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[DX事例61]高輪ゲートウェイ駅をまるごと舞台にしたDX実証実験!JR東日本の非対面・非接触DX_東日本旅客鉄道株式会社

ITコンサル×パートナーCFOのタナショーです。

このnoteではDX事例やIT活用事例の紹介を通して、経営者の方がITを身近に感じたり面白いと思ってもらえることで、企業の成長に役立つ情報をお届けしていきます。


今回は鉄道です。最近は徐々に利用者も増えてきた鉄道、新幹線だけでなく駅ビル、ショッピングセンターの運営も手掛ける東日本旅客鉄道株式会社のDXです。


駅全体が非対面・非接触の実証事件!?JR東日本「高輪ゲートウェイ駅」のDX事例

今回はJR東日本の取り組みの中でも「高輪ゲートウェイ駅」でのDX事例をご紹介します。2020年の3月に開業した高輪ゲートウェイ駅は「東京と世界をつなぐ玄関口(ゲートウェイ)」となることを目指しており、最新IT技術の導入も含めた「JR東日本グループのさまざまな”やってみよう”を盛り込んだ」駅として、様々な実証実験を進めています。


①ロボット導入による非対面、非接触サービスの実現
高輪ゲートウェイ駅では多様な目的に応じたロボットの実証実験を行っています。用途やその数も結構な種類になりますので、かいつまんでご紹介します。

まず「軽食飲料配送ロボット」になります。駅ナカのオフィススペースでのドリンクや、軽食の運搬を目的としたロボットとなります。階層の違うフロアの移動も行うことができ、エレベータを自動で乗り降りすることも可能となります。

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東日本旅客鉄道株式会社「高輪ゲートウェイ駅における 非接触・非対面等をテーマとしたロボットの実証実験について」より抜粋

次に「消毒作業ロボット」です。床の清掃だけでなく、コロナウィルスの除菌作業を目的とした手すりの消毒作業を行うロボットも登場しています。
消毒作業ロボットはマッピング情報をもとに現在地を把握し、各種センサーで目標物(手すり)を認識して消毒作業を実施します。人を検知することで、歩行者の邪魔にならないような動作することも可能です。

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東日本旅客鉄道株式会社「高輪ゲートウェイ駅における 非接触・非対面等をテーマとしたロボットの実証実験について」より抜粋

最後に「共同運搬ロボット」となります。手荷物をロボットに預けることで、荷物を運んでくれるロボットとなります。利用者を先導して目的地まで案内するナビゲーションをしたり、反対に利用者の後を追従するようなこともでき、利用者の移動をサポートする機能となっています。

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東日本旅客鉄道株式会社「高輪ゲートウェイ駅における 非接触・非対面等をテーマとしたロボットの実証実験について」より抜粋

これ以外にも、音声認識およびデジタルサイネージの映像による駅構内案内を行うロボットや、警備ロボット、車椅子や立ち乗りタイプのEVも導入されています。これらのロボットを活用することで、非接触・非対面を守りながら駅施設内を快適に利用することができます。


②無人AI決済店舗「TOUCH TO GO」
JR東日本スタートアップ株式会社と、サインポスト株式会社は合弁会社「株式会社TOUCH TO GO」を設立しており、無人AI決済店舗である第1号店「TOUCH TO GO」を高輪ゲートウェイ駅にオープンしました。

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株式会社TOUCH TO GO HPより抜粋

何よりの特徴は、天井に設置された多数のカメラとセンサー、そしてAIを活用した自動決済システムです。店内に張り巡らされたカメラはオープン当時最大10人まで認識可能となっており、商品を手にとってレジエリアに行くとバーコードをかざさなくても自動で合計金額が表示されます。

店舗人員は商品の補充スタッフだけ用意すればよく、決済時のトラブルにおいても専用のコールセンターが用意されているため、夜間や深夜帯においても完全無人で店舗運営できるメリットがあります

先程と同じく、この無人コンビニにおいても非接触・非対面がキーワードですが、さらにスタッフの省人化も図ることができます。TOUCH TO GOは高輪ゲートウェイ駅以外にも、目白駅のKINOKUNIYAや新木場駅のベックスコーヒーなどにも順次導入がされています。


DXと経営戦略の関連性について

JR東日本は統合報告書「JR東日本グループレポート2021」にてグループ経営ビジョン「変革2027」を設定しており、ヒトが生活する上での「豊かさ」や安全に対する「信頼」という価値創出のためにAIやIoTなどの技術を活用していく方針を打ち出しています。

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東日本旅客鉄道株式会社「JR東日本グループレポート2021」より抜粋


さらに、「変革2027」の中では駅のあり方を見直し、単なる交通の拠点からの変革を目指す「Beyond Stations構想」を推進しています。お客様と駅空間内にある施設やショッピングモール、SuicaなどのIT技術を繋げることで、駅を「暮らしのプラットフォーム」への転換を図るとのことです。

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PRTIMES「JR東日本「Beyond Stations構想」の推進について~駅は「交通の拠点」を超えてヒト・モノ・コトが“つながる”「暮らしのプラットフォーム」へ~」より抜粋

Beyond Stations構想では、Eコマースとの連携や5Gアンテナの設置などの新サービス展開や、無人コンビニ・ロボットを活用した取り組みも積極的に行っており、高輪ゲートウェイ駅の事例もその一例となります。
JR東日本は、これまでの駅と鉄道を中心としたサービスの利便性向上だけでなく、お客様の新しい働き方や暮らし方に寄り添うサービスの提供に力を入れていくとのことです。


まとめ

いかがでしたでしょうか? 今回登場したロボットは本当に種類が多くて、簡単な概要だけしかご紹介できませんでした。繰り返しにもなりますが、ロボットや無人コンビニの取り組みは「非接触・非対面」というキーワードが根底にあります。

DX事例も今回で61回目になりますが、振り返るとDXにはよく登場するキーワードがありました。「非接触・非対面」、「労働力不足の代替」、「勘と経験のいる作業の自動化」あたりがよく登場していたかと思います。

DXは企業が実施したい、または実現したいサービスを実現するために行う経営戦略の一つです。皆さんの企業でもこれらのキーワードを使ったサービスを考えてみるのはいかがでしょうか? DXを使って皆さんの会社の企業価値を向上させるようなサービスが見つかれば嬉しいです♪
タナショー


参考にさせていただいた情報
東日本旅客鉄道株式会社 HP
https://www.jreast.co.jp
東日本旅客鉄道株式会社「JR東日本グループレポート2021」
https://www.jreast.co.jp/eco/pdf/pdf_2021/all.pdf
東日本旅客鉄道株式会社「高輪ゲートウェイ駅の概要について」
https://www.jreast.co.jp/press/2019/20191203_ho01.pdf
東日本旅客鉄道株式会社「高輪ゲートウェイ駅における 非接触・非対面等をテーマとしたロボットの実証実験について」
https://www.jreast.co.jp/press/2020/20201126_ho01.pdf
PRTIMES「JR東日本「Beyond Stations構想」の推進について~駅は「交通の拠点」を超えてヒト・モノ・コトが“つながる”「暮らしのプラットフォーム」へ~」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000295.000017557.html
PRTIMES「高輪ゲートウェイ駅  無人AI決済店舗「TOUCH TO GO」がサービス開始 商品は手に取るだけ!“ウォークスルーの次世代お買い物体験”」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000077.000034286.html
株式会社TOUCH TO GO HP
https://ttg.co.jp

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