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文明化、近代化、DX化 ~三つの変化の波~

人類が経験した「革命的な変化」、
「〇〇革命」はたくさんありますけれども、

◆農業革命
◆産業革命
◆情報革命

この三つは世界史上、特筆ものだと思います。
本記事ではこの三つの革命を
比較しながら考えてみようと思います。

◆まずは「農業革命」から!

18世紀の英国で始まった
輪作と囲い込みを指すこともありますが、

本記事では、約15,000年前に始まった
「農業によって食糧を得るようになった」
ことの意味で使っていきます。


ヒトは生き物という宿命があるため、
食べないと生きてはいけません。
「食糧をどのように得るか」は
生きるために非常に重要なテーマでした。

ヒトは飲まず食わずが
数日にもわたれば命の危険がある。
「人間らしい生き方」に食糧は必須!
でも、採集や狩猟だけでは、
不確定な要素が多すぎる。
いくら大きなマンモスを狩っても、
次にいつ獲物を得られるかわからない…。

その不確定さを「確定」に転じ、
継続的に定期的に、しかも余剰まで生じて
食糧を得られるようにしたのが農業。

「…小麦をまいて育てれば、
安定的に食糧が得られるんじゃね?」

と(誰かが)気付いたことから始まる。
育てるには肥沃な土地・水が必要ですから、
大河の近くで農業が盛んになった。
いわゆる「文明」の誕生ですね。

何しろ「餓死」の恐怖から
逃れることができる技術です。
各地に広がっていったのは想像に難くない。
川の近く、農業の盛んな地域では、
余剰の食糧が生まれ、その分け前を巡って
「くに」ができていきます。
食べ物をつくる人と、管理する人。
いわゆる「分業体制」です。

管理する人たちは
自分たちの偉さと地位を保持するために、
権威付けや軍隊や管理機構を整備する…。
こうして「王」や「貴族」が生まれる。
農業革命によって、
役割や組織が複雑に分業されていった…

とも言えそうです。

◆次に「産業革命」に行きましょう。

18世紀のイギリスで始まった工業化。
これによって何が変わったかと言えば、
「ハンドメイド」から
「機械による大量生産」
に変わった。

「モノ」を「手作業で」つくるのは
かなりの労力がかかる。本当に疲れます。
それを疲れ知らずの「機械」を使うことで
信じられないほど生産量が上がった。

産業革命前には考えられないほどの量の
「モノ」があふれていきます。

「産業」とはモノを「産」み出す「仕事」。
機械があらゆる生産に応用されて、
どうやったら効率よく産み出せるか、
どんどん売ることができるか、
そのための政治はどうするか、
格差の広がりと不満の暴発をどう防ぐか、
そんな考えが試行錯誤され研磨されていく…。

産業革命を契機に、欧米では
いわゆる「近代化」が始まるんです。
その土台は「科学技術」

圧倒的な力を先に手にした欧米諸国は、
近代化していない地域に手を伸ばしていく。
例えば、ロシア、中国、日本。
これらの国は欧米に圧倒されることで、
自国の近代化を試みるようになります。

◇1853年のクリミア戦争(ロシア敗北)
◇1853年のペリー黒船来航(日本開国)
◇1856~60年のアロー戦争(中国敗北)


同時期に近代化に目覚めたこの三つの国が、
「日清戦争」「日露戦争」などで
お互いに争った…という見方もできますね。

大量生産される商品の売りさばき先を巡り、
ついには世界大戦まで起きる…。

◆最後に「情報革命」について。

これは「現在進行中」ですね!

古くは戦中の「暗号」や
戦後まもなくの「コンピュータ」の
開発などから始まり、
冷戦後には「インターネット」の
民間供用が開始されました。
現在ではPCやスマホ、
SNSやAIまで普及している。

「農業革命」「産業革命」では
「食糧やモノをどう産み出すか」という
「アナログ上」での変化でしたが、

今度は「デジタル上」でいかに
「情報を産み出し、使うか?」
という変化。

二つの革命と比べましょう。

農業革命以前と以後では、
「食糧」の数が段違いになった。
産業革命以前と以後では
「モノ」の数が段違いに。
同様に、情報革命以前と以後では
「情報」の数が段違いになったんです。

デジタル上ではコピペや拡散が容易…。
まさに情報爆発状態!

それまでの情報は一部の人々がつくり、
それを人々に広めていた。
「大本営発表」の「情報」ですね。
アナログな紙の新聞や雑誌、
ラジオやテレビなどで同じものが拡散…。

しかし現在は「ネット」や「SNS」で
誰しもが情報を扱えるようになっています。
発信も受信も可能。
個人的な双方向の交流もできる。


ただ、だからこその混乱も起きています。

「炎上」「誹謗中傷」「ク〇リプ」などは
あふれかえってくる情報を
個人が適切に対応しないところから始まる。
「切り取り・フェイクニュース・陰謀論」に
飛びつく人もたくさんいる。

「情報リテラシー」がまだ未発達なんです。
不適切な行動をしがち…。

「農業」が始まることで国が生まれ、
国同士で争いが生じました。
「産業」が発展して縄張り争いが激化し、
世界大戦まで起こりました。
「情報」があふれかえる現在では、
個人同士の争い、万人の万人に対する闘争
起こってしまうのでしょうか?

いずれも人間の本能的な
「欲」に結び付いているので、
厄介な問題ですよね。

農業・食糧は「食欲」。
産業・生産消費は「物欲」。
そして情報は「知識欲」と「承認欲求」…。

…ただ、人間は己の欲に任せて
滅びるだけの存在ではない、とも思います。
食欲や物欲を見事に昇華する人もいる。
ならば同様に、知識欲や承認欲求も、
「節度」を持って昇華できるはず
なんです。

LinkedInは、炎上、誹謗中傷、ク〇リプ、
知識欲、承認欲求、過度なひけらかし、嫉妬、
それらから生じるトラブルを抑え込み、
昇華させる特質のあるSNSだと
私は思っています。
(もちろん人の個性や欲は凸凹で
千差万別なので、完全ではありませんが…)

情報革命の果てぬ最前線にて、
読者の皆様、SNSユーザーの皆様は
今日も「波乗り」をしているのではないか?

最後にまとめましょう。

本記事では三つの革命について
書いてみました。

◆農業革命:文明化→余剰の食糧を巡る争い
◆産業革命:近代化→余剰のモノを巡る争い
◆情報革命:DX化→余剰の情報を巡る争い

さて、皆様は爆発的な量の情報を
いかに取捨選択して、活用していきますか?

組織だけでなく、個人の生き様としての
デジタル・トランスフォーメーション
どう進めていきますか?

…かく言う私もニュータイプではなく、
旧世代、オールドタイプの人間です。

皆様に教えていただきながら、謙虚に
「個人DX」を進めていけましたら幸いです。

※アルビン・トフラーさんの
『第三の波』もぜひ。
1980年初出というのが信じられない。
ネットもスマホもない時代に
現在の情報化社会の予想を書き
戦慄するほど言い当てています↓

※1994年当時、今から約30年前に、
「IT」「デジタル革命」に対して
識者がどんな意識を持っていたのかを知ると、
改めて色々な示唆が得られる、と思います。
これから30年後の予測のヒントが得られるかも?
『【デジタル革命】デジタル黎明期。
1994年の日本が持っていたIT意識。
それがデジタル・レボリューション』↓

合わせてぜひどうぞ!

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