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LINEでお客様とどうつながるかを考える

こんにちは。

社会人3年目。普段はECサイトのLP制作やSNS運用設計を担当として本業・副業共に仕事をしています。

先月25・26日に開催された「LINE BIZ DAY」をリアルタイムとアーカイブ配信を見ての感想をまとめました。LINEアカウント運用についてヒントが欲しい方向けです。

三重県四日市のうなぎ屋「うな勢」さんのLINEアカウント運用施策を練り、PDCAを回しています。この経験から、「LINEはそもそもどういうアルゴリズムか」について考えてきました。

▼「うな勢」さんの魅力をnoteでも発信しています。一覧はこちら。


私が気になっていたこと

LINE BIZ DAYは2日間に渡って開催されていました。1日目はLINEアカウントを活用して成功した企業さんの事例を紹介されていました。それを踏まえての私のツイートがこちらです。

登壇されていた企業さんが有名なブランドばかりだったので、「LINEってもっと中小企業や飲食店に強みがあるんじゃないの?」と思ったのです。なぜなら、LINEはほかのSNSと異なり全世代が使用しているツールだからです。

すでにある一定の層に対してブランドが認知されている企業さんが、LINEアカウントで友だちを増やすことである程度の成果が出ることはなんとなく予想できることかと思います。しかも広告費をかけることで、広告からの流入が増え、そこから友だちを獲得することも可能です。

一方、広告費をあまりかけたくない企業さんはどうすればいいのだろう。

私の行きつけのお店のオーナーさんは、「LINEアカウントは運用しているものの広告費をかけたくない、だけど友だちの数は増やしたい。どうすればいいのだろう…」と悩んでいらっしゃいました。行きつけのお店のこともあり、私ももっと周りの人に知ってほしいとは思いつつ、飲食店となるとご時世柄ご近所に留まってしまうことも事実です。あまり店舗のある地域外に友だちの数を増やしたとしても、「県外だし行かないわ」と判断されてブロックされてしまうかもしれません。


LINEの難しいところ

LINEは、ユーザーのプライベートな部分に入り込んでいるツールです。ほかのSNSと違ってリアルな友人・家族とコミュニケーションを取るためのツールとして使っている方がほとんどだと思います。ところが、LINEの位置付けがだんだんめんどくさいもののように感じている人が、私の周りで見受けられます。

例えば私の親友は、iPhoneの設定でLINEの通知が来ても長押しで既読せずにメッセージを読める機能を使ってLINEを返信するか否か決めています。LINEでコミュニケーションを取るのすらめんどくさい、と感じる別の友人もいます。
※Google で「LINE めんどくさい」と検索すると、山のようにLINEのめんどくささを回避するための手法を紹介した記事が載っています。恋愛テクニックとして「いかに未読スルーさせないか」のような話題は定番化されているように筆者の私は感じています。

それくらいLINEは、人によっては「めんどくさい」ツールとして位置付けられているかもしれないです。

そのツールに、広告が入り込むとどうでしょうか。

友人からの連絡もあまりこまめに返信しないのに、企業からの広告が入ってくると未読スルーする人もいます。とある友人は、複数の企業のLINE公式アカウントからの通知を溜めて未読が「99+」となっていました。笑

Instagram・TwitterとLINEの活用法には少し違う使い方がありそうです。


LINE BIZ DAY 2日間通して印象的だった事例

少し本題からずれてしまいましたが、LINE BIZ DAYで印象的だった事例をご紹介します。

1. Snaq meさん

「Snaq me」とは、美味しさと栄養を重視したおやつを定期的に提供する、いわゆるおやつのサブスクサービスです。かなり前にInstagramの広告に出てきてから、気になっていました。なんてったって、ポテトチップスばかり食べてしまう私は、その度に「あー脂っこいもの食べちゃった」と罪悪感を抱いているので…。

Snaq meさんの特徴の1つにおやつ診断、リクエスト、評価などのデータからお届けするおやつをパーソナライズする特徴があります。

Snaq meのマーケティング戦略

サブスク型のサービスなのでサービスの継続率(解約率を抑える)は重要な指標となります。加えて、サービスの新規登録者数を指標として置いています。両輪で戦略を実行していくことは難しく、Snaq meさんの場合は「継続率」を優先的にKPIとして掲げ、プロダクトファーストの考えを持っています。「ダイレクト広告はサービスの入り口になるため、期待値をコントロールすることを大事にしている」とのこと。

CPAを重視しすぎてしまうと、過度な訴求や価格調整を行なってしまいがち。確かにそれを行うことでCVRはUPするが、プロダクトに対する期待値のところで悪い意味でも差が生まれてしまう。そうして継続率を下げてしまう。

このような考え方から、LINEでの新規顧客獲得のためには「広告」と「オーガニック」に分け、前者ではターゲット層に漏れなくスピーディーにいいね!と思ってもらう広告、後者では紹介したくなるようなプロダクトを作りつつ面白い、楽しい、役に立つコンテンツでお客様とのコミュニケーションを生むことを実践されているそう。

