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コラム by 西山瞳

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#音楽

今年聴いたもの2023年

毎年恒例、今年聴いたものです。 ベストと書いてもいいのですが、順位をつけることが難しいので、よく聴いて好きだったものを挙げていきます。 過去年のものは、下部に貼っておきますね。 人間椅子『色即是空』 作品の完成度、メッセージ、時代に向き合った精神、全てにおいて、今年一番心が熱くなりました。いろんなところで書きましたので、Mikiki https://mikiki.tokyo.jp/articles/-/35305 など、ぜひご覧下さい。 BRIAN BLADE & T

『Dot』プロダクションノート

ピアノトリオ+3の作品『Dot』が、11月22日に発売となりました。 沢山の方に聴いて頂ければ幸いです。 ライナーノートを付けていませんので、取材用に用意したプロダクションノートに加筆して、掲載いたします。 ※記事下部に、アルバム販売リンク、配信サービスへのリンクがあります プロジェクトを始めるにあたっての背景 ・2021年アルバム『Calling』の制作を終えて、活動のある種の区切りがついたと実感した。 ・ここ10年ほど、機能和声やピアノという楽器自体にもどこか息苦

ヴァイオリンはじめました

今年11月14日から、ヴァイオリンを練習し始めました。 「フルートやってたんじゃないの?」と言われますが、フルートも引き続き毎日練習しています。追加でヴァイオリンです。 ということで、毎日練習するものが多くて、忙しいです。 ヴァイオリン購入を検討し始めたのは、8月ぐらい。 普段共演しているヴァイオリニストmaikoさんと牧山純子さんに、ヴァイオリンを始めるにあたって、エレクトリック・ヴァイオリン 、サイレント・ヴァイオリンってどうなのかと聞いていたんですよ。 ヴァイオリン

〈持っている〉ポップ・ミュージック

10月12日は私が参加しているThe Tree Of Lifeの3作目『New Hope』の発売日でした。 同日に、米津玄師の「KICK BACK」、Official髭男dismの「Subtitle」も公開になったのですが、いやー、素晴らしい。 この2曲が同日にリリースされるJ-POPシーン、どれだけクリエイティブで高まっているのかと、その充実ぶりに驚愕します。 最近のJ-POPは、音楽の教養、言い方はあれですが偏差値が非常に上がっているという感じで、気合だけではできない

CD『Hometown』が完成しました

CD『Hometown』が完成しました。 制作の経緯は、話せば長いので、フライヤーの文章を転載します。 はじめまして。ジャズ・ピアニストの西山瞳と申します。 私は枚方で育ちました。デビューして16年経ちますが、今年自主制作したこのCD『Hometown』は、枚方にちなんだ作品となっています。どこが?と思われると思いますが、2曲目「Take The “K” Train」をぜひ聴いてみて下さい。皆さんご存知の”あの”フレーズをモチーフに作曲し、演奏しています。 事の発端は20

PIANO TRIO FROM RUSSIA

なんとなく思い出して、こちらを聴いていました。 NIKOLAY SIZOV TRIO / PIANO TRIO FROM RUSSIA - Vol.1 ウクライナ、ロシアのニュースを見るたびに心を痛める毎日ですが、ロシアのジャズ・ミュージシャンはどうしているのだろうと思って、このロシアのピアニストのアルバムを思い出したんです。 ウクライナやウクライナの音楽家にはこれから国際的な支援があるでしょうが、おそらくロシアの、しかも商業規模の小さいジャズ・ミュージシャンは、今後の

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3/19は橋本一子さんとツインピアノ

noteではあまりライブの宣伝はしないのですが、今週末、とても楽しみなライブの機会があります。 尊敬するピアニスト橋本一子さんとのピアノデュオです。 もう満席になっているので予約は終了しましたが、有料配信があります。 一子さんとの出会いは、1999年『Miles Away』が発売された頃、タワーレコード梅田マルビル店で大きく展開されていて、ジャケットがとても格好良くて試聴したら音楽がウルトラ格好良かったので買ったのがきっかけです。 その後、購入できるCDは集め、古い作品も

