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大人になってから選び出した本は、
ある程度自分の選択が含まれているもの。

一方で子どもの頃に巡り合った本は、
自分の選択はそこまで大きくなく、
「縁」によって出会うことが多いもの…。


そもそも保護者が本が好きかどうか、
子どもにどんな本を触れ合わせようと
考えているのか、
それとも放任、ノータッチか、
そんな意向にも左右されますよね。

私は、どちらかと言えば本が好きで、
保護者も本を積極的に与えてくれるほうで、
家には色々な本がありました。

その一方で、知り合いから話を聞くと、
「うちには本がほとんど無かった」
という人もいました。
これは巡り合わせ、ですよね。
本に「縁」があるかどうかは
(本だけに)本当に人によって違いがある…。


本記事では、
「縁」について、本をからめて書いてみます。

さて、読者の皆様は、本について、
どんな「縁」がありましたか?

特に、幼少の頃。

…私はかなりの過疎地域で生まれ育ちまして、
残念ながら町には本屋がありませんでした。

公立の図書館も無かった。
電車の駅も無かった。
家の本、学校の図書室、
あとはたまに連れていってもらえる隣町の本屋、

そういうところでしかなかなか本に
触れあえることが無かったのです。

現在ならAmazonやコンビニなどで
本をすぐ入手できるのですが、
昔はそんなことも、なかった。
SNSでお勧めの書籍を
勧められることもありません。

都会に住んでいた方には
イメージがなかなかつきにくいかもですが、
そんな環境にものごころついた時から
染まっていた場合、
中学生までに本に触れ合えるかどうかは
「ガチャ」な側面が大きい、と思います。

高校生になれば遠くまで自分で行けますが、
それまでは、まあ、なかなか難しい…。

先述した通り、私は比較的、
家に本があるほうでした。
むさぼるように読んだ。

地理的にも物理的にも精神的にも、
過疎地域というものは
(特に幼少の頃には)
「外の世界」へのアクセスが少ないものです。
他人との会話やテレビなどを除けば、
「本」を入り口にして、外の世界に
精神的にアクセスするしかなかったのです。


(だからこそ妄想力が鍛えられた、
とも思いますが)

幼児の頃によく読んでいたのは、
ポケットサイズの「世界名作童話」的な全集。
「あかいくつ」の話を
切なくも怖く感じで覚えています。

小学校時代には「学研の学習まんが」。
あと「ゲームブック」でしょうか。
中学校時代には赤川次郎さんから
推理小説の世界に飛び込みました。
(もちろん、コロコロやジャンプなどの
漫画も読んでいました)

特に、学研の歴史漫画の中では
「ムロタニツネ象」さんが
描いた絵がめちゃめちゃ好きでして、
徳川家康などは彼の描くビジュアルが
頭にこびりついています。
(「どうする家康」の松潤さんではなく、
「葵徳川三代」の津川雅彦さん的なもの)

…読者の皆様は、
幼少期、中学生くらいまでに
繰り返し読んだ本は、何でしょう?

さて、そのような記憶をたどるのに、
ぴったりの本があるんですよ。
とある漫画家さんが
「絵本」との「縁」について
たくさん書いている本が!

この本について、紹介しましょう。
こうの史代さんの
『あのとき、この本』という作品です。

この本でこうのさんは、
七十一人の方の、
とっておきの絵本を紹介しています。

見開きページで、
例えば「宮崎吾郎」さんが
『かばくんのふね』という
絵本を紹介した文章を書いている。
こうのさんが、それに合わせて
四コマ漫画を描いている…。

「谷川俊太郎」さんは
『少年民藝館』がとっておき!
「松谷みよ子」さんは
『いない いない ばあ』(ご自身の本やん!)。
「恩田陸」さんは
『べにろいやるの おにたいじ』。
「吉田戦車」さんは
『おにたのぼうし』の話に
いつも勇気づけられている…と書きます。

このそれぞれの紹介文に、こうのさんが
あたたかい四コマ漫画を添えているのです。
「ときこさん」という人をガイド役にして。

なお、絵本を紹介していくのは、
作家さんだけではありません。
宇宙飛行士、精神科医など、
色々な方のとっておきの絵本が
この本で展開されていきます。

「野口聡一」さんや「なだいなだ」さんが
どんな絵本を推しているのか、
気になりませんか?

最後に、まとめます。

本記事では、私の経験を踏まえつつ
本との「縁」について書きました。

「縁」と本と、絵本!

幼少期の頃のご自身の本を巡る
歴史と地理を辿ることで、

日々のあれこれに取り紛れて
見えなくなっている根っこが
見えてくるような気がします。

あとがきでこうのさんが書かれている
言葉を、一部、紹介しておきましょう。

(ここから引用)

『紹介文は、時に愉快で、時に切なく、
やっぱりそれぞれ美しく、
何より「好き」に満ちてきらめいていました。

ああ、人というのは
出逢うもので出来てゆくのだなあ、
と感じました。』

(引用終わり)

読者の皆様の、思い出の本、特に
とっておきの絵本は、何ですか?

どんな「縁」がありましたか?

※本記事は以前に書いた記事の
リライトです↓
『「縁」と本 ~えんとほんとえほん~』

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