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『理想の花嫁』の謝罪は読者の実名使用キャラの花嫁レース誤投入が原因でジェンダーもクレーマーも無関係だったのではという話-劇場版名探偵コナン『ハロウィンの花嫁・女性キャラ人気投票』炎上検証(解決編)


前回投稿にて「名探偵コナン人気投票『理想の花嫁』はどのように炎上に至ったか?」という分析(前編)を行なった。

誰が『理想の花嫁』を燃やしたか?-名探偵コナン映画2022「ハロウィンの花嫁・主要女性キャラクター人気投票」炎上2万5千件のツイート分析(前編)

結論から先に

結論から言うと『理想の花嫁』の謝罪はファンの暴走でもジェンダークレームでもなく、Webサイト作成時の手抜きによって発生した必然である。どういう事なのか追って説明しよう。

●『理想の花嫁』特設サイトの怪しいソースコード
企画リリース直後2022/3/16当時のWEBアーカイブから取得した『理想の花嫁』38名の花嫁候補名簿は2021年に同ウェブサイト上で開催された人気投票『緋色の総選挙』で使用された104名の男女混合名簿から女性キャラのデータだけ残したものではなく

2021年の『緋色の総選挙』全104件のキャラクターリストから39件目「class="chara cat-police" id="chara-039" 上原由衣」以降のデータを全廃棄して、
38件ぶん残った緋色の総選挙リストコードの1件目「chara-001 江戸川コナン」から38件目「038 大和敢助」までを「38名の花嫁名簿」へ、キャラ名だけ上書きしたものになっていた。

花嫁と緋色総選挙比較

40行目「id="chara-031"」がわかりやすいが、「class="chara cat-police cat-blackorg" id="chara-031" 諸伏景光/スコッチ」用のclass名とidが入ったリストタグへ理想の花嫁31番:桧原ひかるの名前が流し込まれているため、食いしん坊メイドのひかる嬢が黒ずくめの組織メンバーになってしまっている

ついでに補足すると『緋色の総選挙』でのchara-019〜046までは日本警察ゾーンだったため、理想の花嫁候補20人目のアナウンサー「水無怜奈」〜 最終38人目の女子高生「大岡紅葉」まで全員、キャラ分類の内部データが「class="chara cat-police"(クラス=”キャラ カテゴリ:警察官” )になっている。いくらなんでもそこまで女警官しか居ない漫画じゃないだろう名探偵コナン。

(※2021年『緋色の総選挙』での桧原ひかるのclass分類は”cat-other”

<li class="chara cat-other" id="chara-097"> 桧原ひかる </li>

次に『理想の花嫁』で使用された「38名の花嫁候補」のデータだが、
98巻までのコナン原作単行本裏表紙に描かれたキャラの一覧から全38人の女性キャラを巻号順(2巻毛利蘭〜98巻山村紅葉の順)にリスト化したもの」と一致した。

花嫁HTMLと単行本比較

コナン原作単行本裏表紙に書かれた38名の女性キャラを『緋色の総選挙』の<li>タグ1〜38に画像と名前だけ巻号順にそのまま流し込んだものが『理想の花嫁』の花嫁名簿である。(なのでお婆ちゃんの山村ミサエや小学生の吉田歩美まで”花嫁候補”にされており、緋色の総選挙で投票できた宮野エレーナや円谷麻美のデータが理想の花嫁では消失している

ミサエ

エレーナ

あさみ

ここで『理想の花嫁』の運営およびWebサイト制作者は一つミスを起こしている。

原作単行本98巻までの裏表紙に描かれた女性キャラの中には、『青山先生と話そう』という読者参加企画の優勝記念で当時中学生だった読者の実名が使われた1話限りのゲストキャラが入っており、
その”読者の実名フルネーム使用キャラ”を花嫁レースに出馬させてしまっていたのだ。

柚木

最後はスペシャルイベント。
じゃんけん大会で最後まで勝ち残った勝者には「名探偵コナン」に登場する権利が与えられます。
最終勝者は、東郷中学1年の、福井柚嬉さんでした。

『青山剛昌先生と話そう』北栄(鳥取県)の旅行記・ブログ by まつじゅんさん

運営謝罪前の『理想の花嫁』へ届いていた抗議はわずか9件。
これは2020年の「紺青の拳公式実況セクハラ認定炎上事件」で劇場版名探偵コナン公式アカウント宛に届いていた200件超の抗議の数より遥かに少ない。
仮に『理想の花嫁』がたった9件の抗議で屈していたのなら、正真正銘のジェンダークレームによる紺青実況炎上事件」時点でとっくに劇場版コナン広報は骨抜きにされているはずである。

