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いつのまにかのゲームチェンジ・アップデート

世の中は、常に移り変わっていきます。

例えば30年前、電車の中で
スマホを覗いている人などいなかった。
家でアレクサに話しかける人も、
ChatGPTで壁打ちする人もいなかった。
SNSで発信している人も、いない。

たった30年でガラリと変わっていますよね。
物心両面!
色んなモノとココロが、変わってきている。

…ただ考えてみれば、
人の世ではずっと古来から「いつのまにか」
チェンジとアップデートが
繰り返されてきているのです。

人間は、常に移り変わっていくから。
自由で変化できる生き物だから。

それが「常識」であるのに、
同時に「非常識」でもある。
すぐには変わらない、変えられない。
そこが人の世の中の
難しいところというか、面白いというか…。

世の中は常に移り変わっていくと「同時に」、
ずっと変わらない錯覚、
ずっと変えたくない欲求もまた
人間は持ちやすい
のです。

すなわち、この今日の状況を
「いつまでも続く」「続けたい」と思いがち。

あまりに(その当時の世の中で)
先鋭的な考えに対しては、
嫌悪感、違和感、困惑、攻撃欲が生まれがち。

おそらく、人のココロは
あまりに急激なチェンジとアップデートには
ついていけないところがある
のでしょう。
特に島国においては。

でもそれもまた「当然」のことです。

昨日と同じ行動で済ませることにより、
人間は多くのことを悩まずに済みます。
食事、排泄、睡眠、定時出勤、同じオフィス…。
生命維持、という観点においては
「同じことの繰り返し」のほうが
脳に過大な負担をかけなくて済む。
「思考停止」機能も、脳には組み込まれている。

変わっていくことを知りつつも
変わる、変えることを望まない。一方で、
変わらないことがラクなのに
変えたい、という欲求もまた、持っている。

保守と革新、維持と打破、
不易流行、守って破って離れてまた守る…。
本能のまま行動する昆虫や動物と異なり、
人間はこの相対する矛盾する動きに
生涯つきあっていく生き物
、なのです。

前置きが長くなり、すみません。

本記事では、
神野正史さんの『ゲームチェンジの世界史』
篠原信さんの『世界をアップデートする方法』
かいつまんで紹介していきたいのでした。

まずは前書きから一部、引用します。
ゲームチェンジのほうからです。

(ここから引用)

『「従来の枠組み・常識・ルールが
まったく通用しなくなること
(ジェンガの塔が倒れるとき)を
今風の言い方で「ゲームチェンジ」と言います。

「歴史」というものはゆっくり
"なだらかに変化"するのではなく、
「泰平の世」と「激動の時代(変革期)」を
繰り返すものですが、

ジェンガで塔が倒れるのは
"最後の一本"を引き抜いた瞬間であるように、
時代が「激動の時代」に入るときには
何かしら"引き金となるような契機"が
あるものです。

本書は、それを世界史的観点から
俯瞰することで、
現在の我々が「ゲームチェンジ」の
只中に置かれている歴史的立場を
理解していくことをコンセプトとして
書き上げられたものです。』

(引用終わり)

続いて、アップデートのほう。

(ここから引用)

『哲学や思想をなぜ学ぶのか?
私の考えでは、
「固定観念の破り方」を学ぶためだ。

固定観念は、その時代の人々の
ほとんどが信じているから、
何が固定観念なのかさえ、
自覚をもつことすら難しい。

だが歴史に名を残した人は、
何が固定観念なのかを見破り、
新しい時代のあり方を提案してきた。
それを学ぶためだと
私は考えている。

私たちが歴史から学ぶのは
「過去」ではなく「今」、
そして「未来」のためだ。
今の固定観念は何なのか、
それを打ち破るにはどうしたらよいか。
その「作法」を学ぶことだろう。』

(引用終わり)

…この二冊に共通していることは、
いずれも「今、この瞬間もまた
チェンジ・アップデートの最中」ではあるが
「固定観念」によって気付きにくい。ゆえに、
「世界史(歴史)的な観点」から
それを把握してみよう
、とする姿勢です。

そう「渦中」にいる人は
「自分自身が」ぐるぐる回っていることに
なかなか気付けないもの。

そこで、過去の歴史に生きた人たちの
「ぐるぐる回っているさま」を
現在という「渦中の外」から
俯瞰、概観する
ことにより、
未来に向けて使えるツール、ヒントを探って
紹介しようとしている。

ゲームチェンジの目次は、こうです。

「農業」「鉄器」「一神教」「紙と冊子」
「キリスト教」「騎馬」「仏教」
「帝政」「活版印刷と宗教改革」
「中央集権体制」「産業革命」
「フランス革命」「総力戦」「核兵器」
「インターネット」「アニメーション」

いずれも、それが生まれる前と後とでは
世界の様相が変わっていったものです。
しかしながら、リアルタイムで
変わりつつある世の中に生きている人は
なかなかそれに気付きにくい…。

アップデートの目次は、こう。

「古代哲学・思想」ソクラテスなど
「中世の哲学・思想」十字軍など
「ルネサンスの哲学・思想」コペルニクスなど
「近代の哲学・思想」ニュートンなど
「産業革命以降の哲学・思想」ダーウィンなど
「現代の哲学・思想」ケインズなど
「中国哲学・思想」孔子など

これまたいずれも、生じる前と後とで
世界の社会と人生への考え方、
すなわち「思想」が変わっていきました。
しかしながら、リアルタイムで
変わりつつある世の中に生きている人は、
なかなかそれに気付きにくい…。

「気付きにくい」んですよ。

なぜなら「少しずつ」変わるから。
ゲームのリセットボタンのように
「はい、おしまい、次!」と
パッとは切り替わらない。

「1868年に明治維新!」と言ったとて、
その時に生きている人が
一斉に明治の近代人へと覚醒し、
チェンジしたわけではないですよね?
江戸時代の精神性を持ちつつ、
少しずつ変わっていったわけですから。

この二冊は、現代の視点から
チェンジとアップデートの推移を
軽妙洒脱に解き明かしてくれます。


もちろん、その書かれた内容は
作者なりの(尖った)主観での捉え方で、
賛否両論、人によっては解釈もだいぶ
異なるものが含まれる、とは思いますが、

…まずは、知ってみませんか?

自分なりに解釈し、ヒントを掴むためにも、
まずは「こんなことがあった」
「こんな人がいた」と知ることから。

最後にまとめます。

本記事では
神野正史さんの『ゲームチェンジの世界史』と
篠原信さんの『世界をアップデートする方法』を
かいつまんで紹介してみました。

物心両面、モノとココロが
どのように移り変わっていって
「常識」「固定観念」となり、
それが打ち破られ、
次の「常識」「固定観念」が
生み出されていったのか?

…今現在、私たちの常識や固定観念とは?
未来の常識や固定観念は、どうなる、どうする?


未来から見た時、
現在の「渦中」はどう解釈されるのだろう?

そんなことをご自身なりに考える
ヒントになります。
リンクを貼っておきます!

◆神野正史さんの『ゲームチェンジの世界史』↓

◆篠原信さんの『世界をアップデートする方法』↓

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