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採用における見えない共通認識、
暗黙の了解が
溶け出しているように思います。

みんなが、人それぞれのキャリア観、
千差万別のキャリア観
持つようになった昨今、

「こういうキャリア観だよね…?」と
想像するだけに留めて
あえて求職者に
確認をしなかったり、
会社としての願望を
無意識に押し付けたり、
勝手に解釈してしまったり、

そんなことを続けていると、
ミスマッチ、早期退職、
そういったことに
つながりかねないこのご時世です。

(もちろん、求職者に法律上
聞いてはいけない質問もありますが)

本記事では、
求職者側と採用者側の
「キャリア観のすれ違い」
について書きます。

私は「令和の氷海」という例えを使って、
先日、記事を書きました。

「昭和的なキャリア観が溶け出して
令和的なキャリア観も
広がってきている。
様々なキャリア観の氷塊が浮かぶ
『氷海』を私たちは航海している」

そんな記事です。

採用者側、会社側の視点においても

「令和の氷海」は変わりない、
と思います。

つまり、誰もが
「ほぼ同じキャリア観」を
持っている、
北極の大氷原ではすでになく、

キャリア観の氷塊が溶け出して
「その人なりのキャリア観」
「その会社なりのキャリア観」が
あちこちに
点在しているような氷海、なのです。

もし、採用に(一見成功したに見えて)
失敗し、自身の会社とは
相容れないような
キャリア観の人を
採用してしまった場合は、

お互いにとって、
かなり不幸なことになりかねない。

タイタニック号が氷塊にぶつかって
破損するようなものです。

例を挙げましょう。

「終身雇用が当たり前」という会社が、
「三年で転職(独立)が当たり前」
という人を知らずに
採用したとしたら、どうでしょう?

人材計画、破綻しませんか?

「三年で転職(独立)が当たり前」
という会社が
「終身雇用が当たり前」という人を
採用したとしたら、どうでしょう?

いつまでも、
しがみつかれてしまいませんか?

『弊社ではそういうことは、
きっちりと面接や採用条件で見極めて
双方が納得の上で
採用しております
、大丈夫ですよ!』

そのように言い切れる採用担当の方が
いる会社は、安心です。
この令和の氷海の如き「採用の海」も
難なく航海できるでしょう。

ただし、相手は人間です。

人間とは自由なものです。
変わっていく生き物です。

ライフイベントなどを機に、
いつしか考えも
変わるかもしれません。

会社も、人間の集まり。
会社のカルチャーや
主流のキャリア観も
いつの間にか変わるかもしれません。

(もちろん、採用時には
相容れなかったキャリア観が、
会社の中で過ごすうちに
『染まって』『変わる』
ことも大いにあり得ます。
独立など考えもしなかった人が
独立志望の人に囲まれて
独立を考える、とか。その逆も)

終身雇用が当たり前だった会社も、
昨今の経済状況を踏まえて
「終身雇用を維持するのは難しい」
と言ったりする事例もあります。

そのような不確実性の強い、
何が起こるかわからない、
流行りの言葉で言えば、VUCAな時代。

◆V(Volatility:変動性)
◆U(Uncertainty:不確実性)
◆C(Complexity:複雑性)
◆A(Ambiguity:曖昧性)

そんな時代に少しでも、
「相容れないキャリア観」
という氷塊に
ぶつからないようにするためには、

会社側、採用側も
「新しい地図」を持ち
「水先案内人」とともに
航海する方がいいのでは…と思うのです。

そしてそのことを
「公開」しておくほうが
安全に衝突することなく
航路を進めると思うのです。

具体的に言えば、
「お互いのキャリア観のすり合わせ」
「お互いのカルチャーのすり合わせ」

をきちんとした上で、
採用活動をする、ということ。

インターンシップなども、
その一つの方法だと思います。

「尖った」「唯一無二の」会社で
あろうとすればするほど、
会社のカルチャー・キャリア観という
価値観の氷塊もまた、
カチカチになる
ものですから…。

ただ、ここまで書いておきながら
振り返ってみますと、

この価値観、キャリア観は
数回の面接だけでは
なかなか掴みきれないな…とも
思い返しました。

人間は、とりつくろえます。

もっと言えば嘘をつける生き物です。
会社も嘘をつけます。
もちろん求職者側も嘘をつけます。

嘘、という表現はどぎついですね。
取捨選択し、トリミングし、
誇張されたりしています。


キャリア観を隠して
採用したり採用されたり、
ということはざらにあります。

採用活動や求職活動がこのような
騙し騙されの『化かし合い』
過剰になってしまう時、

本人同士はもちろん
真剣に化かしているのかも
しれないですけれども、

はたから見ればそれはかなりの
『馬鹿試合』なのかもしれません。

そして私自身も、
ここまでのキャリアで
馬鹿な試合を行ってしまった
こともあったな…と
恥ずかしくなる思いなのです。

(もちろん、何でもありのままに
『馬鹿正直』に言えばいい、
ということでもありません。

言い方、見せ方、解釈、
というものもありますから。
採用活動や求職活動に
かけられるお金や時間も有限。
難しいですよね…)

最後にまとめます。

本記事では、
令和の氷海における採用活動論、
について書いてみました。

もちろんこれは、
『価値観から全てを丸抱えにする』
幹部候補生や大事なパートナーの
採用や就職・転職の話であり、

例えば倉庫から品出しのアルバイトを
採用したりする場合には、
(あるいは技術特化の
業務委託する場合には)
当てはまりにくいことも
付記しておきます。

価値観やキャリア観など
どうでもいいから、とにかく
人手がありさえすればいいんだ!
という業務や採用も、
この世には多々ありますので…。

読者の皆様のご経験では、
いかがでしょうか?

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