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内向型の敏感さは「人間」ではなく「刺激」に反応する

こんにちは、ひとり好きのチロです。

「内向的・隠居・幸福感」をテーマに、ひとりでいることが好きな方に役立つ情報を発信しています。

今回は、「内向型」と「刺激」に関するお話。

以前の記事で、内向型は扁桃体が反応しやすいため、外部の刺激に敏感である、というお話をしました。

興味のある方は、以下の記事から確認してみてくださいね。

https://note.com/preview/n4c439b3542d3?prev_access_key=d4ad0751dad15c6bbd5e396e3f5b1122

今回は、その内容に基づいて、内向型の「刺激」への敏感さがどのように発揮されるのか、について解説していきます。


1.内向型の「敏感さ」についての振り返り

最初に、発達心理学者のケーガン教授の実験を通して、内向型の「敏感さ」について振り返っていきましょう。

ケーガンは、乳児を対象とした研究の中で、乳児の頃から刺激に敏感な子どもは、内向的な性格に育ちやすいことを明らかにしました。

また、刺激に敏感な子どもほど、扁桃体が興奮しやすいことも分かりました。

2.内向型は「人間」ではなく、「刺激」に反応する

このケーガンの研究からは、もう一点分かることがあります。

それは、内向型は「刺激」に反応しているだけであって、人との触れ合いを避けるわけではない、ということ。

しばしば、内向型は人との関わりを好まない「人間嫌い」だと思われることがありますが、そうではない、ということですね。

ケーガンの研究では、乳児は人間に反応しているわけではなく、たんに刺激に敏感なだけでした。

しかし、実際に、私たち内向型が人間関係に慎重になることが多いのも事実でしょう。

これは、内向型の神経系が、あらゆるものに敏感に気付くように結びついているから、と考えられます。

人間の行動や感情の動きに対しても敏感、ということです。

というのも、ケーガンが研究対象とした「高反応」の子どもたちは、人に対しても物事に対しても、注意喚起する能力に優れていたんですね。

ケーガンは、初期の研究において、小学一年生の子供たちに絵合わせゲームをさせました。

研究は、以下の手順のとおりです。

① 最初に、子どもたちに「椅子に座った熊」のカードを一枚見せる

② 次に、似た絵柄のカードを6枚見せる

③ その中から、①で見せたものとまったく同じカードを選ばせる

その結果、「高反応」の子どもたちは、他の子どもたちよりも時間をかけてカードに目を通し、正しいカードを選ぶ確率が高かったのです。

「高反応」の子どもたちは、自分が気付いたこと、感じたことに対して深く考えたり、微妙なニュアンスを感じ取る、ということですね。

この性質は、成長するにつれて、周りの人間関係にも向けられていきます。

・友達の機嫌が悪そうな表情を敏感に察知し、「なぜ怒っているのだろう?」と考える

・初対面の人に対して、「この人はどういう性格なのだろう?」と観察する

・声が大きい人に対して、「たんに声が大きいだけなのか? 不機嫌なのか? それとも……」と思考を巡らせる。

このように、人を観察して考えることに、多くの時間をかけるんですね。

その結果として、苦手な人を避けることはあるかもしれませんが、最初から他人を拒絶しているわけではない、ということです。

この「注意深く観察する時間」が、人によっては「他人と関わるのを避けている」ように見えてしまうかもしれません。

そのため、内向型は人間関係を築くのが嫌いなのかもしれない、という風に思われてしまうこともあるんですね。

もちろん、内向型の中にも様々な性格の方がいます。

一概に「内向型だから、こういう反応をする」と言い切れるわけではありません。

そして、同時に「自分は内向型だから人間関係が嫌いなのかも……」と考える必要もない、ということです。

慎重に考えられる内向型だからこそ、それを活かして、自分に合う人間関係を築くことも出来ると言えます。

ぜひ、あなたらしいペースで、他人との付き合い方を考えてみてくださいね。

3.まとめ

それでは、今回の内容をまとめていきましょう。

・内向型は刺激に敏感であると同時に、注意深く観察する力に優れている

・内向型は人間嫌いなのではなく、人間関係に慎重なだけである

今回は、この2点がポイントになります。

今後も「ひとりの時間」を充実させる情報をどんどん発信していきます。
それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました!




読んでいただきありがとうございます!皆さんの「ひとり時間」が良いものになりますように。