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セミ雑記

夏が、突然終わりそうだ。

8月の初め頃までは勢いがあったけど、

お盆あたりからは息切れしてきて、

9月の声とともに一気に萎んでしまった。

秋野菜の苗の生育を大いに心配しながらの長月の始まり。


ふとセミたちはどうしているのかと気になる。

あれだけ必死に鳴いていたのが嘘みたいな今日の静けさ。


わたしの幼い頃は、セミが夏時間を教えくれた。

夏の初めに体の小さなニイニイゼミが控えめな声で鳴き始め

夏本番になると時間帯ごとにクラス分け。

朝夕の涼しい時間はヒグラシが優雅に鳴き、

暑い日なかはアブラゼミとミンミンゼミが暑苦しく大合唱。

ツクツクボウシが夏の終わりを惜しむように鳴いていた。


あの頃、虫かごと網を持って森や田んぼで虫を追いかけた。

麦わら帽子じゃなくて野球帽だったけど。

お目当てはカブトムシにクワガタにセミにオニヤンマ。

日焼け止めも虫除けスプレーもない時代だから

真っ黒に日焼けして、あちこち蚊に刺されてた。

ツクツクボウシは小さくて細い枝にとまるから

網を被せても隙間から逃げてしまうので、

なかなか捕まえられないレアキャラだった。


暑苦しいクマゼミのシェイシェイシェイという鳴き声は

大学生活を過ごした名古屋で初めて耳にした。

でかいカラダにでかい声。さすが南のセミは違うと思った。

西日本にしかいないと思っていたけど、

最近はどんどん北上しているそうな。

こんなところにも地球温暖化なのかもね。


このまま涼しくなったら、もうセミの鳴き声しないのかな。

今年地上に出てきた連中、みんなちゃんと天寿を全うしたのかな。

夏を惜しむ気持ちはセミが一番強いかも知れないね。

窓から入る風が少し肌寒い。


ああ、夏が終わるんだなぁ。

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