春待ちの畑、荒起こし
立春を間近に控えた大安吉日
怠惰な冬の温もりを気合いで振りほどいて
まだ眠そうな畑に今年初めての鍬を入れる。
そろりそろりと鈍った身体を気遣いながら掘り起こし
ぺたぺたと蔓延った野の草の根を解しては畔に放り
ゴロゴロとした黒いツチクレを軍手で握りつぶせば、
ひさびさに感じる生きた大地の感触と肥えたいい匂い。
コロコロと出てくる掘り残したいもに顔をほころばせ、
だんだんと体内時計が畑モードにリセットされる。
ふかぶかと深呼吸する春待ちの畑に
さんさんと照る陽光が
新しい芽吹きの力を与えていく。
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