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ビジネスモデル

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起業経営に役立つ情報をまとめました
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記事一覧

起業経営の選択肢としてのスモールビジネスM&Aの可能性

(1)はじめに日本におけるビジネス環境は、少子高齢化、デジタル化、グローバル競争などの影響で劇的に変化しています。特に、小規模ビジネスにおいては、後継者不足や経営資源の限界が課題となり、その解決策としてM&Aが注目されています。本記事では、なぜスモールビジネスM&Aが必要なのか、そのメリットや今後の可能性などについて解説します。 (2)スモールビジネスM&Aの必要性スモールビジネスのM&Aが必要とされる背景には、いくつかの重要な要因があります。 後継者不足 中小企業庁

セブン-イレブン・コーポレーションの買収劇(日本型経営と企業価値向上の宿命)

セブン&アイがカナダの大手コンビニ運営会社Alimentation Couche-Tard(以下、ACT)からの買収提案を受け、2024年10月10日の取締役会で社名の変更を含む新たな戦略が公表しました。 今回の記事では、セブン-イレブン・コーポレーション(新会社名)の新戦略の内容や、米国コンビニ事業の特徴などを踏まえたACTの思惑、そして今後の展望などを考えてみます。 セブン&アイについてセブンイレブンは、日本を代表するコンビニエンスストアチェーンであり、全国に多数の店

富裕層が支えるリアルコンテンツビジネスモデル

(1)リアルコンテンツチケットの高騰ここ数年、リアルコンテンツビジネスのチケット価格が上昇しています。 例えば、東京ディズニーランド(TDL)のワンデーパスポートの価格は、2004年には5,500円だったのが、2019年には7,500円、そして、24年には入場日によってチケットの金額が7,900円~1万900円(変動価格制が採用)となりました。 特に、「大人料金1万円超え(※1)」の影響は大きく、家族での来園が以前より難しくなり、若者やファミリー層が減少しています。 以

セブン&アイの買収提案から考えるスモールビジネス(一人会社)の可能性

(1)セブン&アイの買収提案について2024年8月、カナダの大手コンビニ運営会社Alimentation Couche-Tard(ACT社)が、日本のセブン&アイ・ホールディングスに対して買収提案を行いました。この提案は、世界展開する7-Elevenを含むセブン&アイの持つ事業の拡大を見据えたもので、もし成立すれば日本企業に対する歴史的な買収の一つになる可能性がありました。 具体的には、セブン&アイ・ホールディングスの時価総額は約5.5兆円(約380億米ドル)で世界20カ

スモールビジネスのビジネスモデル(事業計画)と顧客獲得(マーケティング)

東洋経済新報社「40~50代のための副業・開業のススメ」に特集記事を掲載させていただきました!本日より発売しているようですので、お近くのコンビニや書店でも見かけましたら、ぜひご購読ください。 note経由できっかけを頂きまして、 【スモールビジネス立ち上げの鉄則】として、2つの特集記事を執筆いたしました。 ビジネスプラン編 顧客獲得編 東洋経済新報社「40~50代のための副業・開業のススメ」スモールビジネス特集の概要以下、編集ご担当者様による、特集記事の概説となります

事業計画書(入札案件や補助金案件)

はじめに事業計画書は、その目的によってさまざまな種類があります。 特に、新規事業創出に伴う入札案件や補助金申請案件においては、全ての対象者の申請が承認される訳ではありません。 競争相手を凌ぐために適切な計画書を作成することが求められます。 今回は、こうした競争関係を勝ち抜くためのポイントをご紹介します。 【ポイント1】公募要領に的確に回答することまず、競争を勝ち抜く文脈で最も重要なのは、公募要領に的確に回答することです。 公募案件の場合は、公平性の観点から通常、公募要領が

一人起業(一人で開業)のフランチャイズビジネスモデル

(1)はじめに今回のトピックは、「一人起業とフランチャイズ」。 フランチャイズビジネスモデルは、その手軽さと安定した運営システムで一人起業家にとっても大きな魅力を持ちます。 本稿では、フランチャイズと一人起業の相性、実際に一人で始められるフランチャイズモデル、それらの選び方と成功へのポイントを探ります。 (2)フランチャイズ経営とは?フランチャイズ経営とは、事業の成功モデルを他者に提供するビジネス形態の一つです。 フランチャイザーは、自身のビジネスモデル(商標、営業ノウ

