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▽コマンド『こわい』が解放されました

最近、娘が「こわい」と言うようになった。


カラスを見て、「……こわい」。
確かに、カラスは怖いよな。カッコイイけど怖い。わかる。というか、うちの近所の公園で、夕方くらいに4、5羽うろうろと歩き回ってることがあるのでちょっとヤンキーみがある。確かにあれちょっと怖い。娘も公園の入り口から先に進めなくなってたけど、私もあの中を突っ切っていきたいとは思わない。怖いな、うん。

公園の滑り台をのぼる途中で、「こわい」。
ここの公園、滑り台めっちゃ高いもんな。私の身長よりも高い。ついでに老朽化が進んでいる。「令和3年にチェックしてます!」みたいなシールが裏面に貼ってあったけど、ざっくり目視しただけで「ヨシ!」にしてないかと疑惑が尽きない。蜘蛛の巣もある。私も色んな意味で怖いから、この滑り台で遊ぶのはもうちょっと大きくなってからにしような。怖がってくれて助かる。

通り過ぎる車を「こわい!」。
それもとても良い傾向だな。そうだ、あれは怖いものだ。
今後も車に気を付けていこう。

大量のアリさんを見て、「こわい……」。
ずっとアリさん好きだったじゃん、と思ったけど、そういえばこの間マジで引くほど大量のアリがわらわらしてる場面に出くわした(巣穴が近かった)。あれのせいかな。私も虫は比較的好きな方だけど、大量はちょっと……ってなるもんな。うーん、虫嫌いにならないといいけどなぁ。

ママに「おばけ~!」と叫びながら向かってきたから「きゃーっこわい!」と返したら「えっ!こわいのぉ?」とキョトンとしてから「おばけおばけおばけぇぇ!!!」とぐいぐい向かってきた。
いや怖がらせることを楽しむな。『怖い』という感情への理解が早すぎないか。


そう、娘の中にはずっと『怖い』という単語はなかったはずだ。
勿論人間だから、生まれた頃から感情として、娘の中にはあったのかもしれない。けれど、名前はずっとなかった。それが保育園からなのか、あるいは絵本なのかEテレなのか、どこから得たものかわからないけれど、娘の中で『これが、こわいという感情!』と、どこかでリンクしたわけだ。

そういうのって、親が教えるの難しいと思うんよ。
えっ、みんなできる?言葉で「これが怖いという感情だよ」って説明して納得させるの。難易度高くない?私全然できる気がしない。
でも、実際そういう『感情』ってものすごく細分化されてる。『喜怒哀楽』の4種で終わるなら話も早いけど、人間ってもっともっと複雑だ。例えば『怒る』ひとつとっても、『イライラする』と『もやもやする……』と『激昂する』って、カテゴリー的には近いかもしれないけど全部別物だと思う。それを「娘ちゃんの抱えているその気持ち、それがイライラっていうやつだよ……」ってひとつひとつ見抜いて解説するの、絶対難しい。

でも、娘は「こわい」を自力で習得した。
「やったー!」と喜び、食べたくないものを「いらない!」と首を振り(時に投げ捨て)(それはやめてほしい)、仕事に出かけるママを号泣しながら追いかけ、ゆったりとソファでくつろぎながらジュースを飲む。そこに、「こわい」というカテゴリーが追加された。うーん、すごい。人間の学習プログラム、ほんとすごい。


そんで全部言葉にしてくれるから、「おっ、これインプットされたんか」がわかりやすくていいな。
次は何を覚えてくるんだろう。楽しみだなぁ。
親側も、そっとインプットのお手伝いができるように、絵本なり動画なり、色々与えてあげたいものだなぁ。

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