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神戸と姫路ぶらり

1967年から71年まで、兵庫県の西宮市に住んでいました。小学校の後半という時期だったので、私の人格形成には大きな影響を与えてくれたと思われます。なので、出身小学校は西宮市立夙川小学校だったりします。

住んでいたのが阪急沿線(山寄り)だったせいもあってか、そのころに家族で遊びに行くのはもっぱら神戸の三宮界隈でした。

ところが、小学校卒業と同時に東京に引っ越したあと、なぜか神戸を再訪する機会はありませんでした。大阪には何度か行っているのに。

じつは今回も、再訪の機会はなさそうだったのです。

毎度おなじみ、Jリーグ・川崎フロンターレのアウェイ神戸戦。当初は6月に予定されていて参戦不可能だったのですが、台風の影響で開催が延期。延期された日程が7月22日だって? 行けるじゃん。

ということで、半世紀以上ぶりに神戸を訪問することになりました。

新幹線で新横浜から一路、新神戸へ。もちろん私が住んでいたころは「新神戸」なんて駅はありませんでした。

新神戸駅といえば、ここでしょう

新神戸からは駅に直結の地下鉄で三宮方面に出られるのですが、わざわざ駅の外に出たのは、この場所を見るため。どうでしょう? もちろんサイコロはふりませんでした。

元町は子供時代に何度も訪れたスポットでしたが、そのころに得ていた土地勘もすっかり錆びついていたようで、道に迷いかけました。考えてみれば当たり前ですが、50年以上前の話だし、その間に大震災があって、町の様子は一変したのですから。

横浜の元町とはずいぶん違うね

とはいえ、店や建物は様変わりしていても、なんとなく空気というか雰囲気や佇まいには、かすかな懐かしさがありました。町ってそんなものなんですね。

ホテルで一服したあとは、ナイトゲームのためにスタジアムへ向かうんですが、おりから大相撲名古屋場所は終盤戦。気になってギリまでホテルのテレビで観戦しちゃいました。自宅でやってることと同じじゃん。

遠征先で見る相撲中継では必ずチェックする画面

今夜の対戦相手のヴィッセル神戸のホームはノエビア・スタジアム。地下鉄海岸線で向かいます。地下鉄車内で話しかけてきてくれた神戸サポと談笑していたらすぐに最寄り駅でした。

スタジアムへ向かう前に、ちょいと寄り道。

そのスジでは有名な駅

JR山陽支線の終着・和田岬駅です。周辺の工場や造船所に通う人々のための支線と駅で、朝夕の通勤時間帯以外は運行なしの無人駅。そのために「都会の秘境駅」といわれています。

なるほどな駅時刻表

考えてみれば、地元にも南武支線や鶴見線にこんな駅はあるんですが、まぁスタジアム至近だったので、ついでついで(笑)

終着駅でしか見られないモノだけど、大井町駅にもあるな

寄り道を終えると、いよいよ敵地です。もっとも今回はこちらのサポもけっこう多くて、アウェイ感は薄かったな。

敵地名物マンホールのふた

試合ですか? 前半リードしたのに、半端ない人にやられて悔しいドロー。もうすぐにホームで再戦がありますので、等々力でお返ししましょう。

なかなか見やすいスタジアムでした。暑かったけど

さて翌日、ここまで来たからと、世界遺産・姫路城を見物に行くことにしました。三宮から山陽電鉄で姫路へと向かいます。

山陽電鉄車内。まだ地下区間だったよ

西宮在住時は車での移動がほとんどだったので、じつは山陽電鉄に乗ったのはこれが初めてでした。阪神電鉄に直通してて、向こう側は近鉄で奈良まで行けるなんて知りませんでした。

神戸は半世紀ぶりですが、姫路のほうはその後も訪れています。出版営業時代に中国四国地区を担当していたのですが、当時9泊10日の出張の最終地が姫路だったのです。5年間ほどの間に20回以上は来ていたはず。とはいっても、それも30年くらい前の話ですが。

姫路駅からお城までが果てしなく遠いのは変わらない

ないしょですが、出張の最後に時間をやりくりして姫路城を訪れたこともありました。その時には、西宮在住時に訪れた際のイメージと変わらないなぁ(当たり前か)という感想でしたが、その後に姫路城には大改修が行なわれています。さてさて、どのくらい変わったかな?