一人起業を成功に導くビジネスモデルの作り方

(1)はじめに起業には様々な形があります。 大企業のような大規模なビジネスもあれば、個人事業主として小さくスタートするケースもあります。事業の規模や形態は十人十色であり、起業スタイルも多種多様です。 一人起業とは、文字通り一人で事業を立ち上げ、運営していくスタイルの起業を指します。自分の強みやスキルを活かし、低リスクで事業をスタートできるのが魅力です。しかし、一人起業がすべてに適しているわけではありません。自分に合ったビジネスモデルを選択し、戦略的に事業を設計していくこと

前受金ビジネスと資金繰り

(1)前受金ビジネスとは?"脱毛サロンや貸衣装など、事前に代金を受け取ってからサービスを提供することから生じる事件を耳にするようになった"とのニュースを今朝見ました。その名は、「前受金ビジネス」。 (2)ビジネスモデル前受金のビジネスモデルは以下の通りです。 具体的に、晴れ着ビジネス(成人式)で考えてみましょう。 成人式用の晴れ着の予約は、成人式の2年前くらいが普通のようですね(長いですね…)。 ここで問題が生じるのは、契約時とサービス時の期間が長い場合、この間に会社

Kindle出版【一人起業の歩き方~小さくはじめて大きく育てる】

(1)一人起業の歩き方~Kindle書籍の紹介~日本には、潜在起業家と呼ばれる、起業に関心がある層が約1,500万人存在します。しかし、毎年新たに起業に至る数は、約20万人。 その割合は、約1%に過ぎません。 この割合を上げるための取組みを行っていますが、 この度、個人事業主や一人会社の一人起業の導入書、『一人起業の歩き方』を出版しました! (2)一人起業・一人会社とは?一人起業とは、経営者一人で、個人事業主や一人会社(株式会社や合同会社)の形態で事業を運営する事業形態

起業の成功要因とは

「起業の成功要因は何なのか?」という問いは、多くの起業志望者や新たにビジネスを立ち上げようとしている人々にとって、常に頭の中を巡る重要なテーマです。 起業の成功には「運」や「偶然」といった不確実な要素が影響することもありますが、それだけではなく、確固たる準備と戦略に基づいたアプローチによって、成功の確率を高めることも十分に可能です。 この記事では、現実的な成功要素にフォーカスし、これまでの起業・経営コンサルティング経験も踏まえ、起業の成功を、「事業の持続性」という視点で捉

持続的なビジネスモデル構築に向けて~唐揚げ店の倒産増加を受けて~

(1)現状と背景2023年11月までに、物価高騰の影響で唐揚げ店の倒産が前年比「7倍」に増加したとのこと。業界として、この物価高による影響は深刻な状況であると言えます。 (2)コロナ禍と唐揚げビジネスの流行コロナ禍でのテイクアウト需要の増加を背景に、唐揚げ専門店の開業が急増しました。そのメリットは、オペレーションの単純さ、小規模な店舗での運営可能性、テイクアウトの実施容易性です。 しかし、デメリットとして、参入障壁の低さ、差別化の難しさ、原材料価格への依存度の高さが挙げら

事業承継に困ったら、とりあえず「事業承継・引継ぎ支援センター」へ!

今回のトピックは、【事業承継・引継ぎ支援センター】。 中小零細企業は、日本経済において重要な存在でありながら、事業承継の課題に直面しています。 中小企業のM&A件数は年々増加し、直近(2021年度)では、事業承継・引継ぎ支援センター及び中小企業M&A仲介大手5社の合計で約2,400件以上にまで到達。 事業承継増加の背景として、多くのM&Aプラットフォームが誕生するとともに、中小企業庁が管轄する「事業承継・引継ぎ支援援センター」が重要な役割を果たしています。 詳細は、以下の

学生起業への挑戦~日本の未来を切り拓く、若き潜在起業家たち~

(1)はじめに 今回のトピックは、「学生起業/大学発ベンチャー」。 近年、学生起業家たちの活躍を目にする機会が増えており、それぞれが持つ独創性で革新的なアイデアが世に広がっています。 特に、大学発ベンチャーは、日本経済に新しい活力を注入するための鍵であるとともに、次世代のイノベーションを生み出すための重要なキーファクターです。さまざまなチャレンジを乗り越え、未知の領域へと進む彼らの活動は、日本社会がこれまで打破できなかった常識を打ち破ると共に、その革新的なアイデアで人類が