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「霧雨に濡れて」

まだ誰も起きてこない朝早く
夜の続きの
ひとけのない街。

しっとりと降る霧雨は幻想的だった。

煙る景色。
街頭の灯りもぼやけて滲む。

肌に触れる湿気が心地いい。
傘なんて差してられない。

しんと冷えた夜気に
感覚が研ぎ澄まされる。



" そうだ、この世界はほかの誰のものでもない。
 最初から、私のものだったんだ。"



あぁ、いま目の前にあるすべては、私の世界。
私の捉えた景色も。
私の震えた心も。


朝露だか夜露だかに濡れた草花も
こうやって世界を感じているのかもしれない。



なみなみさん🌂

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