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[DX事例96]ロボットの自動陳列やAIアシスタントでコンビニ業務を省人化_株式会社ファミリーマート

ITコンサル×パートナーCFOのタナショーです。

このnoteではDX事例やIT活用事例の紹介を通して、経営者の方がITを身近に感じたり面白いと思ってもらえることで、企業の成長に役立つ情報をお届けしていきます。

今回はコンビニ業界からです。過去ローソン、セブンイレブンと紹介してきましたが、代表的な大手コンビニとして残る1つである株式会社ファミリーマートのロボットを使ったDXです。


ロボットがバックヤードの飲料を自動陳列!?ファミマのDX事例

ファミマといえば、サークルKサンクスやam/pmなどのブランドを吸収合併・経営統合を行い規模を拡大している企業です。店舗数としても業界第1位のセブンイレブンに追いつく勢いとなっています。
急速な出店や拡大を行うファミマにとって働き手不足・人件費高騰は課題であり、ITを使った効率化は重要な施策となります。今回はそんなファミマのDX事例をお伝えしていきます。


①バックヤードのペットボトル補充ロボットが陳列作業を自動化「TX SCARA」

ファミマは2021年11月にTelexistence社新型ロボット「TX SCARA」をファミリーマート経済産業省店」に導入しました。
以前のローソンの記事ではVRを使った遠隔操作陳列でしたが、今回はロボットが自動陳列する取り組みとなります。

コンビニ内のバックヤードの補充スペースはかなり狭いものですが、今回のTX SCARAは省スペースでも稼働可能な水平多関節型のロボットとなっており、24時間の自動陳列ができます

株式会社ファミリーマート「Telexistence社新型ロボット『TX SCARA』を ファミリーマート経済産業省店に導入 ~バックヤードにおける飲料陳列業務を独自AIシステムで自動化~」より抜粋


TX SCARAの特徴は全自動であることです。搭載したカメラが売れ行きや商品の形状を計測し、補充作業を自動で行います。
TX SCARAは上述の自動陳列モードだけでなく、遠隔での操作(Telexistenceモード)も搭載されています。この機能を組み合わせることで、通常時は自動陳列を行いつつ、陳列失敗や異常時には遠隔操作でロボットを操作するという並行運用が可能となります。

株式会社ファミリーマート「2021年度決算・中期経営計画」より抜粋

本件は経済産業省が主導する「ロボット実装モデル構築推進タスクフォース」の取り組みの一環となります。ファミマはロボットを活用した店舗の省人化や新しい店舗オペレーション基盤の構築を目指しており、地域に寄り添い、お客様一人ひとりにとって便利さを追求するファミマにとっても積極的に導入を進めて行くとのことです。


②忙しい店長の優秀なAIアシスタント「レイチェル」

「コンビニの店長は忙しい」という話は皆さんも聞いたことがあると思います。
シフト管理や採用、在庫発注や給与支払など。人手が足りなければレジや接客対応を長時間行うこともあるでしょう。まさにコンビニで発生する業務や運営全般を担当するのが店長となります。

タナショーも小さな会社の代表という身分ですので、裏方で行うバックオフィス業務全般を担当していますがなかなかに手間がかかります。「庶務さんを雇うほどではないがそれでも忙しい。ちょっとした補助作業を手伝ってほしい」そんな人には朗報かもしれません。

ファミマは2020年1月、伊藤忠商事とAI開発スタートアップのクーガー株式会社が共同開発したバーチャルヒューマンエージェント「レイチェル」を導入しています。
レイチェルに向かって、日々の業務で行う「ToDoリスト」をもとに問いかけると日商データの回答や、発注量の増減のアドバイスをしてくれます。

株式会社ファミリーマート「2021年度決算・中期経営計画」より抜粋


音声認識の良い点は、目線を向けなくても曖昧な言い方・喋り方でも指示が伝わる点です。マウスの操作やディスプレイをタッチするような操作だと、決まった手順やルールが必要になります。ですが、音声操作なら何かの作業をしながらできる「ながら操作」が可能です。秘書にものを頼むように、気軽に質問すると適切な回答が返ってくるのであれば、店長の業務効率化に繋がるでしょう。

実験的に導入した店舗では日商が平均3-4%伸びるなど、確実な効果が見られたとのことで、2021年度中には数百店舗以上まで導入を増やす計画とのことです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回の取り組みは「コンビニ業務の省人化と効率化」というストレートな内容です。コンビニ業界において人手不足や人件費の高騰化は深刻な問題です。
「募集をかけても応募してこない」、「賃金を増やしても定着せず、店長がシフトに入らざるを得ない」など、人手不足に関する現状は多数ありますね。

人手が必要な業界なのに人が集まりにくいのがコンビニ業界だと思います。人がいないのだからITやロボットに業務を実施させるのはある意味自然な流れですね。今後もコンビニ業界のDXがどんどん進んでいくと思いますので、引き続き記事を通してご紹介していきます。次回もお楽しみにしていただければと思います。
タナショー


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参考にさせていただいた情報
株式会社ファミリーマート「Telexistence社新型ロボット『TX SCARA』をファミリーマート経済産業省店に導入~バックヤードにおける飲料陳列業務を独自AIシステムで自動化~」
https://www.family.co.jp/company/news_releases/2021/20211102_01.html
株式会社ファミリーマート「2021年度決算・中期経営計画」
https://www.family.co.jp/content/dam/family/company/familymart/overview/220414_setumeishiryo.pdf

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