ゆえに『理想の花嫁』は過激なファンやクレーマーの抗議の多寡に関わらず
投票サイトの手抜き工事が原因で読者の実名が使用された1話限りのゲストキャラまで花嫁レースに巻き込んでしまった時点で、
どのみち謝罪のうえ改題せざるを得ない状態になっていたのではないか、という結論に至った。

(※『理想の花嫁』のタイトル取り下げから3/28に仕切り直された後のムビチケ人気投票企画『コナンの主要女性キャラクター人気投票』では
まるごと『緋色の総選挙』の使い回しだった内部データが修正され、キャラクターリスト内のclass名が全員一律で「cat-regular」に変更されているのが『理想の花嫁』運営が投票ページ制作過程での手抜き問題を多少なりとも認めていた証左である)


以上。

以降はその結論に至るまでのメモや詳細などを記してある。
お暇な人だけどうぞ。

なぜ『理想の花嫁』は謝罪に至ったか


先のnoteでも触れたが、『名探偵コナン 理想の花嫁〜My Ideal Bride〜』企画がリリースされてから運営が謝罪と企画名の見直しを行う発表が行われるまでの82時間のあいだに『理想の花嫁』運営アカウントへ届けられた抗議は【たった9件】(8アカウントからの投稿。そのうち5人は台湾・韓国・中国などのアジア圏言語を使う海外アカウントで、1人はクソリプ用の捨てアカウント)だ。

『理想の花嫁』へ、公開アカウントからネガティブな意見を呟いていた個人アカウントの数も僅か93人(93人の合計でもネガツイは130ツイートほど)。
その93名は各人の思うままに企画への困惑や不満点を呟いていただけで、『理想の花嫁』投票企画そのものを撤回やキャンセルさせようと働きかけに及んでいたアカウントの数もごく数名ほどだ。


お問い合わせフォームへのメール爆撃や電話攻勢などの手段でクレーマーによる激しいキャンセル運動が水面下で行われていたとしても、毎年数十億を軽々と稼ぐ人気映画の運営を3日でキャンセルに追い込む結果を導くにはこの数字はどうにも腑に落ちない。

『理想の花嫁』はどう考えても「謝罪後」(※ライブドアなどの大手ニュースサイトやインフルエンサーが、ジェンダークレームやキャンセルカルチャーと本件を紐つけたツイートの拡散後)のほうが派手に炎上しているのだ。

スクリーンショット 2022-03-22 19.14.10

ネットメディア影響図_縦

ネットメディア影響図_真ん中_

『理想の花嫁』はどう考えても「謝罪後」のほうが派手に炎上している


そもそも『理想の花嫁』がそのタイトルを理由に僅か9件の苦情リプライで謝罪と改題に追い込まれているのなら、

2020年の金曜ロードショー「名探偵コナン紺青の拳」地上波放送を劇場版公式アカウントが実況するツイートがセクハラ認定で炎上した時点で『劇場版名探偵コナン運営』は既にクレーマーに屈していただろう。

下リンク:「名探偵コナン紺青の拳」公式アカウント炎上事件当時のツイートを集めたtogetter



ジェンダーやフェミニズムを理由にマンガアニメ内で「花嫁」を扱う事自体を問題視されていたのなら4月15日公開予定の映画『劇場版名探偵コナン ハロウィンの花嫁』そのものが、タイトル発表やティザービジュアル公開時点で燃え上がっていた筈である。


レギュラーメンバーと共に名を連ねて『理想の花嫁投票』に出馬していた「福井柚嬉」というキャラクター


『理想の花嫁』企画リリースから謝罪までの82時間で呟かれた全949件のツイートを目視で確認していたところ、このようなツイートが目に留まった。


ん? 実在する一般人女性の名前(をそのまま使った名探偵コナンキャラクター)が『理想の花嫁』人気投票にエントリーしていた?

…そ、それはフィクション上の存在にしかすぎない非実在小学生や二次元の既婚者、紙の上の彼氏持ちJKやアニメ映画で花嫁になる女刑事をサムネイルにずらっと並べて「理想の花嫁」投票候補にしていた事より余程危険なような…。


あっ、本当だ。Webアーカイブを見ても『理想の花嫁』の投票候補エントリーにばっちり居る福井柚嬉さんなるコナンキャラクター。

『理想の花嫁』人気投票には「中学生読者の実名をそのまま使った1話限りのゲストキャラ」がエントリーしていた



『理想の花嫁』で投票可能キャラクター38名の中にエントリーしていた「福井柚嬉」という女性キャラクターは、
鳥取県北栄町の「青山剛昌ふるさと館」で開催された『青山先生と話そうDAY2013』という名探偵コナン読者参加型イベントの優勝者の名を付けられているそうだ。

