SNSで話題になるためのコンテンツを考える時代へ(マーケティング4P分析:Promotion編)
マーケティング連続講座「MARPS」(マープス)で学んだことをまとめたnoteです。今回は、過去のマーケティング講座でもよくテーマとして掲げられていた、効果的な情報伝達に関する話です。
講座の概要
マーケティングコミュニケーションの目的:"価値を伝える手段"には様々ある(広告、オウンドメディアなど)中で、
ターゲットや既存顧客の意識や態度を変え、行動をする後押しをする想起を高めること。※どんなに意識や態度を変えても、購入の際に想起されないと意味がない。送客数を上げたいと思ったら、「プレファレンス」を上げる必要がある。プレファレンスには価格、ブランドエクイティ、製品パフォーマンスの3種に分類される。マーケティングコミュニケーションに携わる人が、価格や製品パフォーマンスを変えることができない。広告、PR、ソーシャルメディア、オウンドメディアはブランドエクイティを上げるための手段である。※このサイトにある図をご覧になると分かりやすいです。
AIDMAモデル→AISASモデルへ変化している、という話はここ20年ほどで言われているフレームワーク。ただし、AISASモデルをどの商品カテゴリーにも適用することは危険。例えば日用品(洗剤など)は、SNSでのレビューを見て、わざわざAmazonなどのサイトで検索をするだろうか?
カスタマージャーニーを使うことを否定をしないが、ジャーニーマップは1本にまとまっていない。川の支流のように、みなどこかで離脱をしているケースが多々ある。立ち止まる消費者、別のブランドに行ってしまう消費者を見つけ出し、いかにその離脱や立ち止まりを防ぐか?を考えるためのツールと捉え、活用することを勧める。
ソーシャルメディア時代におけるPR:
「SNSをマーケティングに使う」→いかにコンテンツが切り取られ(撮影され)、SNS上でバズるか。つまり、SNSで話題になるためのコンテンツを考える時代に入ってきた。
ここからは、私の考察です。
SNSで話題になるためのコンテンツ事例:サントリー伊右衛門「一択屋」
最近、SNSで話題になるためのコンテンツとして、秀悦だと思った事例が、伊右衛門の「選択肢が多いと疲れること」。
世の中、SNSでいろんな情報が流れ、何もかも選択肢が多いように感じませんか。そこで伊右衛門が打ち出したキャンペーンが「一択屋」。お茶といえば伊右衛門でしょう、ということを伝えるこのキャンペーンですが、CMに起用されているのが、「水曜日のダウンタウン」はじめ最近ネットで話題のひょうろくさん。
YouTubeでは、CMが投稿されているのですが、Xでは「選択肢が多いと疲れること」と題して、Xユーザーから意見を募っています。
このキャンペーンでバズるポイントが4点あります。
ネットユーザーに好感度の高い、ひょうろくさんを起用したこと。さらば青春の光さんはじめ、芸人さんたちに愛される芸人さんでもある。面白いひとは面白いというファンが現れ始めている段階。芸人さんたちのX、ひょうろくさんファンのXで拡散される可能性が十分ある。
ひょうろくさんは過去CM起用の事例がなかったこともあり、初のCM起用ということで話題性がある。
「選択肢が多すぎて疲れる」という消費者の心理性をついている。ハッシュタグで投稿された投稿を見てみても、あるあるネタが投稿されている。Xユーザー同士でも、あるあるネタとして拡散されやすいと思われる。
このハッシュタグを、サントリーが今後のマーケティングコミュニケーション施策のエビデンスに使いやすい。
以上の点から、ただバズって終わり、ではなく、サントリー社内でも活かすことのできる施策だと思ってみておりました。
ただし、このキャンペーンがあったからといって、消費者が伊右衛門について想起されやすくなったか…というと微妙だと感じました。最近、他社でもひょうろくさんを起用していたりするので、独自性がなくなっているように思います。さらに、お茶という分野は、価格の安さか特定のブランドへ好みが固まっている人が明確に存在し、なかなか流動性がないのでは…と思いました。
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