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東京物語完結

自分の人生の限りある持ち時間を使って何をするか。

この世に生まれた瞬間から私たちは死に向かっている。赤ちゃんだろうが小学生だろうが男だろうが女だろうがどれでもなかろうが、全人類共通で今を生きながら日々、確実に訪れる「その日」に向かっている。

人生に意味などない。が、人生に意味を持たせて生きることはできる。
脆く、感情的な「人間」にとって、生きる意味や目的を決めて生きることは、日々のつらさや苦しみを乗り越えるために有効なツールである。
どんな時も色即是空の境地で物を見、心穏やかに、誰に対しても寛容に、日々倹約的な生活をすることが幸福である、と悟りの世界で生きることは容易ではない。生きる意味や目的など明確に意識を向けるものを決めた方が生きやすく、達成することで心の充実感を得ることもできる。少しずつ人として成長していく。この一生涯で仏のような悟りを開くことはできなくとも、楽しいことつらいこと苦しいことを経験していく中で心は磨かれる。
1年前のあなたと今のあなたは、見た目はあまり変わらずとも確実に違う生き物のはずだ。


これは約2年前、東京出張サロンに行くことを決意した時のnoteだ。
東京出張サロンをすることになったきっかけはX(旧Twitter)のセクシャルマイノリティアカウントで知り合った女の子に会うため、数年ぶりに東京に行ったこと。


もはや時効なので当時のことを正直にいうと、その子には別に恋人候補がいて(隠されていた)、危うくこちらがキープ枠にされそうになったのでスパっとさようならをするために区切りとして上京した。私は区切りが好きだ。始まりと終わりを明確にすることで自分の進捗度合いを体感しながら生きている。

その子は東京に行く前日(新幹線の切符を買った直後)に恋人候補がいると突然電話口で私に告げた。
つい数日前、私に「好き」と言ったその同じ唇で。
「だから恋愛対象のつもりで会うのであれば申し訳ないが出来ない」と。



おい、てめえ、ふざけんじゃねえ。
大人舐めてんのか。
こっちは仕事を連休にしてわざわざ時間と金使って行くように段取り組んでんだよ。てめえの茶番に付き合ってる暇はねぇのよ。二人の人間を両天秤にかけて、モテてる自分に酔ってるつもりか?シクシク泣いて「私もつらい」じゃねえんだよ。あ?私にも向こうにも失礼なんだよこの自己愛女が!!
という気持ちをまるっと笑顔で包み隠し、東京観光を一緒に楽しみ、帰りの新幹線に向かう直前、メレンゲのような軽やかさでさようならの手紙を渡した。
新幹線に乗り込んだ直後、手紙を読んだという彼女はLINEに乗じてなんだかんだと繋ぎ止めようとしてきた。区切りを明確にするのが好きな私のことである。大人らしく優しく諭すように言い聞かせ、SNSや連絡手段を全部切った。


ブロック。全部ブロック。
潔く、あなたは向こう側に行きなさい。


中途半端な縁を繋げ続けるよりも、一旦リセットするべきだというのが自論である。これには大体周りの皆様から「そこまでせんでも」と咎められる。
や、違うねん。ここで運命論語ってしまうけれども、繋がるべきご縁は必ずいつか繋がる、と信じているわけですよ。
良き状態にするためにも、一旦0に戻した方がいいと思うわけです。
離れてみないと見えないものがあるでしょう?
本当に必要かどうか、その時お互いにわかるから。



ブロックして誓った。
絶対に自力(仕事)で東京に来てやる。
東京とのご縁ここで終わらせてなるもんか。と。




それから約1年、2ヶ月に1度のペースで東京出張サロンを続けてきた。
最初は荷物も謎に多く、緊張で両目の瞼が痙攣するという異常事態を経験した。
今となっては安心して利用できるレンタルサロンも見つかった。東京で会いたい人たちにもしっかり会えた。新宿2丁目にも遊びに行った。渋谷も原宿もキョロキョロせずにまるで東京人のように堂々と歩くことができるし、メトロも焦らず乗ることができる。
沢山の人と出会い、見たことない景色を見せてもらえた。

そして。
自分のサロンにも変化が出てきた。
メンバーが増え、面白そうな試みが始まるフェーズに入る。
自身のトレーナー活動も、本格的にクライアントさんを増やしていくためのアクションをしなければならない。
ここらが潮目時。


人間、引き際が肝心って誰かが言ってた。



定期の東京出張サロンとX(旧Twitter)のセクシャルマイノリティアカウント(東京のお客さんはここで集客していた)を辞める。


人生の持ち時間は限られている。人間の体も一人一つと決まっている。
1日は24時間しかない。これが地球のルール。
もし生きる意味や目的を持つのであれば、有限な時間とエネルギーは、
その時々で最も必要な場所に注がなければならない。


さて、次の世界へ行こう。


LIFE is wonderful.




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