最後はスペシャルイベント。
じゃんけん大会で最後まで勝ち残った勝者には「名探偵コナン」に登場する権利が与えられます
(中略)

最終勝者は、東郷中学1年の、福井柚嬉さんでした。

福井さんは「コナンは幼稚園のころからずっと好き。どんな役でもコナンに登場できるのはうれしい」とのコメントで、欲がない子供は強いですね。

引用元:『青山剛昌先生と話そう』北栄(鳥取県)の旅行記・ブログ by まつじゅんさん【フォートラベル】 https://4travel.jp/travelogue/10738012


『青山先生と話そうDAY2013』じゃんけん大会の優勝特典で「名探偵コナン」劇中登場権を獲得した福井柚嬉さんの名前を漫画内に登場させ(原作81巻収録『小五郎はBARにいる』)

原作者の粋な計らいで『名探偵コナン』81巻単行本の裏表紙にも「26歳のバーテンダーとしてキャラクター化された福井柚嬉」が描かれたという出自のキャラクターなのだが、

その「福井柚嬉」が名探偵コナンの錚々たる人気女性キャラ達と一緒に『理想の花嫁』投票候補にエントリーしていたワケで…


「理想の花嫁」人気投票運営の杜撰すぎるミス



つまり名探偵コナンムビチケ人気投票の運営は
名探偵コナン読者参加型イベントの優勝特典で実在中学生のフルネームが使われた1話限りの事件用ゲストキャラを「名探偵コナン原作単行本の裏表紙に描かれていたからレギュラー女性キャラの一人だろう」という雑な理由で、「理想の花嫁」を冠した女性キャラ人気投票の候補に混ぜてしまっていたという事になる。

国民的コミックの公式人気投票企画にしてはあまりに杜撰すぎるミスだ。


2021年のコナン人気投票『緋色の総選挙』との関係

『理想の花嫁』リリース直後のツイートの中には、
「(推しの女キャラ or 花嫁衣装を着せたいキャラ)が投票候補にエントリーしていない」という嘆きの声も散見された。

そこで2021年開催の「緋色の総選挙」の公式サイトをWebアーカイブで確認したところ、「緋色の総選挙」にはエントリーしているのに「理想の花嫁」に不在の女性キャラが確かに何人か居る。(円谷朝美、宮野エレーナを確認)

せっかく1年前に作成してあった『緋色の総選挙』のキャラクターデータから、投票候補の女性キャラをなぜ減らすような処理をしてしまったのか。

そこで『緋色の総選挙』『理想の花嫁』両者のHTMLデータを覗いて、内部でどのような処理が行われているかを確認してみることにした。

ソースコード比較:『緋色の総選挙』『理想の花嫁』

2021年の『緋色の弾丸』公開記念ムビチケ人気投票「緋色の総選挙」では、投票可能キャラ103名をリスト化した部分のソースコードに5つのキャラソート用クラス名が割り振られていた。

"cat-regular"(レギュラーメンバー)
"cat-police"(警察関係者)
"cat-fbicia"(FBI・CIA)
"cat-blackorg"(黒ずくめの組織)
"cat-other"(その他)

「緋色の総選挙」の投票画面UIでは「cat-regular(レギュラーメンバー)」のclassを付与された【コナン新一と毛利探偵事務所】、【阿笠博士と少年探偵団】【大阪】などの周知のキャラクターを先頭に、キャラクターたちが所属のカテゴリ別に別れて並んでいたのだが、

緋色の総選挙

『理想の花嫁』は強烈なキャラクターアンチから「投票させたいキャラを先頭に持ってきた忖度仕様」という陰謀論が立ち上がっていた程度にはキャラクター配列に一見法則性が見当たらない。(熟女と人妻率高くない?)

