「社員稼業」を読んで
こんにちは。
今回は、彼に仕事の悩みを相談してみたら「読んでみたら」とおすすめされた本を紹介します。
きっと企業に勤めていらっしゃる方は、解決策は何か考えているけれど行動できない・行動しても部署内で反応が薄い…など私と同じような悩みを抱えていらっしゃるのでは?と思いました。
実践法というよりは”企業で働くことの哲学”を述べた本だと思っています。
SNSが発達し、「点」の情報が集まっていますが、人生の先輩方の残したことばは本で残っているから「線」の情報であり、壁を乗り越えるための情報が満載です。学ぶことがたくさんあります。
今回はその1人、Panasonicの創業者松下幸之助の「社員稼業」の本をご紹介します。
1. この本に書かれていること
【社員稼業】
「与えられた仕事を遂行しているといった心構えに終わっているのではないかという感じ」を「一歩進めて、自分は、会社という一つの社会の中で、社員稼業をしている独立経営体であると考える」。「一人ひとりが、自己の独立経営として、自分はこの会社の社員稼業をやっているんだと、(中略)」
「これは自分の稼業なのだ。私はこの会社の社員稼業の主人公なのだ。(中略)自分個人の事業なのだ。そういう意味でのこの会社の社員だ。」と、こういうふうな考えに徹したならば、みなさんの頭から何が生まれるかというと、想像もできない偉大な力が生まれてくると思うのです。
- PHP新書「社員稼業」より筆者抜粋
つまり、サラリーマンであるけれど、自分が勤め先の経営者のような気持ちを持ち、会社のことを考えるべきで、そうすれば今まで思いつかないようなアイディアや動きが出てくるのではないか、と。
私はそのように理解しました。
その考え方のもと、松下幸之助は世間に目を向けながら、心意気や熱意をどう生み出していくかを述べています。
全ての内容が勉強になることばかりで、全部書くとキリがありません。笑
次の項では厳選して私のお気に入りの章を4つ紹介します。
2. 私が最も響いたところ4つ
2-1. 適任者は誰か
「適任者をどう選ぶか」の章で述べられていたところ。
主にマネジメントの立場にいる方はよく悩まれるのではないでしょうか。「誰に任せたらいいのだろう」と。
80点でできる人を探したら最も安心すると思いますが、その人材を探すのに膨大な時間がかかります。だから大体話をしてみて、実力が60点の人に任せると大体うまくいくといいます。60点の人が頑張って、トータル80点くらい(よくて100点)で業務が完了する感覚でしょうか。完璧を求めすぎず、余裕が大事なのかもしれないです。
2-2. 自分が迷った時は、誰かに相談してみる
「世間は道場である」の章で述べられていました。
ベテランの先輩方は感覚的に身に沁みて分かる方が多いかもしれません。若い人でもSNSの使い方がうまい方など。けれど、そのような人材は今の日本社会のマイノリティな気がします。だから日々迷った時に、どう相談すればいいのかで悩む人も多々いると思うのです。
SNSでも、職場での日常も、とにかく社会というものは「人間錬成の道場」だと幸之助は言います。
単にSNSで繋がっているか、たまたま同じ職場・会社で働いているかで出会う人が異なるだけです。所属するコミュニティに限らず、自分の思いや疑問を周りの人に問う。するとさまざまな答えが返ってくる。そしてその答えを自分の答えと照らし合わせ吟味していくと、わかってくるものがあります。
「反面教師」ということばもありますが、自分の憧れの人はどのような人か、自分が嫌いな人はどのような人なのか、きちんと言語化して「自分」の考えを明確にして、また悩みが生じたら他の人に相談すればいいと思います。私はそのようにして、(まだ20代の若手ですが)ここまで歩んできました。自分の考えを明確化する作業を怠り、悩みや愚痴ばかり言っている人は何も成長しないと私個人的には、思っています。
「やりたいこと」が分かりません、という人は、今話題の「やらないことリスト」からやってみることがおすすめです。嫌いなことの反対が、自分のやりたいことかもしれませんので。
例えば、YouTubeで経済系の情報を発信している「リベ大両学長」も、ご自身の「やらないことリスト」を紹介しながら、人生を無駄にしないための生き方を紹介されています。ご参考までに…
2-3. 会社の社員として自分のやりたいことを会社内で開拓していく
「覚悟を決める」の章で語られていたところ。
前もって注釈しておきますが、幸之助が生きた時代は終身雇用が当たり前だったので、「会社に生涯職を奉じられる」という文脈で語られています。
「今後長い生涯にいろいろな問題が起こる、こと志と違うといった問題が怒った」時、すぐに会社を辞めるという「頼りない考え方」はやめて欲しい、と幸之助は述べています。なぜなら、「この会社で自分のその煩悶を解決して、どこまでも会社の社員として道をひらいていこうという姿に終始する覚悟を持っていただきたい」からだと。
それは転職が当たり前の令和の時代でも通じる点があると思います。
問題の壁が立ちはだかった時に、まずは色んな方法や人脈を使って壁の隙間を見つけるようにする。すると意外と時が解決してくれたり、思わぬほかの部署の人が助け舟を出してくれたりします。
大企業ならなおさら多くの部署があり、多くの人がいますから、会社内での人脈も厚いものがあり問題がすぐ解決することも多くあると思います。
そして、自分のことを何も分からずにただ上司と気が合わないなどの理由で転職してしまうのは、もったいないのだろうと思います。(※生きていくのが辛いと思うほど精神的に追い詰められた時は、辞めるべきだと思います。)
問題を乗り越えた先に成果が出るかもしれないけれど、会社内での人脈が広がったりして成果が出ないとしても、得られる「経験」はたくさんあるはずです。また皆さんが問題に突き進む姿を見て、誰かしらその様子を見てくれている人はいます。
2-4. 自分の給料を割いてでもやりたいほど愛情の湧く仕事だろうか
「一つのことに打ち込む」で述べられていたところ。
秀吉がまだ信長の下っ端のころの話を幸之助は引用していました。
秀吉が馬番として働いていたとき、自分の少ない給料の中から馬の飼料を買い与えていたそうです。なぜ秀吉はそのようなことができたか。なぜなら、秀吉はその馬に対して「愛情」を抱いて育てていたからだと幸之助は解釈しています。ほかの人にはできないことだから、信長は秀吉を出世させる1つのきっかけとしたのではないか、とも幸之助は分析しています。
つまり、どのような仕事であれ給料が少なくても続けることで、その様子を見て賛同してくれる人がついてきます。そして愛情があるから続けられる。継続力の効果はとっても偉大で、スキルも上がるし、(問題にぶつかることも多々あるけれど)とっても面白く感じることができると思うのです。
note始めたくらいのときに、今の会社で会長から言われたことばが分かった気がしました。
「副業」の観点から、続けることの大事さを述べたnoteも合わせてご覧ください。
3. 温故知新
結論、迷った時は過去の作品にあたることも大事だなと思いました。
20代の私からすれば、昔の偉人の話は抽象的で一見言っていることが分からないことが多々あります。
けれど、色んなことに挑戦したり色んな人と話をしているからこそ「あの部分で書かれていたところは、そういう意味なのか」と分かることが最近増えてきました。それくらい私は必死に、でも楽しみながら生きているのだろうと思います。
以上、私の経験から「社員稼業」と自分の生き方について考えてみました。
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