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『転機』『4S』で有名なキャリア理論家!

1929年にアメリカ合衆国で生まれた方です。
本記事では、彼女自身の
「キャリア」「転機」を追いながら、
理論の概要を書いてみよう、と思います。

(『シュロスバーグ』とは、あまり
日本では聞き慣れない名前のため、私が
「しらす(ハン)バーグ」を想像しながら
覚えているのは、ここだけの秘密です)

1945年に第二次世界大戦が終わった。
彼女が16歳の頃。
新しい世界が、目の前に開けていました。

30代目前、彼女は大学で仕事を始めます。

28歳の頃、1957年から1960年にかけて、
彼女はコロンビア大学のカウンセリング、
ガイダンスの管理アシスタント
になる。
1961年から1963年には
寮および学生人事研究のディレクターに。

彼女は大学のたくさんの学生の心理や
キャリアについて触れていく…。
この経験が理論の土台となります。

34歳の頃、1963年から1973年には
ウェイン州立大学でカウンセリングの
教授および准教授
として成功を収める。
この経験の途中で、ハワード大学にて
大学カウンセリングサービスの
アシスタントディレクター
も勤める。

…色々な職場で勤めているんですね!

44歳の頃、1973年から1974年には
アメリカ教育評議会の高等教育における
女性事務局のディレクターにも就任。

そしてこの頃、その後22年にもわたって
働く職場へと迎え入れられる。
「メリーランド大学 カレッジパーク校」の
教育学部のカウンセリング、および
人事サービスの教授
です。

66歳の頃、1996年に退職する際には、
名誉教授の称号も授与されています。
1999年には
全米キャリア開発協会の会長に就任…。

さて、大学現場におけるキャリアから、
退職者へと「移行」する中、
彼女は次なる目的へと突き進む。

人生の『転機』と『大きな変化』に対して
誰もが対処できるように支援するのです。
「変化の謎、そこに起因する悲惨さ」
これを取り除くことを目指す!

何冊もの書籍の著者として、また、
講演者、講師、モチベーターとして活躍。
アメリカのみならず世界中で…。

71歳の頃、2000年には日本においても
彼女の書籍が翻訳され、刊行されました。
『「選職社会」 転機を活かせ』
という本です。

…2000年と言えば、
バブル経済の記憶が生々しい頃。
「一社専従」「終身雇用」が
まだ当たり前のようにみなされていた。
私が新卒として社会に出た頃の話…。

あれから、20年以上が経ちました。
2024年現在、世界は「VUCA」、
先行き不透明な社会になっている。
まさに「転機」だらけの社会!

彼女は、人生を「時間軸上の連続」として
捉えるのではなく、
「様々な転機の連続」として捉えています。
シュロスバーグ的な視点でいけば、
まさにこの世は「転機だらけ」…!

どう乗り越えていけばいいのか?
かいつまんで、さわりだけ書いていきます。

一番有名なものは『4S理論』です。
4つのS。Sで始まる言葉4つとは?

◆「S」ituation(シチュエーション・状況)
◆「S」elf(セルフ・自己)
◆「S」upports(サポート・支援)
◆「S」trategies(ストラテジー・戦略)

この4つですね!

転機を乗り越えていくためには、
「転機を見定める」「リソースの点検(4S)」
「受け止めて対処する」
ことが必要としている。

「つまり、『状況』を確認して、
しっかりと『自己』を理解して、
他者からの『支援』サポートがあって、
これからの『戦略』があればいい。
そういうことですか?」

まあ、簡単に言えばそうですけれども、
それだけを丸覚えしても意味がない…。
かみ砕いてみましょう。

仮に、何らかの『転機』があったとする。

まずは「状況」を整理することから。
今、自分はどういう状況なのか?
何を課題としているのか?
把握しないと動きようがないですよね。

そもそも『転機』とは何か?

シュロスバーグによれば、次の4つのうち
1つ以上が変化する、または
期待した変化が起こらないこと。

◆役割(例:親になる/課長になれない)
◆関係(例:友達が増える/親と別れる)
◆日常生活(例:育児開始/仕事に就けない)
◆自分自身の見方(例:出世コースから外れる)

…「変化する」だけではなく、
自分はこうなるだろうと思っていたことが
「起こらないこと」も転機だ
、という考え方。

シュロスバーグは、そもそも転機を
「イベント」と
「ノンイベント」に分けています。

◆イベント:ある出来事が「起こる」こと
◆ノンイベント:出来事が「起こらない」こと

例えば「就職するぞ!」と思っていたが、
就職しなかった、できなかった。
これもまた「転機」!

さらに、彼女は「転機の起こり方」として、
次の三つの観点から分類をしている。

◆予期をしていた/予期していなかった
◆自分が決断して生じた/そうではない
◆一般的な発達の通過点/そうではない

「闘病中だった親が亡くなる」/「急死した」
「自ら望んで異動した」/「急に転勤の辞令」
「大学卒業一人暮らし」/「急に家を失った」

人生には予期せぬこと、
「まさか」という坂もあるものですよね。

さらに「転機の性質」として、
次の4つの視点から分けていきます。

◆深刻さ:どこまで変えなければいけないか?
◆タイミング:準備時間、猶予時間はあるか?
◆コントロール:自分自身で動かせるものか?
◆持続性:ずっと続くのか、一過性のものか?

こういう「深掘り」を重ねて
転機のシチュエーションを分析していく。
転機そのものの起こり方や性質、
何が変化し何が変化しないのか見極める…。
分かることは、分けること。

その上で「セルフ」と「サポート」を考える。

「自分」はどうか?「他者」はどうか?
同じ転機が起きたとしても、人によって
リアクションは全く違います。

◆人生の全体を「肯定的に」見通す力
◆自分は人生を変えられるという信念
◆転機の対処に役に立つ知識やスキル
◆転機を乗り越えた過去の経験・体験

こういったものの有無により、
適切に対処できるかどうかが変わる。
逆に言えば、これらを身につければ、
どんな転機にも対応がしやすくなる…。

さらに加えて、サポートです。

◆人的資源(家族・友人・仲間…)
◆物的資源(お金・情報・時間…)
◆公的機関や民間団体

これらを備えていけばいい。

以上、3つのSをきっちりと把握した上で、
ストラテジー、4つめのS「戦略」を
立てることが大事だとしています。
分析なき戦略を立てても、
机上の空論、計画倒れになりがち
ですので…。

最後にまとめます。

本記事ではシュロスバーグの
「転機」「4S」の理論を紹介しました。

読者の皆様の『転機』は何ですか?
これから、どんな転機が起こりそうですか?


※キャリコンの学科試験でも
頻出だそうです↓

※『シュロスバーグ
(転機・4S・トラジッション)』の記事↓

※『シュロスバーグの
転機を乗り越える3つのステップ』の記事↓

※『シュロスバーグ
3つの転機と4つの資源(4S)』の動画↓

※ナンシー・K・シュロスバーグの著書
『「選職社会」転機を活かせ』↓

合わせてぜひどうぞ!

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