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詰めるのはコスパが悪い説

「毎朝、会社のエレベーターで自分の階を押すたびに憂鬱になる」

職場の上司や先輩に詰められることを繰り返していると、どうしてもこんな気持ちになるでしょう。

今はハラスメントに非常に厳しい時代ですが、だからと言って優しい上司が増えたわけではありません。

殴るだの蹴るだの分かりやすい暴力が減っただけで、同じ分だけ言葉の暴力である「詰める」にスライドしているイメージだからです。

「営業職は厳しい上司が多い」
「建築業界は強面の人が多い」
「水商売は華やかに見えて裏ではドロドロしている」

就活をしていたとき「みんなの就活(略して”みん就”)」で特定の業界に対するネガティブな噂に耳を傾けていましたが、実際に社会に出てみると業界とか関係なく普通にある。

ただ何も詰められる方ばかりがツライ思いをしているわけではないことを知って頂きたい。


詰めている時点で相当なストレス

私は自分で弱小会社を立ち上げて活動するようになってから、人間関係がガラッと変わって「経営者」「肩書を持つサラリーマン」とお話させて頂くようになりました。

サラリーマン時代は平社員でしたので飲みの場などで、
「部長に呼び出し食らってコンコンと詰められたよ」なんて話をしたものです。

一方で肩書を持つ「何かしら部下を持つ立場の人」に話を聞くと、
「何回も注意しているのに全然学ばないやつが居て大変ですよ」なんて話がこれまた沢山聞ける。

肩を持つ気はさらさら無いが詰める側も、決して気持ちよく過ごしているわけでは無いことが伺える。

「若手時代に詰められたので今度は自分が詰める権利がある」みたいな発想で詰めている人も一定数いるものの、その手の人たちは往々にして無能で今の立場が頭打ちであることが多いので本件では除外しておこう。


「詰める」のはマサラタウンと同じ

ちなみにこんなことを考えたことはないだろうか。

「上司はどうして上司になったのか?」

・優秀な成績を残したから
・マネジメントのスキルが高いから
・ほかに適している人がいなかったから

色々とあるが基本的には「管理職の訓練」など存在せず、上司は皆さん等しく突然に上司の仕事を任されていることが多い。

「初めて管理職になった上司は、管理職としてはレベル1である」ということだ。

ポケモンでいうマサラタウンに戻ってきているような感じ。

「高い給料をもらっているんだから何でもこなすべき」という意見は至極真っ当であるものの、期待しすぎるのも現実的ではない。

初めて管理職になった上司が初めて部下のミスを見つけてしまったとき、ベストな対応方法なんて持ち合わせているはずもない。

「詰める」しかないのだ。

自分の若手時代やドラマなど「ザ・管理職」という人物像を想像したとき、幸か不幸か厳しい人間が分かりやすいためだ。

加えて上司の上司、役員陣などからは、
「この部署のリーダーとして、しっかりやってくれ」
なんて言わた日にはニコニコしている余裕はない。

「詰める」というのは管理職に就いた人がみんな通る道なのである。


詰めずにチームの成績を上げる上司

そんな中、詰めたり怒ったりすることなくチームをまとめあげ、ミスを正しく修正させ、部内の人間関係も良くする上司がいる。

私もサラリーマン時代にそのような上司に当たったことがあり、振り返ると彼の指導を受けていたときは不思議と成績もモチベーションも上がったものだ。

タイムスリップできるなら種明かしをお願いしにいきたいところである。

あれから数年経って似たような人をチラホラ見かけており、彼らに共通する点はただ一つ、「メチャクチャ優秀である」ということ。

先に言っておくと上司となる人は往々にして平社員より能力値が高いのは事実である。

しかしながら前述したような上司は、上司のなかでも頭抜けており、その後に別の会社からヘッドハンティングを受けたり自分で起業している。

じゃあ彼らにはどんなスキルやマインドがあるのか?

残念ながら私もまだまだ若輩者なので、そこまでのお話はできない、いつか成長したときにもう一度お話するチャンスを頂けると幸いです。


デキる上司がやっていたこと

しかしながら私のような無能でも、「デキる上司が結果的に行っていた習慣」であれば法則性を見つけることができたので共有したい。

・人間性まで含めて部下を徹底的に肯定し、自分の虜にしていた。
・部下同士を競争させて結果的にチームの底上げをしていた。
・圧倒的な結果を出して、従わざるを得ない空気を作っていた。

まあだいたい上記の3点に集約される印象であるが、自分事に置き換え考えると「デキる人はスゲーな」って感じである。

文章なのでサラッと書いたが、自分の上司にそこまで求めるのは酷だろう。

この手の話をするときに以下のような意見を聞くことがある。

「部下のためを思って詰めている」

恐らく本心だと思うし、私も興味のない人に話しかけるほど器の大きい人間ではない。

とはいえ「部下のためを思って詰めている」という気持ちは部下には99%届いてないどころか、部下の能力値も大して上がっていない事がザラなのが、世の現実というものである。

そのため部下のために詰めるというのはコスパが悪いと言わざるを得ない。

もし既に詰めている自覚がある方、また周囲から「厳しい人認定」を受けている方、ぜひ背筋を正して自己研鑽に努めて頂ければと思う。

そして影で上司の悪口を言っている方は、生産性のない習慣は止めて早く出世することをおススメする。

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