Welcome to a world.

カーテンの合間から差し込む太陽の光に、優しい柔らかさを感じるのは、なぜだろう。
その光は、部屋に直接射し込んではいない。狭いところから、滲み出て、ゆっくりと、ゆっくりと、拡散していってるようだ。そこには、美しさというより、優しさがある。そして、その優しさが、部屋全体を優しく包み込んでいる。 

包み込むということ。この言葉を聞いて、何を想像するだろうか?パイ生地が具材を包み込む。会場全体を包み込む歌声。さまざまな使われ方がある。その中でも、僕が想像するのは、自分が人生では経験したことがない、ある場面だ。
目の前には、白く大きな、何かがある。そこに両手を広げて、全身で抱きに行く。そして、その物体と体との接着面が、体に吸い付いていく。大きさからは想像できないほど、柔らかく、優しいものに包み込まれていく。

どうやら、私の中には、包み込むという言葉から、優しさや柔らかさを想起させる何かがあるようだ。そして、太陽の光がカーテンの隙間から部屋に差し込んだとき、部屋全体が、その光に包み込まれた様子は、僕の中で、包み込むという言葉から出る場面とリンクする。その結果、カーテンの合間から差し込む太陽の光に、優しい柔らかさを感じるのではないだろうか。

優しい柔らかさは、どんなに揺れた水面でも、一瞬で静かな水面に戻す魔法のようだ。この優しい柔らかさは、余韻として続く眠さと相まって、僕を力のない世界へ誘う。

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