見出し画像

ネコ記録。19歳(人間年齢92歳)の夏。

三毛猫1号の目がおかしい。目のまわりの柄が変わったかと思うほど、目やにが大量。ばい菌が入ったか、結膜炎かな。ひとまず病院行き決定である。
ついでにチャトラ2号も連れて行こう。ツメも伸びているし、相変わらず3日に1度ぐらいのペースでご飯を食べなくなる。補液とかいう栄養注射を打ってもらえば元気になるかも。

前回同様、三毛猫1号はカート酔い(?)で吐く。しかし吐いたらすっきり元気で、大声でわめき続ける。隣のチャトラ2号は呼吸が荒い。

病院着。三毛猫1号は鼻炎。注射を打ってもらい、目薬をもらう。一番食が細いのに、なぜか一番体重が重い。今回も前回より50グラムアップの3.8キロ。ツメも切ってもらい、さっさとカートに戻り、また大騒ぎ。

さて、チャトラ2号の番。こちらもうれしいことに50グラムアップ。5キロ近い時もあったのに、今では2.8キロ。抱くと不安になるほど軽い。ただ通常は食欲旺盛でよく食べる。

先生の提案により、前回から2か月経っているので念のため血液検査をすることに。結果が出るまでに少し時間がかかるので、その間に補液を打ってしまいましょうと。爪切りも済んで、あと結果待ちかなというところで、“ちょっと呼吸が早すぎるな”と先生。“軽くエコーで見ておこうか”。胸に水がたまっていたらまずいサインだ。16歳で脱落したチャトラ1号は胸水が発覚し、水を抜いたにもかかわらず、その後みるみる悪化して・・・という過去があり。だが、チャトラ2号は前前前回ぐらいにもエコーで見てもらっていて、その時は問題なかったのだ。

しかし、ほのかな期待は裏切られる。“あーダメだ、水がたまってる。抜かなきゃ”。先生がガックリとうなだれたとともに、それまでキャッキャしていたヒト科親子は言葉を失う。マンガのように突然変異でだんまり。だって目の前が真っ暗だ。チャトラ2号は今から全身麻酔をして、胸から水を抜かなければいけない。ヒト科親子は今日の主役のはずだった三毛猫1号を連れて、一度帰宅する。足取りはずっしりと重い。もちろん会話もなし。

“終わりました”と病院から連絡。勇み足で迎えに行く。チャトラ1号の時は黄色い水だったのに、今回は赤みがかった白濁の液体が置いてある。ただ水がたまっただけでなく、胸のどこかに穴が空き、血が漏れていたらしい。しかしその穴を見つけることは、ほぼ不可能だそうだ。今後、また食事ができなくなり、呼吸がおかしくなったら、すぐに病院に連れてくるように言われる。視界が曇る。しかし麻酔から覚めたチャトラ2号は元気そうだった。

ヒト科祖母も、生前に一度胸に水がたまり入院したことがある。かなりの量だったはずだが、抜いた途端、仮病だったかのようにコロッと体調が回復。その回復力たるや!病院の先生たちをも驚かせた。家族を安心させようとしたのかもしれないが、90代でこの回復力は信じられないと言われたのだ。そして医者たち相手に女を出して、退院を迫っていたヒト科祖母(笑)。たくましいです。

そう、だからチャトラ2号にもヒト科祖母並みの回復力を期待したい。チャトラ2号は食に執着がある。それが強みとなるはず。チャトラ1号は最期、まったく食べられず、日に日に痩せて1.7キロになった。だから痩せていくことが何よりも恐ろしい。

帰宅後のチャトラ2号はそわそわ。偉いね、頑張ったね、とチヤホヤしながら、なんだか右の前足がたくましいことに気づく。気のせいかなと思う。しかし確実に左前足の2倍以上の太さになっている。恐怖を感じながらも、病院に連絡。すると点滴の液体が溜まっているだけとのこと。段々元に戻りますよ、と。ヒト科、安堵で息絶えそうになった。

当日の夜、チャトラ2号は好物のササミを少し食べた。そして翌日はいつものように早朝からお腹が空いたと騒ぎだし、よく食べて、よく寝て、よく動いたそうだ。さすがだ、我が愛しのチャトラ2号よ。このまま穏やかに過ごしてほしい。できるかぎり長く一緒にいてほしいと心から願ってやまない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?