顧客へのヒアリングの心得~「小規模企業支援の基本」の読書感想文
こんにちは。私は、中小企業診断士の資格取得をなんとなく考えています。今回紹介する本は、中小企業診断士の資格取得のための方法論ではなく、中小企業診断士になったあとの仕事の方法、心得について書かれた本です。決して中小企業診断士にしか分からない話が書かれているわけではありません。主にコンサルやカスタマーサクセスの部署に所属の方も、よく理解できるような内容です。
本の要約
資格を取っただけでは、仕事は取れない
中小企業白書を10年分を読み込むと良い。その上で、以下のサイクルを回す。中小企業白書を読む。→企業のお悩みごとリストを作り、情報を抽出する→お悩みごとリストに対して、自分なりに処方箋を作っていく。このトレーニングはとても役にたつ。
クライアントの悩みをまず聞く。相談のパターンは、大きく分けて3つ。1. 問題が顕在化しているとき。2. 変化の兆候が見られるとき。3. 環境変化に不安を感じるとき。大抵の場合は、1~3の順番。しかし企業によっては2または3から出てくる可能性がある。
支援の準備→業界研究、対象企業(クライアント)研究、競合研究、顧客研究は欠かせない。
提案方法の考え方
1. まずヒアリングしたクライアントの理想と現実の間のギャップを明らかにする。
2. そのギャップを埋める課題を設定する。
3. 課題を埋めるために、対策を考える。
まず、ゴールを考える。ゴールから現在へ逆算をしていく。現在まで逆算したら、今度はゴールに向かって施策を考えていく。
提案の作り込み→極論、自分ごととしてやってみる。
提案内容に優先順位をつける。全部を一気にやると、さすがに調子を崩す。そこで優先順位が必要になる。1. 緊急度が高い問題の解決につながる施策。2. 比較的コストや手間がなく始められるもの。(※まず新米コンサルなら、疑われるのがほとんど。まず手をつけられやすい施策から始めて、やっぱり行動を起こせば経営が変わることを実感してもらう。)3. 経営状態に与える効果が大きいもの
ヒアリングする仕事全てに通ずる心得
冒頭に紹介したように、この本では中小企業診断士の取得を目指す人向けに書かれているように思いませんでした。お客様にヒアリングする機会のある仕事の方々(コンサル、営業、カスタマーサクセス)全てに通じると思います。
AIが普及してきて、こうした仕事がAIに取って代わられると考える方もいるでしょう。しかし、こういう悩みを解決する仕事こそ、AIではなく人の仕事だと思います。
そして、クライアントから選ばれる人材であるためにも、日々スキルのブラッシュアップは欠かせません。著者の方が、「エアーヒアリング」という言葉で説明されていましたが、仮のクライアントをつくり、悩みに対して自分が提案する様子を録画、録音し修正していくことが、提案の力が高まるといいます。
仮のクライアントをつくるというのは、AIで役割を担ってもらい練習するといいかも…しれませんね。仮のクライアント集を作ってみようかな。
合わせて読みたい
この本で読み込むべきと紹介されていたのが、「中小企業白書」でした。
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/index.html
読んで下さった皆様の背中を押せるようなコンテンツを発信し続けます。ありがとうございます。