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映画つれづれ4

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2020年4月の記事一覧

外出自粛映画野郎「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」

外出自粛映画野郎「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」

「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」は、1987年に製作された(日本公開は1989年)香港ファンタスティック映画の最高峰の一本ですが、いま観てもまったく古さを感じない作品ですね。

ま、そりゃそうでしょう。

そもそもこの映画は、中国・清代に成立した怪奇小説集の古典『聊斎志異』の中の一編「聶小倩」を原作とした時代劇なんですから、いまさら古くなりようもないですね。

旅の書生ツォイサンが一夜の宿を

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500円映画劇場「ツイスター2008」

500円映画劇場「ツイスター2008」

1996年に公開された、スティーブン・スピルバーグ製作、マイクル・クライトン脚本、ヤン・デ・ボン監督の「ツイスター」とは、当然なんの関係もない、2008年のTVムービー。製作年と邦題が一致しているのが特徴(笑・原題は「STORM CELL」)

とはいえ、「ツイスター」がこの作品にも影響をおよぼしているのは間違いない。それまでは気象関係の災害パニック映画ってそんなにはなくて、あってもほとんどがハリ

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外出自粛映画野郎「スピード」

外出自粛映画野郎「スピード」

手持ちのソフトを中心に映画を観ていると、どうしても古い映画が多くなってしまうので、新しい映画でも観ようかと思ったんですが、これ1994年の作品ですからもう26年も前の映画ですね。歳月人を待たず(笑)

さて「スピード」です。初めて見たときは、まだキアヌ・リーヴスもサンドラ・ブロックも監督のヤン・デ・ボンもほとんど知らなかったですね。当時お馴染みだったのは、爆破犯人をマニアックに好演したデニス・ホッ

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外出自粛映画野郎「皆殺しのジャンゴ」

外出自粛映画野郎「皆殺しのジャンゴ」

こんな時期には、スカッとするマカロニ・ウェスタンでしょ。

というわけでチョイスしたのが、どうしてこの「皆殺しのジャンゴ」なのでしょうか。

ま、いいじゃないですか。

わけを白状すれば、主演がテレンス・ヒルだからです。

以前に書いたように、このニヒル(かつニヤけた)二枚目っぽいが性格軽そうな男は、私のヒイキ俳優のひとり。巨漢バッド・スペンサーとの風来坊コンビの主演する一連の映画は、お気に入りで

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外出自粛映画野郎「そして誰もいなくなった」(1945年版)

外出自粛映画野郎「そして誰もいなくなった」(1945年版)

「ミステリの女王」アガサ・クリスティーの代表作にして(たぶん)いちばん売れた小説『そして誰もいなくなった』の映像化については、いままでにも何度か書いてきました。

そして誰もいなくならなかった

そして誰もいなくなっちゃった

未発売映画劇場「そして誰もいなくなった」(1959年版)

未発売映画劇場「そして誰もいなくなった」(1987年版)

でも、考えてみたら、そもそもの第1回目の映画化である

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外出自粛映画野郎「宇宙のデッドライン」

外出自粛映画野郎「宇宙のデッドライン」

1950年代から60年代前半くらいにアメリカでは大量のSF映画が製作されました。たぶんドライブインシアターなんかで上映するのにむいていたんでしょう。

その大部分は、怪獣や宇宙人が攻めてくるようなチープで安易な映画なんですが(それはそれでたいへん面白い)なかには斬新なアイデアと巧みな演出で、現在でもカルト的人気を持つものがいくつもあります。

この作品もそんな1本。1960年の映画です。

原題は

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外出自粛映画野郎「ハンターキラー/潜航せよ」

外出自粛映画野郎「ハンターキラー/潜航せよ」

昨年の公開前にこんな記事【こちらです】を書きましたが、公開から1年余を経たので、あらためて見直しました。

やっぱり面白いですね。

潜水艦+特殊部隊という、どう考えても男の子好みのネタをダブルで突っこんであるのだから、当然でしょう。未見のかたは是非ともどうぞ。

で、先の記事でもふれましたが、この映画には原作小説があります。

元米海軍潜水艦長のジョージ・ウォーレスと作家のドン・キースが合作した

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外出自粛映画野郎「大海獣〔前後編〕」

外出自粛映画野郎「大海獣〔前後編〕」

「ゲゲゲの鬼太郎」第6期のテレビアニメシリーズが先月完結しました。

鬼太郎好きな私ですが、これまでのシリーズは全回を観てはおらず、食い散らかしていました。でも今回は初めて全エピソードをオンタイムで観るという快挙?を成し遂げました。

今回のアニメ版は、原作のテイストを残しつつも、うまく現代風にアダプトとしてあって見応えがありました。いまの世の中でクラシックなスタイルの妖怪物をやるのはけっこう難し

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外出自粛映画野郎「ああ爆弾」

外出自粛映画野郎「ああ爆弾」

大学生のころ、いまはなき(ないよね?)五反田東映シネマで「独立愚連隊西へ」を観て以来、ずっと岡本喜八監督作品のファンです。もう主だった作品のほとんどを観ていて、かなりの作品をDVDで持っているのですが、未見の作品が残り少なくなってからは、もったいなくてなかなか観られないくらい好きです。

さてそんな喜八監督の作品群のなかで、1960年代の諸作は傑作ばかりなのですが、なかでも「殺人狂時代」とならぶ異

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外出自粛映画野郎「バルジ大作戦」

外出自粛映画野郎「バルジ大作戦」

現在は「コロナウィルスとの戦争」だそうですが、そんなところで戦争なんて物騒な文言は使わないでいただきたいですね。

とはいえ、男の子向けのエンタテインメントにとって「戦争」というのは欠かすべからざるアイテムなのです(しつこいようですが、実際の戦争はダメです、絶対)

ということで「戦争映画」ってのがたくさんあるわけなんです。

今回DVDを引っぱりだしてきて再見したのが「バルジ大作戦」 オールスタ

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外出自粛映画野郎「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」

外出自粛映画野郎「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」

この情勢でどうなるかわかりませんが、2020年6月に「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」完結編の上映が決定していたせいで、最近ローカル局などで盛んに最初のテレビ版「新世紀エヴァンゲリオン」が再放送されています。もう何度も見ているし、DVDなんかも持っているのに、ついつい観ちゃいますねえ。

最近、大学でSF研に入って立派なオタクとなりつつある甥っ子と話したおりに、このエヴァの話になって、それまで私が未見だ

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外出自粛映画野郎「アンドロメダ…」

外出自粛映画野郎「アンドロメダ…」

「不要不急の外出は自粛」などと子供を諫めるような要請が出るばかりでいっこうにおさまりそうな気配もない情勢ですが、そもそも会社員生活からリタイアしている私の日常はたいして変化していません。いやいや現役時代でなくてよかった、などと不謹慎な安堵を感じていたりして。

とはいえ影響はゼロではなく、たとえば隠居生活?の楽しみであったテレビ番組がさまざまな余波で、どんどん面白くなくなってます。感染者数をカウン

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未発売映画劇場「サント対魔女の館」

未発売映画劇場「サント対魔女の館」

誰も興味を持たない(笑)サント映画完全チェック、第18弾は「Atacan las brujas」英語題「The Witches Attack」あるいは「Santo Attacks the Witches」 メキシコでは1968年2月に公開されている。前作「サント対カルト集団」の公開から1カ月ちょっと後。相変わらずのスピードぶりだ。

毎晩のように悪夢にうなされる女性。死の世界からよみがえった魔女が

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