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持続的なビジネスモデル構築に向けて~唐揚げ店の倒産増加を受けて~


(1)現状と背景

2023年11月までに、物価高騰の影響で唐揚げ店の倒産が前年比「7倍」に増加したとのこと。業界として、この物価高による影響は深刻な状況であると言えます。

(2)コロナ禍と唐揚げビジネスの流行

コロナ禍でのテイクアウト需要の増加を背景に、唐揚げ専門店の開業が急増しました。そのメリットは、オペレーションの単純さ、小規模な店舗での運営可能性、テイクアウトの実施容易性です。
しかし、デメリットとして、参入障壁の低さ、差別化の難しさ、原材料価格への依存度の高さが挙げられます。

(3)ビジネスモデルの転換と経営力

コロナ禍における事業再構築は、その緊急性から、十分な新事業の検討ができず一時的な対応とならざるを得なかった事例が多いことも事実でしょう。
一方で、今後は中長期的に成長可能なビジネスモデルへの転換が求められます
また、ビジネスモデルが模倣されやすい時代でもあります。今後はより、自社の強みや市場環境をロジカルに分析し、資源を適切に配分することが成功への鍵となるでしょう。

(4)事業のPIVOT

ビジネスの変遷が早い時代にあり、ブームに早く乗り、タイミング良く事業を売却する能力も、重要な能力の一つです。
例えば、タピオカブーム初期段階でタピオカ店を多店舗展開し、ブームが去る直前に事業譲渡を行い大儲けした方がいらっしゃいます。
当時は、この手の能力は一種の才能のように感じた部分もありましたが、日頃から経済社会の変化にアンテナを張り、取捨選択のチャレンジを小さいことから積み重ねることで、習得できる能力とも言えます。

(5)専門家の活用

事業を成長させるには、経営コンサルタントなど外部専門家の活用も一つの手段です。
どうしても、自分で経営を行うと、周りが見えなくなってしまうものです。
自社ビジネスへの熱意も重要ですが、同時に、客観的に経営アドバイスを行ってくれる有能な専門家の意見も取り入れてみてください。きっと、新たな発見があることでしょう。
経営コンサルタントの倒産件数増加のニュースも出ていましたが、事業の成長を後押しする、真のプロフェッショナルへの需要は高まると考えます。

(6)外部環境への依存を減らす

事業の成功や失敗は、外部環境に左右されることが多いです。
例えば、唐揚げ専門店にとっての原材料費の高騰は、ビジネスを始める前に認識すべき外部リスク要因です。
外部環境に影響を受けづらいビジネスモデルを選択することや、外部環境リスクを整理し地道に対策を打つことが重要です。

(7)時代の変化への対応

これからの時代、変化に柔軟に対応する能力が不可欠です。
既に事業を行っている経営者にとっては、市場に耳を傾け既存事業の磨き上げを日々行うだけでも大変でしょうが、時代の変化を機敏に察知し、次なる一手を日々模索することも重要と言えます。

(8)過剰投資でも成功する事業は多く存在する

市場の過熱と過剰投資が指摘されていますが、背後には、補助金制度などを活用し、多くの事業者が参入したことで、供給過多の状態となった背景もあります。しかし、競合が多い市場でも、生き残るための戦略は存在します。
特に、飲食店においては、地元の顧客との信頼関係を構築したリピーター獲得や、地域の食材や味の嗜好に合わせたメニュー開発も差別化につながります。また、SNSを活用した情報発信などのマーケティング力の強化商品の品質管理と業務効率化も欠かせません。
自社の強みを活かしつつ、市場の変化に柔軟に対応していくことが重要です。差別化された価値提供と、効率的な経営が求められる時代と言えます。

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