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私を用いてください

非日常的な出来事は日常への態度を改めさせる。

2024年元旦、能登を地震が襲った。
次の日には羽田空港で飛行機同士の衝突事故があった。この飛行機同士の事故は一般の旅客機と能登への支援物資を運搬するために飛ぶ貨物機だった。地震がキッカケで被災地以外にも被害が及んだ。出来事が起こり、それがどのように連鎖し、最後の結末を迎えるのかは誰にもわからない。
いつも私たちの目の前にあるのは「今」だけだ。今日選んだ選択が見えない明日につながって行く。大抵の場合、いつもとほぼ同じような毎日を過ごしている。けれど、それだっていつ崩れ去るかはわからない。自分がいくら気をつけていても、後ろから衝突される時もある。上から物が落ちてくることもある。


自分がどれだけ綿密に考え抜いた「最善の選択」をしていても、誰かの、または何か自然の、または不可抗力の何かで、人生など呆気なく一変してしまう。その時に一時停止を押したり、巻き戻したりすることはできない。
巻き戻さなくても、後悔の言葉が出ない生き方をしているだろうか。




今年、40歳になる。
周りには散々言いふらしているが、ついに念願のShiziUデビューである。
「ここまで沢山の人に支えられ、生き延びてこれたことにハッキリと感謝を示したい」と思えるくらいにはちょっと成長した。特にサロンを出店してすぐコロナ禍に入り、ここまで過ごしてきた直近の約4年は今までとは全く次元が違う濃い時間だった。日本だけでなく世界中にとっても、これまで出会ったことのない未知のウィルスに脅かされた期間だった。今やコロナはインフルエンザと同じ分類の扱いになり、「特別にやべえ」存在ではなくなった。

この期間で沢山のことが変わった。数えきれない人が亡くなり、沢山のお店がなくなり、そして、新しいものも増えた。本業を失い、仕方なく始めたことが今の本業になっている人もいる。私自身も出店して半年後に緊急事態宣言が出て、サロンでの空き時間が出来た。持て余した時間で私自身が心を病まないために真剣に運動し始め、自分の体感で「これは世の中に絶対に必要なことだ」と確信し、トレーナーの道を歩み出すことを決めた。
コロナがなければ、腹を括れなかったかもしれない。


「すべてはベストタイミングである」
自分ではどうしようもことでいちいち心を惑わせないために、そう思うことに決めている、というマイルールがいくつかある。例えば。
どんなに嫌なことが起こっても、それが私にとっての「ベストタイミング」。「いつだって今からがスタート」だ。
今、この目の前に起こった出来事に対して自分は何を選択をするか。怒るのか、悲しむのか、途方に暮れるのか、これはチャンスと思うのか、無視するのか。沸き起こった感情とは別に、冷静な自分はどの考えを手段を選択するのか。感情は無意識にでも湧き上がるものだが、思考は意識的に自分で選択できる。出来事の意味は自分で作ることができる。




コロナが感染拡大を広げていた数年前、
私自身は暗黒期だった。
だが、サロンを出店してすぐの自分が自分の都合で闇落ちしていい状況ではなかった。

サロンは私だけのものではない。一緒に働く相方の、二人のお客さんの、ここを作るために必死になってくれた建築士さんや施工会社さんの、関係者全員の思いが溢れんばかりに詰まったみんなのものだ。そこを代表して運営していく自分が落ちて病んでいる場合ではない。
とにかく、止まってはいけない。止まれば病む。大人しく自粛している場合ではない。動け、動け、疲れさせろ。疲れさせて、アレコレ考えだす前に寝てしまえ。
結果はご覧の有り様である。病むどころか体力がついて、ほとんど体調を崩さない身体と、小さなことでウジウジ悩まないメンタルが育った。サロンをオープンしてから、熱を出したのは3回目ワクチンの副作用での1日だけだ。
暗黒期に飲まれてなるものか!!と、がむしゃらに動いてたら、本人もビックリ、松岡修造jrが育っていた。

美容師歴20年。
その時間の中で、自分よりもはるかに年上の方から一人では座れないちびっこまで、数えきれないほどのお客さんと関わってきた。

スタイリストになってしばらくはお客さんがなかなかつかず、悶々とする日々が何年も何年もあった。クレームをもらったことも何度もある。冷蔵庫の中に納豆とモヤシしか入っていない生活が続いていても、美容師を辞めようと思ったことは20年間で一度もない。自分より年下のスタイリストが自分の目標を超える結果をサラッと出した話を目の当たりにもした。上司とぶつかってあからさまな冷遇をされたこともある。そんなキツい日々の中でも、お客さんが少ない中でも、私を指名してきてくれる人がいた。わざわざネットで調べ倒して、わざわざ電車で1時間かけて、わざわざ都会を通り越して。
私が自分の都合で闇落ちして、情けない理由で辞めるなんてことはあってはならなかった。私にできること、すべきことは自分の目の前にいてくれる人達が喜んでくれるように成長し続けること。「あなたがいい」という期待に応えること。


「だめだめだめ!諦める?なんでだよ!お前のことを応援してくれるお客さんのこと思い出せよ!!諦めちゃだめだよ!!お客さんどうすんだよ!!思い出せよ!!」
松岡修造が叫んでいるインスタのリール動画をつい最近、発見した。
あのスタイリスト悶々期を思い出した。

もしかしたら暗黒期のずっと前から
コロナ期に松岡修造jrとして新たに爆誕するずっとずっと前から、
私の中にはすでにチビ松岡修造がいたのかもしれない。

暗黒期を経ることによって、
トレーニングを積むことによって、
内なるチビ修造がムクムクと成長し
正式に私の身体と一体化し、松岡修造jrとして
爆誕したのかもしれない。



(なんだこの話…)



人と向き合う仕事をして20年。
自分も年齢を重ねれば、お客さんも同じように年齢を重ねる。会話の中で増えてくる身体の不調の話。美容師として外見を整えることはできるけれど、プロとしてもう一歩踏み込んだお話ができればなお良い、と思った。
私自身が身体を動かすことで強い身体になり、メンタルも強くなり、イライラを感じなくなり、前向きな気持ちをコントロールできるようになった。実体験として感じているし、身体や脳の仕組みとしても裏付けがしっかりある。これは今の生きづらい世の中に絶対に必要なスキルだ。


私が学んで実験して検証するから、しっかり信頼できるプロになるから、あなたの人生に用いてほしい、と思う。
あなたのタイミングでうまい具合に私を使ってください、と思う。
美容師として外見を整えるでも良い、トレーナーとして心身のエクササイズに召喚するでも良い。私は自分を選んでくれるあなたに対して美容でもエクササイズでも、自分の出来ることをやり切りたい。髪の毛を切ってイメチェンしたければ喜んで切る。お尻をプリッとさせたいなら下半身のエクササイズを教える。



あなたがやりたいことに、私を用いて、
あなたの「なりたい」に、私を活用してください。

それが私にできるあなたへの恩返しであり、 
これからの私の生きがいなのです。





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