変わんねーや(当たり前でしょ)

かつて何度も訪れているので、いくつかのお気に入りポイントがあります。そこを見るのも楽しみ。

こんなものは以前はなかったな

それにしても、暑い! 姫路城は国宝にして世界遺産なので、場内は飲食厳禁のはず。ところが、あまりの酷暑に、場内の案内係りの方々は口々に「水分補給を」と呼びかけてました。それくらいの暑さで、たしかに身の危険を感じましたね。さすがは難攻不落の名城(違う)

ここを知ってますか?

私のお気に入りポイントは、大天守直下にある、通称「腹切り丸」という物騒な場所。不届き者が処刑された場所だとかで、何か不穏で寒々しい雰囲気が漂う場所です。以前は中まで入れたのですが、現在は立ち入れません。タタリでもあったのかな?

こちらも不気味ポイント

もうひとつは「お菊井戸」 はい、あの「一枚足りな~~い」の超有名幽霊・お菊さんゆかりの井戸です。

一般には「番町皿屋敷」として知られている幽霊譚ですが、もともとは「播州皿屋敷」 つまりここが元祖なわけです。知ってましたか? 今回は昼間だったので、お菊さんはいらっしゃいませんでした。

古墳時代の石棺ですね

これは以前にも展示されていたかどうか記憶にないのですが、場内の石垣に使われていた「石棺」です。お城の石垣に、徴発したさまざまな石材が使われているのは各地の城郭で見受けられます。石碑や墓石やお地蔵さんなどもあるそうですが、古墳から出たと思しき石棺はちょっと珍しいですね。タタリとかなかったんかいな。

以前から展示されていたかどうか、記憶にございません

昭和の大改修時に取り換えられた、大天守を支えていた「大柱」も展示されてます。それにしても、デカい。重機もなかった時代にこんなシロモノを使った建築をしようなんて、よく考えたもんだと思いますよ。むかしの人は凄かったのか、大いにヒマだったのか(笑)

こちらは天守の礎石

大天守を支えた大柱をさらに支えていた基礎の「礎石」 改修時に取り換えて、同じ配置でここに再現したそうです。

むかしは城内を見回ればオシマイだったんですが、お城の西側に「好古園」なる庭園ができていました。

もともとここにあった武家屋敷などの遺構が発掘調査され、それを活かして作られた日本庭園で、1992年の開園というから、知らなかったわけです。

なかなか綺麗なのと、酷暑の中ではわりと涼しく(池や水路、樹木が多いせいですね)、そして入場料が安いのがいいですね。大人310円、姫路城と一緒にならば城の入場料に50円ほど上乗せだけで拝見できます。

時代劇のロケに多用されてるとか

さてこのあとは市内観光でもと思っていたのですが、この好古園内で、同行していた息子のスマホが暑さに負けてダウンする緊急事態が発生。それくらいの暑さだったんですよ。近所でスマホショップを探したりするために、これで姫路ぶらりは終了せざるを得ませんでした。まぁ暑かったから、ちょうどよかったけど。

最後に、旅行中に食べたものをチラホラ紹介。

元町のユーハイム本店で食べたミックスサンドとショートケーキ

なんでバウムクーヘンを食べなかったかというと、あれはこっちでも売ってるから。このケーキは本店限定だそうです。デカかった。

関西ではトンカツでなくてビフかつでしょう

姫路城前にある飲食店・千姫さんでいただいた、ビフかつ定食。めずらしく食べはじめる前に写真を撮りました(寸前だったけど)

三宮のイスズベーカリーさん謹製(喰いかけ御免)

この「厚焼きカツタマゴサンド」 厚焼き玉子のサンドイッチは時たまあるけど、玉子焼きに衣をつけて揚げてソース味で食べさせるのはワザあり! また食べたいですね。

今回の教訓「暑い季節の遠征は要注意

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