理想の花嫁


下のHTMLコードは3/16時点のウェブアーカイブ『理想の花嫁』公式サイトから投票候補一覧のliタグ部分を抽出した物の一部だが、

<ul class="chara-list" id="chara-list">
   <li class="chara cat-regular" id="chara-001"> 毛利 蘭 </li>
   <li class="chara cat-regular" id="chara-002"> 吉田歩美 </li>
   .
   .
   <li class="chara cat-regular" id="chara-014"> フサエ・キャンベル・木之下 </li>
   <li class="chara cat-regular" id="chara-015"> 宮野明美 </li>
   <li class="chara cat-other" id="chara-016"> ジョディ・スターリング </li>
   <li class="chara cat-other" id="chara-017"> 榎本 梓 </li>
   <li class="chara cat-other" id="chara-018"> 塚本数美 </li>
   <li class="chara cat-police" id="chara-019"> 宮本由美 </li>
   <li class="chara cat-police" id="chara-020"> 水無怜奈 </li>
   <li class="chara cat-police" id="chara-021"> 小林澄子 </li>
   <li class="chara cat-police" id="chara-022"> 栗山 緑 </li>
   <li class="chara cat-police" id="chara-023"> 山村ミサエ </li>
   <li class="chara cat-police" id="chara-024"> 東尾マリア </li>
   <li class="chara cat-police" id="chara-025"> 越水七槻 </li>
   .
   .
   <li class="chara cat-police" id="chara-037"> 若狭留美 </li>
   <li class="chara cat-police" id="chara-038"> 大岡紅葉 </li>
 </ul>

どう考えても16人目「ジョディ・スターリング」以降全員のclass名に分類ミスが発生している

理想の花嫁候補20人目のアナウンサー「水無怜奈」以降、最終38人目の女子高生「大岡紅葉」まで全員「class="chara cat-police"(クラス=”キャラカテゴリ:警察官”  ??) 」なのはどう考えても滅茶苦茶だ。

試しに『理想の花嫁』のHTMLコードからキャラクターリストに当たる部分を抽出し、『緋色の総選挙』の同データと重ねてみた。

左が「緋色の総選挙」サイト内のキャラクターリストで右が「理想の花嫁」サイト内の花嫁リスト。

花嫁と緋色総選挙比較

画像の「緋色の総選挙」「理想の花嫁」ソースコード比較の33行目に注目していただきたいが、

「緋色の総選挙」HTMLのliタグ1〜38行目を「理想の花嫁」38名の花嫁候補のliタグにそのまま使い回しているせいで 花嫁id="chara-031" の桧原ひかるが警察官で黒の組織メンバーのようになっている。
ちなみに「緋色の総選挙」の id="chara-031" は諸伏景光/スコッチである。

・・・

先述の通り、2021年の『緋色の弾丸』公開記念ムビチケ人気投票「緋色の総選挙」では、投票可能キャラ103名をリスト化した部分のソースコードに5つのキャラソート用クラス名が割り振られていた。

「cat-regular(レギュラーメンバー)」のclassを付与された【工藤新一と毛利探偵事務所】、【阿笠博士と少年探偵団】などの周知のキャラクターを先頭に、キャラクターたちが所属のカテゴリ別に別れて並んでいたのだが、『理想の花嫁』のUIは、それらのタグ分類が「38名の花嫁候補」の流し込みにより台無しにされ、キャラソート機能も抹消されている


これでは『緋色の総選挙』のWebページ制作者があまりに浮かばれない。


ではこの「花嫁リスト」の並び順はどこから来たのか。

『名探偵コナン』ファンのツイートによると『理想の花嫁』には「鍵穴キャラ」(コナン原作単行本裏表紙の鍵穴型のフレームに描かれたキャラをそう呼ぶらしい)が全員ノミネートされていたそうだ。


試しに『理想の花嫁』HTMLソースコードのid="chara-001"からid="chara-038"までの38人の花嫁候補を鍵穴キャラのリストと対応させてみたら、

花嫁HTMLと単行本比較1

花嫁HTMLと単行本比較2

花嫁HTMLと単行本比較3


女性キャラの並び順まで含めて見事に単行本の巻号順と一致した。


完全に手抜きじゃん!! 『緋色の総選挙』からHTMLを流用するならせめてclass分類済みのliタグから女性キャラの行だけ抽出してそのまま使え!緋色の総選挙のWebコーダー可哀想だから!



つまりは単行本裏表紙未登場キャラへの救済措置があった「緋色の総選挙」と異なり、「理想の花嫁」では単行本裏表紙未登場キャラを一律で切り捨てる一方で

たまたま運良く裏表紙に描かれた事がある1話限りのゲストキャラまでも「単行本裏表紙に描かれていたから主要女性キャラクターって事で!」と見做す乱暴な処理が行われていたことになる。


「福井柚嬉」という1エピソードきりのキャラが理想の花嫁候補にノミネートされたのも、小学生の吉田歩美ちゃんや山村ミサエお婆ちゃんまで「花嫁」投票対象にしてしまっていたのも、
『理想の花嫁』投票画面のキャラ並び順が投げやりなレイアウトなのも、
このやっつけとしか形容できない投票対象の選定と並べ順が原因だろう。


