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映画の感想を書くことをきっかけに鑑賞体験をより深めることが出来るのか?について考えてま…

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映画の感想を書くことをきっかけに鑑賞体験をより深めることが出来るのか?について考えてます。

最近の記事

HUSTLERS-ハスラーズ-

 ウォール街の男どもに一発カマしてやった女達の物語で昨年大変評判が良かった一本。確かに話運び、キャラクター、音楽全てのレベルが高かったのだが彼女達がやっている犯罪行為については全く乗ることが出来ず。リーマンショックを引き起こしたウォール街の証券マンに復讐するのを大義名分にして自分たちの犯罪を棚上げする甘さが鼻についた。  デスティニーも最終的には子供の為に仲間売ったりしてるけど、そもそも子供の為に犯罪をしなければよいのでは。まともな職につけず貧困に陥っているため仕方がなく犯

    • 『燃ゆる女の肖像』

       見る、見られる。描く、描かれる。静と動。生と死。表向きは正反対のように見えていることが、深いところではつながっている。その繋がりを言葉ではなく映像で表現されている。作為的過ぎず自然に映されているのだが、それが結果として力強い印象を観客に残すことになっている。

      • 『ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-』

         綾野剛、北川景子、柄本明安、木村佳乃が出たにも関わらず何か観ちゃいかんマズイものを観てしまった感が強い。どうしてお金を払ったこちらが後ろめたさを抱えて劇場を後にしないといけないのか。僕が一体何をしたのか。そう思わされるほどに歪んだ映画だった。

        • 『ばるぼら』

           稲垣吾郎が演じる売れっ子小説家・美倉が二階堂ふみ演じる謎の少女・ばるぼら(Barbara)に会った事をきっかけに破滅していく様を耽美に描いていく。  この映画において「ばるぼら」という少女は一体何だったのか。どこまでが現実で、どこからが幻想だったのか。彼がばるぼらに会ってからの出来事は全て薬物によって齎された幻視だったのだろうか。  ばるぼらという浮世=彼岸めいた存在へ近付き過ぎたあまりに現世のどん底に堕ちた美倉。終盤になると逃避行の果てに辿り着いた山小屋で文字通り這い

        HUSTLERS-ハスラーズ-

          『ザ・ハント』 感想

           広大な森の中で目を覚ました12人の男女。そこがどこなのか、どうやってそこに来たのか、誰にもわからない。目の前には巨大な木箱があり、中には1匹のブタと多数の武器が収められている。すると突然、周囲に銃声が鳴り響く。何者かに命を狙われることがわかった彼らは、目の前の武器を手に取り、逃げ惑う。やがて彼らは、ネット上の噂に過ぎないと思われていた、セレブが娯楽目的で一般市民を狩る「マナーゲート」と呼ばれる“人間狩り計画”が実在することを知る。絶望的な状況の中、狩られる側の人間であるクリ

          『ザ・ハント』 感想

          『博士と狂人』

          初版の発行まで70年を費やし、世界最高峰と称される「オックスフォード英語大辞典」の誕生秘話を、メル・ギブソンとショーン・ペンの初共演で映画化。原作は、全米でベストセラーとなったノンフィクション「博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話」。貧しい家庭に生まれ、学士号を持たない異端の学者マレー。エリートでありながら、精神を病んだアメリカ人の元軍医で殺人犯のマイナー。2人の天才は、辞典作りという壮大なロマンを共有し、固い絆で結ばれていく。しかし、犯罪者が大英帝国の威信をかけた辞典

          『博士と狂人』

          『一度死んでみた』

           すごい映画を観た。広瀬すず主演の『一度死んでみた』という映画だ。仮死状態になる薬を飲んだ父親(堤真一)の火葬を阻止するために娘(広瀬すず)が奮闘する映画だったのだが、鑑賞後深いため息をついてしまった。  家族の絆の大切さや、命の尊さを声高に訴えているのにも関わらず、いや訴えているからこそスクリーンに映っている全てが絆への冒涜、命を踏みにじっているように見えた。大事だと訴えられているのに全然そうは感じられなかった。どうしてこの映画はこんなにも逆説的な作品になったのか。  

          『一度死んでみた』