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不動産売買における国家間の言語の違いやディスコミュニケーションをIT技術で乗り越えろ!!〜DX事例48_株式会社GA technologies〜

ITコンサル×パートナーCFOのタナショーです。

このnoteではDX事例やIT活用事例の紹介を通して、経営者の方がITを身近に感じたり面白いと思ってもらえることで、企業の成長に役立つ情報をお届けしていきます。

本日は不動産業界からお伝えしていきます。2013年に設立して5年後の2018年にマザーズに上場を果たしたスタートアップ企業であり、不動産テックを積極的に推進している株式会社GA technologies(ジーエーテクノロジーズ)の不動産DXです。


国家間の商習慣の違いをITで乗り越える。GAテクノロジーズのDX事例

GAテクノロジーズは経済産業省・東京証券取引所が選ぶ「DX銘柄2020」にも選ばれていることからわかるように、IT技術を積極的に活用しています。

GAテクノロジーズは様々なDX事例を展開していますが、今回は2020年から他社から取得した事業「神居秒算(しんきょびょうさん)」をご紹介します。この「神居秒算」は中華圏投資家を対象としたサービスであり、GAテクノロジーズはこれを使って国家間をまたいだ不動産仲介サービスを展開しています。


①言語の違いによるディスコミュニケーションを解決。中国語と日本語のリアルタイム自動翻訳付きチャット機能
「神居秒算(しんきょびょうさん)」は中華圏最大級の日本不動産プラットフォームとなります。15万棟以上の日本の分譲マンションのデータと20年間の取引データを網羅したデータベースを活用し、中華圏投資家が日本不動産を購入する際の仲介サービスを提供しています。

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神居秒算HPより抜粋 ※中国語サイトとなります


このサービスプラットフォームは、日本の仲介業者が日本の不動産を掲載し、中華系投資家がその物件を購入する流れとなります。中華系投資家が利用するため、当然中国語で書かれたサイト構成となっており、物件契約の際は日本の仲介業者は通訳者を用意するなどの手間が発生していました。

これに対応するため、「神居秒算」は2021年3月にリアルタイムの自動翻訳つきのチャット機能を公開しました。中華系投資家と日本仲介業者で会話をしたい場合、このチャット機能を使うことで今までよりスムーズにコミュニケーションが取れることが可能となります。また、通訳の必要がないため「神居秒算」に参入する日本の仲介業者も増えているとのことで、サービスの活発化に貢献しているとのことです。


②実際の物件をカメラでかざすだけで物件情報が表示される。「ARカメラによる物件情報表示」
「神居秒算」にはアプリもあり、そちらの機能となります。アプリを使って日本の実際の物件をカメラでかざすと、物件情報がAR表示されるというユニークなサービスです。

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株式会社GA technologies「日本不動産 販売プラットフォーム 神居秒算事業の取得による シナジーについて」より抜粋


実際の物件をかざすため来日する手間はありますが、この機能があれば目の前の気に入った物件の情報を簡単に検索することが可能となります。わざわざ日本の仲介サイトを検索して、ブラウザの翻訳機能などを使いながら物件検索する必要がなくなるわけです。

上述の自動翻訳のときもそうでしたが、「言語の違い」や「日本での物件検索の仕方が分からない」などの国家間のルール・文化の違いにより、円滑な商取引ができなかったり、契約に至らないケースが多々あります。
GAテクノロジーズは、この他にも中華系投資家への「営業代行サービス」や、「神居秒算」内にCRMサービスを搭載しており、日本の商習慣やルールを知らなくても中華系投資家と、中国マーケットへの販路を拡大したい日本仲介業者をつなぐためのIT施策を打ち出しています。


DXと経営戦略の関連性について

今回は「神居秒算」のみに注目しましたが、GAテクノロジーズはそれ以外のIT施策もたくさん行っており、DXについての活動も積極的です。

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株式会社GA technologies「2021年10月期 第2四半期 決算説明会」より抜粋


事業理念にそのものズバリDXを掲げており、「リアルとテックの融合」「顧客の悩みをワンストップでフェアに解決」「不動産業界全体のDX推進」を目標に掲げています。これまでにも不動産屋に行かなくても自分で物件を内見できる「OHEYAGO(オヘヤゴー)」や物件価格のAI査定機能、物件売買/リース/投資などの物件に関わる全てのサービスをワンストップで提供する「RENOSY」を提供しています。

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株式会社GA technologies「2021年10月期 第2四半期 決算説明会」より抜粋


GAテクノロジーズは「テクノロジー×イノベーションで、人々に感動を。」をミッションに掲げており、会社名にも現れていますがテクノロジーの活用を全面に押し出している会社です。

”巨大なマーケットを形成しながらも極めてアナログな不動産業界にテクノロジーで革命を起こす”ことを志しながら、不動産テック業界のNo1を目指して活動を続けています。


まとめ

いかがでしたでしょうか?

不動産業界は、2021年4月に不動産売買の重要事項説明がオンラインで実施できるようになったり、2021年5月のデジタル改革関連法の成立に伴う契約書面の電子化の準備も進んでいます。現地に行かずともネット上で不動産の売買ができる下地がほぼ出来上がってきた状態ですね。
しかし、海外の投資家が日本の不動産をネットで買うのはリスクが高いですよね。国際間の取引において言語や商慣習の違いを理解することは重要で、日本の仲介業者も通訳者を用意するなど、国家間の商取引にはコミュニケーションしづらいジレンマがありました。

少し前にも話題になった「OYO LIFE」や「WeWork」など、海外から鳴り物入りで日本の不動産事業に参画したものの、経営がうまく行かなかった事例をご存知の方も多いと思います。原因は様々あると思いますが、やはり日本と海外の不動産における商習慣の違いを分かっておらず、日本の物件オーナーとのディスコミュニケーションが起きていることが原因の1つにあったかとタナショーは思います。

国家間のディスコミュニケーションを解消して、新しい販路マーケットを切り開く。そしてその解消方法にIT技術をうまく活用したというのが、今回のDX事例だったかと思います
皆さんの会社もサービス利用者や、顧客とのディスコミュニケーションを解消する方法としてIT技術が使えないか検討してみてくださいね♪
タナショー


参考にさせていただいた情報
株式会社GA technologies HP
https://www.ga-tech.co.jp
logmiFinance 「株式会社GA technologies「2021年10月期 第2四半期 決算説明会」」
https://finance.logmi.jp/376361
株式会社GA technologies「日本不動産 販売プラットフォーム 神居秒算事業の取得による シナジーについて」
https://tyn-imarket.com/pdf/2020/6/11/140120200611442547
神居秒算HP ※中国語サイトとなります
https://www.shenjumiaosuan.com
PRTIMES「中華圏最大級(※1)の日本不動産プラットフォーム「神居秒算」に自動翻訳付きリアルタイムチャットを搭載」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000161.000021066.html
CNET Japan「GAテクノロジーズ、中華圏富裕層にリーチ--不動産プラットフォーム事業開始」
https://japan.cnet.com/article/35155176/

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