LINEをどう活用しているか

会員情報とLINE ID連携を促していることが前提にあります。

既存顧客に対してはLINE ID連携を活用し、蓄積したデータからおすすめの商品を配信します。

一方、新規顧客に対してはSnaq me さんはまだ検討中です。LINE社としては公式アカウントとメッセージをやり取りしたLINE友だちのリターゲティングの活用を促しています。

その後LINE BIZ DAYではLINE広告を活用し、配信内容の検証(クリエイティブ面、配信記事のタイトルの検証)を行いながら、Snaq meさんの顧客層にはどう響くかを明確にしていった事例が紹介されていました。

私が特に参考になったのはクリエイティブ部分です。記事LPの検証について紹介されていました。

前提:ニュース面に載せてもらうので、読み手にとって「楽しい!」と思えるコンテンツを作りたかった。

1. コンテンツ型 例)夏の暑い日に食べたい!おすすめのおやつ12選
2. 商品紹介型 例)定期便初心者の私が定期便を半年以上使い続けている理由

結果、2の方がCVRが約1.2倍となったそう。1の場合CTRはそれなりにあったけれど、CVRにまで繋がらなかったそうです。

Snaq me さんの場合は1よりも2のほうが魅力的だと思われたと言えるでしょう。

Snaq meさんの記事LP制作のTips

1. LPの印象を変えることで、ユーザーを飽きさせない
→「飽きる」という定義が抽象的で、数値で追うことは難しい。なので小さくても変化がある状態を維持することを目指した。

2. LP内に解約導線をあえて入れる
→いつでも解約できる、ということを理解してもらうため。解約っていうことをユーザーに対して変に意識させたくない。(無駄に解約導線をたどる手順を踏ませる、とか。)

詳細に紹介したいのですが、これを書くとnote 1万字到達する気がするので割愛します。


2. SABONさん

「イスラエル発のナチュラルコスメブランド」として百貨店や駅チカに出店されているのをよく見かけます。私が意識したきっかけは、Instagram運用の仕事をしている友人からの勧めで「SABONが勉強になるかも」と教えてもらったことから。

確かに、Instagramを見たときの第一印象は「商品の見せ方が綺麗」でした。LINEアカウントも注力されており、今回のLINE BIZ DAYでとても勉強になりました。


SABONのマーケティング戦略

・世界観あふれぬくもりのある店頭体験
・デジタルの積極活用

を重視しています。

店頭を軸にしてきたからこそ、オンラインで店頭の世界観をどう表現していくかを積極的に考えてきたそう。


LINEをどう活用しているか

全社をあげてデジタル化を促進してきた。自社で保有する会員情報をも含め、情報を収集しながらお客様との接点を保てるようなチャネルを探していたことがLINE活用の背景にある。お客様に店頭に足を運んでもらうようになり、2018年ごろからお客様のロイヤリティを高めることには、データが不可欠だと考えているようになった
自社のアプリ導入も検討したものの、お客様の負担になってはいけないことは念頭に置いていた。お客様が気軽に使っていただける媒体というのは、自社アプリのようなほかの媒体ではなく、LINEのように誰もが使っているサービスにある。

お客様の利便性を最優先に考えた結論でした。

そんなSABONさんがKPIに置いている指標は本会員登録数に置いており、以下4点がその手法として掲げています。

1. 友だち獲得から本会員化(ID連携)への促進
2. お客様情報の一元管理
3. ステータスに合わせたコミュニケーション
4. 店舗または公式サイトへの誘導

SABONさんのユニークな点は、「本会員」と「仮会員」のステータスにあると私は感じました。

本会員→誕生日や住所などより詳細な情報を提供してもらう。情報をもらった代わりに、誕生日ギフトなど限定特典を付与する。
仮会員→簡単に会員証を発行できる。お客様の具体的な情報を必要としない。

改めてSABONさんのマーケティング戦略を振り返ると、お客様のロイヤリティを高めるためにLINEを活用していることの筋が通っているように思いました。


プライベートでも使うLINEだから、個々のLINE友だちの求める情報が好まれる

LINEを活用する際に「こうすれば成功する」という法則は存在しない、と私は考えます。それはSnaq meさんやSABONさんの事例を見て思います。

ですが、LINEだからこそできることやメリットはどこか共通しているように感じていて。それは、ほかのSNS媒体と比較してお客様に合った情報を提供できることだと思います。

「LINEの難しいところ」のセクションで書いたように、万人受けするような情報を流してしまえば、「これは私に関係ない」とLINE友だちに感じさせてしまいます。一方、LINE友だちとして登録したからこそのメリットを感じてもらうことで、LINEアカウントを引き続き活用してもらえるのだと思います。

LINE友だちとしてのメリットはなんでしょうか。

そこは各企業さんのお客様が何をメリットとしているのか、なぜその商品を選んでいるのかによります。だから顧客視点が必要なのだ、と感じました。

LINEさん、ありがとうございました。

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