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少しずつ海外へ行ける扉が開いている今考える、「意義のある」旅ってなんだろう。

とある日に見かけた記事と、東浩紀さんの「弱いつながり」を読んで思ったことです。

"Meaningful Tourism"(意味のある旅行)とは何か?について書かれた記事です。

記事の内容

【meaningful tourism(意義のあるツーリズム)】
クオリティへの回帰、さらに全てのステークホルダーに恩恵があり、皆が満足できることが基本になる。具体的には、旅行者に加えて、受け入れ地域社会の人々、サービスを提供する働き手、企業、政府、自然環境など。旅行者から見たクオリティや満足度だけでなく、他のステークホルダーから見てどうなのかが問われている。

上記記事

つまり、観光客だけが満足するだけではなく、観光客を受け入れる地域であったり、主催する旅行会社含め、受け入れ先の企業も満足することが求められる時代になりました。

それは、短期的な視点でいえば満足度が高くなるとか、人との交流が盛んになることかもしれません。長期的に見ると、「関係人口」の話や移住・定住へつながることになります。また記事に書かれていたのは、環境への配慮でした。

つまり、誰にとっても「明らかなメリット」が「意義のあるツーリズム」には含まれます。


検索できる時代だけど、現地でしか知り得ないことを知る

そこで、とあることがきっかけで知った東浩紀さんの「弱いつながり」という本を読みました。

この本のタイトルから推察するに、人と人の弱い関係の話か?と思われますが違います。

ネットの検索と「旅」についてテーマにしている本です。

ネット検索やSNSの影

私たちはネットで何でも検索できる時代に生きています。GoogleストリートビューやInstagramを駆使して、観光地に行かなくても場所の様子はすぐ分かります。
ただ、そうして得られた情報は、自分が検索したことばで検索したためにたどり着いた情報でしかなく、現地に行かないと分からないことであったり、現地のことばで書かれているような情報にはたどり着きません。

だからこそ、東さんは常に検索ワードをアップデートするために、ネットを遮断して旅に出る機会をつくる必要があると唱えます。

観光客という立場で検索ワードを増やす

2つめのテーマ「旅」。
特に東さんは、観光客という言葉を洞察されています。

観光客はとても「軽薄な」言葉です。なぜなら、「観光地を通り過ぎていくだけ」だからです。
観光客は「無責任」です。けれど、無責任だからこそできることはあります。無責任を許容しないと広がらない情報がある。

「弱いつながり」

例えば、福島第一原発の現状を見てもらうのに、もし観光地化させなければ、報道で皆知っていても現地に行く人はどれくらいいるでしょうか。

「軽薄」でも「無責任」でも、観光客に事故跡地を見てもらって、少しでも事故について考えてもらったほうがいいのではないか。それがぼくの考えです。

「弱いつながり」

近年の例でいえば、「インスタ映え」というのも、今まで全くスポットライトが当たらなかった観光地にスポットライトが当たった事例です。
しかし、観光客の増加によりゴミが増えもとあった生態系を崩す問題も存在します。

しかし、「インスタ映え」がなければ、永遠に知ってもらうきっかけはなかったかもしれません。

読んだ直後の感想をTwitterに書き残したので、それも合わせて載せておきます。

旅程をガチガチに固めずに、ふらっと気になった場所に立ち寄るのもまた旅だし、そこで出会ったものから新たな気づきを得ることもある。

まさに、私が今Podcastで「日常を旅するラジオ」をオーストラリアに住む秋さんという、お子さんを持つ女性とやっている理由も、私が経験していないことを経験していたり、私が住んだことのない場所に住んでいることから、違った視点を得るきっかけになると考えているからです。


さて、皆さんの旅はなんですか?
ぜひ感想や皆さんの意見をお聞かせください!
旅好きとして、一緒につながりましょう!


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