手付かずの雑木の森
緩やかな里山の遊歩道と隣り合わせの尾根筋で
手付かずの雑木の森と出会った
聳え立つ逞しい木々の冬枯れの枝を透かして
暖かな陽射しがたっぷりと差し込み
幾年も降り積んだ腐葉土がふかふかと香る
倒れて朽ちた大樹の上には美しい緑の苔が蒸して
伽藍洞になった幹には冬越しの虫たちが宿る
人々がこの里山を忘れ去っても
力強く繋がれる小さくも確かな命のバトンは
連綿と続いていくのだろう
手付かずの雑木の森のその中で
今までもこれからもずっとずっと
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