原作単行本の順番に裏表紙登場女性キャラを並べただけの”花嫁”名簿。

それを昨年の人気投票特設サイトに、キャラソート用のclassデータガン無視で流し込み。

コイル祭り狙いや特定キャラクター忖度仕様の思惑すら介在の余地がない、混じり気なしのやっつけ仕事がそこにある。



結局のところ『理想の花嫁』人気投票の運営は
「安室や灰原の贔屓ばかりで今作花嫁の佐藤刑事やヒロインの蘭を大切にする気はあるのか」と嘆く古参ファンも、
公式アカウント宛に直接文句を飛ばす海外産クレーマーも、
報道に踊らされ先入観ありきで”屈した”企業を叱咤しに来たプロ活動家達も
最初から相手にしておらず、

読者の実名を使用したキャラまで花嫁レースに出場させたやっつけ人選と手抜きサイト作成のツケを清算していただけの可能性が一番濃厚である、という顛末だ。


Q. 実在読者の実名が使用されたキャラが『理想の花嫁』へ投入されていても構わず続行すれば良かったんじゃ?


もちろん【『名探偵コナン』キャラクターの福井柚嬉】と、【東郷中学1年の福井柚嬉さん】は別物だ。

「コナン」キャラとしての福井柚嬉を気に入り、人気投票で清き一票を投じたいファンの気持ちは大いに尊重されるべきである


それに【『名探偵コナン』キャラクターの福井柚嬉】を誰かが「理想の花嫁」に選んだとしても、【実在する福井柚嬉さん】の権利や名誉を侵害した事になるとは思い難い。



しかし栄えあるコナン本編登場権の獲得者である「東郷中学1年の福井柚嬉さん」と、
名探偵コナンキャラとしては1話限りのゲストに過ぎず知名度や人気では毛利蘭や灰原哀や佐藤美和子などのレギュラーキャラに到底敵わない「キャラクター化された福井柚嬉」に対して、


漫画登場権の獲得から8年後に「理想の花嫁人気投票で福井柚嬉の順位は上から数えて◯番目、下から数えて◯番目でした」というシチュエーションを公式側が自ら作り出してしまうのは如何なものか?

デリカシーがあまりにも無い。


かといって福井柚嬉を投票対象から除外して『理想の花嫁』を続行したとしても、何らかのメッセージが発生してしまう。


そのため速やかに企画名の見直しと公式サイトでの謝罪が行われた
(=花嫁投票候補から福井柚嬉をリストラするか、理想の花嫁というネーミングを取り下げるかどちらかを選択しない限り、この人気投票企画が問題に発展するのは時間の問題だった)
というのが、本件の真相に近いところではないだろうか。


『理想の花嫁』運営は「クレームに屈して」いたのか?


さて。 もし『名探偵コナン』ムビチケ人気投票の運営が、実在の名探偵コナン読者個人に対してデリカシーに欠けた企画になる可能性を懸念して女性キャラクターの人気投票から『理想の花嫁』というタイトルを急遽取り下げたと仮定して、「情けない運営だ」「クレームに屈した」と貴方は感じるだろうか?


もちろん『理想の花嫁』公式の謝罪後(特にライブドアニュースの拡散後)に出現したアカウント群が声高に言うように「ツイフェミ」や「ジェンダークレーマー」、「理想の花婿投票がしたかった腐女子」「花嫁になれないブスと行き遅れ女の嫉妬」などに屈して企画がキャンセルされた可能性もゼロではない。

荒川後

画像:謝罪後の理想の花嫁公式アカウントへ寄せられたリプライの一部


だが、投票企画のリリースから謝罪前までに僅か9リプしか無かったクレームや
たった100名前後の個人がめいめいにつぶやいていただけの「生々しい企画名やめーや」「理想の花嫁はキツいっす」などのネガティブツイートに屈して人気投票のネーミングを変えてしまったという説、

「小学生の灰原哀や吉田歩美が理想の花嫁人気投票で上位になったら海外で児童婚を連想されてしまうから」などのトンデモ理由で謝罪に至ったと考えるよりはまだ、
自分の名前が使用された1話かぎりのゲストキャラが原作者の粋な計らいで単行本の裏表紙を飾ったために、運営が単行本裏表紙の女性キャラを全員投票候補にしたミスで「理想の花嫁」を冠した人気投票に自分の実名が使用されたキャラが出馬してしまった読者の福井さんへ配慮したという理由のほうが、
運営謝罪の上で女性キャラクター人気投票から『理想の花嫁』のタイトルが速やかに撤回された経緯にも頷けるが、いかがだろうか。


『名探偵コナン女性キャラクター人気投票 理想の花嫁謝罪事件』

以上、証明終了です。

Case Closed。


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