~」は『ハロウィンの花嫁』ムビチケ前売券の購入者を対象とした企画で、「コナン」の女性キャラクター中38人から「理想の花嫁」を選んで人気投票するもの。
 予定では3月23日から4月22日までが投票期間となり、1位のキャラクターは5月9日に特設サイトで発表とともに原作者描き下ろしイラストが公開。投票参加者には映画劇中シーンのイメージボード壁紙プレゼントなどがある予定だった。

 しかし、3月16日の企画発表後、またぞろ「フェミニスト」達が「時代遅れ」「ジェンダー観が古い」といったバッシングを行ったということで、公式ツイッターが謝罪に追い込まれ、企画を変更すると発表。
 ちなみにフェミニストはそもそも【嫁】という概念そのものを敵視している。

 しかしこの謝罪ツイートには、たちまちにしてリプライ欄・引用リツイート欄ともに一般ファンの圧倒的多数からの変更反対、問題なしの声が溢れ返った
 その様相はまだ記憶に新しい【マイメロディのバレンタイン】事件を彷彿
とさせるものであった。

リプライ欄のツイートのごく一部

 フェミニストによる叩き・勝利宣言の類もわずかにはあったものの、大量の「問題なし」のファンの声に埋もれて見つけることすら一苦労な状態となっている。

 そもそも「ジェンダー観が古い」もなにも、人気投票なのだから各々が自分のジェンダー観に基づいてそれぞれの理想の花嫁を投票する権利が与えられている。古いジェンダー観の人も、新しい(本当に新しいかはさておき)ジェンダー観の人も、それぞれの価値観に近いキャラクターに投票すればよいだけの話である。それが真のジェンダーフリーというものであろう。
 そもそも花嫁になりたくない、欲しくないという人がいても、この企画がそういった人々の権利侵害になるわけでもなんでもない。
 「理想の上司」だの「理想のヒーロー」だのといったキャラクター人気投票も世の中には溢れているが、それらはヒーローや上司になりたくないという人のために変更しなければならないのだろうか。
「ボクは出世なんかしたくない!重い責任や激務を負わされるのはイヤだ!」という人がいるのは自由である。しかしそういう人が「だから理想の上司投票なんてするな」と言い出せばだれでもバカを言っていると分かる。
 なぜ「理想の花嫁投票はイヤだ」と駄々を捏ねる女性達だけには、世間や企業がわざわざ世話を焼いてあげなければダメなのだろうか。

 そしてこの投票は「主要女性キャラクター人気投票」なるものに変更されて再開されたのだが……。

 4月6日に出された中間発表による順位は御覧の通り。

『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』公開記念主要女性キャラクター人気投票中間発表

 佐藤美和子刑事は3位、十分に健闘している。
 得票数こそ分からないものの、佐藤刑事はこの変更によって「花嫁役であること」と「3名のうちで唯一結婚適齢のキャラクターである」というアドバンテージを奪われたうえでこうなのだから、元のままの投票ならもっと上を狙えたのでは?
 しかし、そのような嘆きは「佐藤刑事のためにバッシングをしたファン」であったはずの人々からは終ぞ聞かれることがなかった。「一般のファンの声!佐藤刑事のために言ってる!」というのは嘘だったということの証拠であろう。
 ともあれ、またも「フェミニズム」と、女性を含む一般人の感覚との乖離が露わになったのである。

 なお、この謝罪と変更について「投票キャラの中に読者の実名を入れてしまったのが真の理由だ!ツイフェミのせいじゃない!」との主張がある。
 これはその読者・福井柚嬉さんがイベントの「じゃんけん大会」で優勝し、作品の「登場権」を獲得してゲストキャラになった→今回の投票にも登場していたという経緯である。
 しかしそもそも変更後の人気投票でもそのキャラクターがいなくなっていない以上、そんなことは理由ではなかったと見るのが自然だろう。

変更後の右下のキャラクターが福井柚嬉


参考リンク・資料:

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