見出し画像

『大統領選と言う名の祭-4:SuperAger』

長きにわたって、大統領の座をめぐる共和党のトランプと民主党のバイデンの戦いが続いてきましたが、いよいよ明日の11/3が投票日。

年齢だけを言えば、トランプ74歳、バイデン77歳というほぼほぼ後期高齢者、つまりはおじいさん同士の戦いです。

共和党トランプと戦う相手として、最終的にはバイデンが民主党代表に選ばれましたが、その絞り込みの過程においては、バイデンのライバルにバーニー・サンダーズ(79歳)、エリザベス・ウォーレン(71歳)がいました。

なのでむくむくと湧いてくる「なんでこんなに年配者が多い?」という疑問。

少し前の話になりますが、もともと2019年に民主党が大統領予備選を開始したとき、有力候補者は25名以上、年齢も30代から70代、人種も白人、黒人、ヒスパニック、アジア系などなどなど、かなり多種多様でした。ですが、最後の最後まで残ったのは、バイデン、サンダース、ウォーレンという70代組と、30代のブーティジェッジ。

年齢が問題にならなかったわけではないんですが、結局、知名度が高く、経験値もある70代が強かった、と言うわけですね。

理由は、やはりベイビーブーマーが政治の主役であるからです。政治に関心があり投票率が高いのは、若造よりも年配者という図式は日本もアメリカも同じ。数十年ずーっと政治家業をやっていて知った顔のサンダースやバイデンを結局選んだというわけですね。人は一般的に自分に似た属性の人、良く知っている人を選びます。

そもそも最近の70年代は、以前よりもずっと若いと言われます。うまーく年をとってパワフルな人SuperAgerと呼ばれる人たち。確かにウォーレンは60台に見えなくもないし、サンダースも写真を見ればお茶ノ水系ですけど、声だけ聞いていればとっても若々しい。

とはいえ、バイデンは(前からそうですが)失言が多いので、認知症疑惑があります。まあ、認知症疑惑はトランプにもあるし、サンダースも選挙活動中に心筋梗塞を起こしました。なので、私個人としては、やっぱり70代に過酷な大統領職はきっついな~と思っていますが・・・。

ところで、最終的には民主党候補はバイデンになったものの、この絞り込みの過程で、マイノリティの非白人が残らなかったことは、民主党支持者やメディアの中でも「残念」「今後の課題」と言う声が上がりました。

Electabilityという言葉を予備選でよく聞きました。選挙における当確性とでも訳しますかね。つまりは、勝てるかどうか、今回二期目を狙うトランプを打ち破れるかどうか、というのが候補者選びの重要なカギだったわけですね。

サンダースやウォーレンが残れなかったのは、仮に民主党員には支持されても主張が左に寄りすぎて、本番の大統領選挙でトランプに勝てない、だから中道のバイデン(あるいはブーティジェッジ)を選ぶしかないとなっていったわけですね。

現在副代表候補になってるハリス氏も、有力候補で争っていましたが、資金繰りにつまり、かつ「アメリカはまだ黒人で女性の大統領を選ぶには早すぎる」と戦線離脱しました(ただし、すでに副大統領候補になることも視野にいれての撤退だったかもしれません)。

このElectabilityって、マイノリティにはひじょーに不利な条件なんですよね。悪意はなくとも、マイノリティ差別と紙一重と言いますか・・・。先ほど言ったように、人は自分と似た属性の人を選ぶ傾向がありますから、オバマのようにカリスマ性があり、時代の流れにマッチした候補者じゃないと、「政策的には好ましいが、マイノリティだから当選できない。よってま、メジャーで中道どころを選ぶか・・・」となりがちなんですよね。ここは本当に難しいところです。

また最後のトップ4に残ったブーティジェッジですが、人口10万の小都市の市長でありながら、大善戦でした。ハーバード大学優等、オックスフォード大学最優等で卒業した「いったいあんたどれだけ頭いいの!?」という方です。ゲイなのでそれがElectability的にどうか、という話もなきにしもあらずですが、それよりもまずは黒人票がとれなくて伸び悩みました。(日本の新聞ではブティジェッジと明記されていますが、実際の発音は[ブーティ・ジェッジ]です。ブーにアクセントが来て長音、軽くジェッジとそえる感じ)。フレンドリーな顔をして、清潔感・品のある人なので、ジジババ殺しともいわれていますが、まだ若すぎ・経験不足だったってことでしょうかね・・・。でも彼は、今後間違いなく表舞台に出てくる方だと思います。バイデンが当選したら権限移譲に向けて動きたしますが、その準備をするチームに彼はすでに入っています。

また、今回の予備選挙にはでてませんが、NYの下院議員のAOC(アレクサンドリア・オカシオ゠コルテス)というプエルトリコ系の女性がいます。史上最年少で下院議員になった女性で、真っ赤な口紅がトレードマーク。彼女のファッションをまねる支持者もいます。左寄りの政策を主張していますが、社会主義に傾きつつあるミレニアムに人気があります。彼女も、そのうち必ず大舞台に出てくると思うので、要チェックです!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?