日記 2022/10/09-15

10/09(日)

現役世代。イメージは働き盛り。親世代のように、周りのように、子どもを作って、マイホームを建て、みんなと同じように。
ところが雇用先は非正規、パート。
住宅ローンが返済できない、家を売るしかない、借金が残った、あれ、思ったようにいかない、将来が不安だ、お金は使ってはいけない。
本来、消費が盛んな現役世代をこんなに苦しめているのは?考えれば考えるほど身動きが取れず、考えずに親と同じように生きたらお金が足りなかった。彼らは就職氷河期以降、価値観を変えていくしかなかった。
旧態依然の企業が雇用を守るといって、代わりに賃金を下げて、経営者は保身から内部留保を続けている。以降、中間層から搾取するこの国は転がることを続けている。

10/10(月)

会社でどうも折り合わないひとが数人いるのだけど、本当に人格から大嫌いだと断言できるバカは置いておいて、実のところ僕とそのひとはきっとうまくいかないよねと周りの人たちが思っていそうなひとほど、僕のほうが憧れているところがままある。
なぜかと言うと、そういうひとの特徴として気遣いとか配慮が苦手で、つまり他人の事情を思いやることをしないところがあるので、仕事を進めるうえでとてもやりにくい、なぜこちらばかりが骨を折ってやらなきゃならないのかとストレスになるからだけど、実はこういうひとたちこそが対話をする価値のあるひとだと思う。
忌憚がないのでこちらも胸襟を開いて、真実を語れる。信用に足る。

10/11(火)

今日は報告書作成を派遣さんに任せてレポート審査者の僕は余りにも休みボケで眠くて頭が回らないのですどうか放っておいてくださいねという雰囲気を定期的に全身から表出させて別の庶務作業に没頭して珍しくほとんど口を開かずに済んだ。
残業もほどほどに帰宅。ありがたい。滅多に口を開かないのが本来的な自分なのだ。
いつも無理をして、推進役に回って、どうせ僕がなんとかするとみんな思ってるんだろ、って思いながら。
明日はテレワークだし、この世界に僕を労わることができるのは僕だけだから、大丈夫、だから世界は平等なんだ。

10/12(水)

社会的に悪いことをするやつは往々にして二つの条件を満たしている。ひとつに肉体的に健康であること。これは持病を抱えていないという意味ではなく、社会生活を送るのに特別な事情を考慮しなくてもよいということであり、漲る生命力を持て余している。
ふたつめは相対的な自己否定であり、物質的な恵みを求めて他人の所有物というよりもむしろ所有している他人そのものを羨望し、見上げることを止めずにこれが重篤になった場合。

10/13(木)

以上はすべて資本主義が生み出す疾病だし、当てはまるほとんどのひとが普通のひとだからたぶん僕の偏見なのだろう。
もちろん僕も生活環境など周辺の状況が急激に変われば犯罪者になる可能性はいくらもあるだろう。
ただどんな状況においてもこれらに当てはまらないひとたちが必ずいて、彼(彼女)らは他人だろうが近しいひとだろうがひとに無理強いすることの重さを知っているし、そもそも他人の背景を想像する感受性はあっても、これに執着している暇を持たない。
それくらいに他人を敬い、自分を愛し、周辺を尊ぶ。

10/14(金)

睡眠負債は休日の寝溜めでは解消できないというが、それがたとえ科学的に証明されていたって僕は信じない。ひとにはそれぞれに生きてきたなかで身体と感覚に関する経験が実績として記憶されていくので、ここでもう少し寝ておかないと明日はえらいことになるぞ、というふうに調整できるようになることを知っているから。
ただ社会生活を優先してばかりいるとどうしてもこの調整が平日にも及んでしまい、すると今日のように出社前に身体が動かなくなる。
AMは寝て、PMをテレワークに切り替えると、メンバーからショートメールが、〇〇さん、辞めるみたいです、と。

10/15(土)

あらゆる気づきをちゃんと言語化しておくこと。仕事でも役立つ、審査会などでアジェンダに沿って説明していくときにどう転んでも論理展開できるようになる、準備の量は緊張を緩和し、それは当然考えています、なるほどその見方もありますね、と平然と対処できる。なにより自分の思考についても漠然としたイメージ、抽象的でおぼつかない影のようだったものが、言語化することによって象られ、輪郭を帯びてくる、これによって何度も考えたけどここが新しいとか、これは初めて考えているとか、がおもしろい。


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