アウトリーチの記録

11月の学校公演の後に体育館のピアノという記事を書いてから、他の原稿や演奏仕事が立て込んでいてなかなか書けず、かなり時間が経ってしまいました。 瞬発力で書くタイミングを逃してしまったので、記録程度に書いておきます。 (もしアウトリーチ公演にご興味ある方がいらしたら、ご連絡下さい) 「小学校からジャズ・アンサンブルの授業があったらいいのに」 そんな同業者の呟きを、ずっと何年もSNS上で、年に数件は目にしていました。見るたびに、本当にそうだよねと思っていました。 だって、めっ

今年聴いたもの2021年

毎年恒例、今年聴いたものです。 Lyle Mays『Eberhard』 年の瀬に、今年こんな作品が出ていると初めて知りました。 アルバムではなくシングルなのですが、今年の私の一番はぶっちぎりでこれです。 ライル・メイズの音楽は私にとって、空を見上げてその先にある見えない世界への憧れのような、あの向こうにラピュタがあるかもって想像してしまうような、フィクションの力を現実につなげるパワーを感じていました。この世界がまた味わえるだけで、感無量です。 Kurt Rosenwink

「楽しんで」

TBSラジオの番組「アシタノカレッジ」の12/17金曜日放送回で、ゲストのジェーン・スーさんと武田砂鉄さんが、「頑張って」という言葉についてお話しされていました。 最近は、安易に人に「頑張れ」と声をかけるのが良しとされなくなってきました。以前より「頑張れ」というワードを他人に対して使うことに、慎重になりましたよね。 それは、かつての「24時間戦えますか」みたいな前時代の「頑張り(の圧力)」が良いものではなかったと、社会的に共有されてきているからでしょう。頑張って体を壊したり

体育館のピアノ

今週は、栃木県に行っていました。 小学校の音楽鑑賞会のためで、サックス奏者の夫とデュオで、6校7公演してきました。 公演の中で気付いたこと、考えたことは沢山あり、そのうち書くと思いますが、先にピアノのことだけ書きます。 全ての学校で、体育館の壇上で演奏したのですが、お世話して下さる教育委員会の方や先生が、たびたび「ピアノの状態が悪くてすみません」とおっしゃるのですけど、ピアノの状態は勿論良くはないんですけど、私自身はものすごく楽しい気持ちで弾いており、全く気になっていませ

コンクール雑感

ショパンコンクールの中継をYouTubeで生配信しているので、私も楽しく見ています。 今回の日本人演奏者は、すでに有名で人気のあるピアニストがいて話題性もあり、沢山の方が観覧していて盛り上がっていますね。 私は最近クラシックは聴きに行けていないので、名前は存じ上げていても生で聴いたことがない方ばかり。どんな演奏をされるのか興味津々で前のめりで見ています。 2次予選の日本人の演奏者は全て見ましたが、小林愛実さんの演奏が、段違いに素晴らしく、感激しました。配信でこんなに心を持っ

『Calling』制作の経緯など

『Calling』制作の経緯です。ライナーノート代わりにでも読んでください。 これまで出たインタビューなどでお話ししていますが、今回、いくつかのタイミングが重なって録音に至りました。 最初のきっかけは2020年7月19日、池袋のレコーディング・スタジオStudio Dede(デデ)からの高音質4K配信ライブです。 2020年4月から6月中旬まで、仕事がゼロの日が続きました。 私も自宅からの配信ライブなどをしていましたが、デデがレコーディング・スタジオならではの価値ある配

新譜インタビュー記事公開etc.

先日公開になったインタビュー記事です。 西山瞳トリオ『Calling』久しぶりのトリオ作で追い求めた、音楽の〈普遍的な強度〉 | インタビュー - Mikiki インタビューと執筆をして下さったのは、音楽ライターの大石始さん。楽しくお話しさせてもらうと同時に、プロのライターさんのインタビューって見事なものだなと学ばせてもらいました。 先日、新譜『Calling』の発売日当日にYouTubeでトークライブをして、その時に「最近CDにライナーノートを入れていない」とお話し