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ヘリテージ・カンパニー ~廃業寸前からの3R~

会社が無くなれば「廃業」
(閉業、倒産、解散…)と言われます。

「商品」や「サービス」が
求められなくなったり無くなったり、
「従業員」が少なくなったり、
「社員」が減ったりして、起こる。

いまこの瞬間にも、
どこかで会社が廃されている…。
本記事では『廃業』からの3R、
『業績回復』について考えます。


なぜ廃業が起こるのか?

「人がいなくなり活動ができなくなるから」
「需要が減り、必要とされなくなるから」
「(資金難などで)維持が難しくなるから」
「仕入れが止まり商品が用意できないから」

などが主な理由ですよね。

例えば『鉱山事業』です。

石炭は「黒いダイヤ」とも言われ、
「炭鉱」が、各地で稼働していた。
〇〇炭田はとても繁栄していました。
しかし戦後に「エネルギー革命」で
石炭から石油にエネルギー源が変わる。
汽車、蒸気機関車は姿を消し、
自動車などが発達していく。
他国から大量に安い石炭が輸入される。
その中で閉山、つまり廃鉱になり、
多くの炭鉱会社が閉業していきました。

『鉄道会社』も、そうですよね。

近代国家=鉄道、という時代があった。
全土に網の目のように鉄道がつくられた。
ただ、これもマイカーなどの普及で
需要が減っていきました。
鉄道路線からバス路線に切り替えるような
鉄道会社も多く出てくる。
中には閉業、廃業した会社もあった…。

『教育業界』ではどうでしょう?

子育て世代、若い世代が多い場所の塾は
なかなかつぶれません。
しかし、そのような世代が減れば
お金を出して通う児童生徒が少なくなる。
「少ない児童生徒でやっていけるのか?」
こうして塾や予備校が減っていく…。

『人口移動』による廃業もあります。

過疎地域で頑張ってきたパパママ商店は、
人口が転出し、空き家が増えていけば
売上が落ち、商売が成り立たなくなる。
それが行きつく先は店じまい、廃業です。
(全国ネットのコンビニフランチャイズに
鞍替えするケースも多いですが…)

…さて、ここまで『廃業』について
書いてきましたけれども、
そのまま廃されていくのであれば、
「兵どもが夢のあと」になる。

しかし廃棄されたものがリデュース、
リユース、リサイクルによって
「資源」として再活用されるように、
廃業寸前だった会社も
3Rを行うことができれば
立派な「資源」へと生まれ変われる。

資源が、循環する。

例えば「レゴ」
今ではブロックで有名な会社ですけれど
2000年代はじめに破産寸前に…。
2004年に新CEOクヌードスコープ氏は
ファンとの関係を強化し、
徹底した収益管理を進めて復活させました。

「マーベル」という会社は
エンターテインメント企業で
映画「アイアンマン」などで有名。
しかし1996年に破産申し立てをしています。
玩具会社と合併、スパイダーマンなどの
人気キャラの権利売却、土台を固め直し、
2009年にディズニーが買収して復活!

「フェデックス」
荷物を翌日に届ける物流の会社。
今では時価総額4兆円越えの大企業です。
しかし1971年創業当初は全く立ち行かず、
2年も経たずに多額の債務を抱えてしまう…。
創業者のフレデリック・スミス氏は
最後の資金をラスベガスにつぎ込みました。
まさかの大勝ちで資産を五倍に激増させ、
会社の閉鎖をぎりぎりで回避しました。

「コンバース」は靴で有名な会社ですが、
2001年に連邦倒産法の適用を申請。
その二年後には、ナイキが買収。
見事な復活を遂げています。

『ヘリテージ・ツーリズム』という
言葉があります。
ヘリテージ(heritage)とは、
「遺産、継承物、伝統、伝承」の意味。

廃業寸前から復活した会社には、
継承したい、伝承したい、と人に思わせる
キラリと光る資産や資源
が事業が
何かしらあるからこそ、復活できた。
役割を変え、経営を見直すことで、
もう一度盛り返す
ケースもあります。

そもそも「盛者必衰」です。
永遠に繁栄し続ける会社などありません。
大都会の東京に本社を構える大企業も、
江戸時代以前には形が無かった。
となると、今、繁栄している会社も
衰退することは、あり得る。
逆に、そんなに栄えていない会社が
栄えていくことだってあり得る…。

ただ、日本の話で言うと、
景気は良くなく、しかも、
人口が減っているわけですから、
「栄えていく会社・業界」と
「衰退し滅びる会社・業界」が
徐々に分化していく
、と思います。
(いや、すでに分化しているか)

取捨選択の「決断」が行われている。

決めて、断つ。
「ここにはもうお金を回さない」という
業界が、行政面でも決められていく。
人材の面では、もっとシビア。
お金が回る業界や会社には人が集まる。
回らないところは、衰退する。

となると、行政的に
「ここにお金を回そう!」と
思えるような魅力であったり、
「あの業界(会社)に行こう!」と
人に思ってもらえるような資源や魅力が
あるところ
に好循環が生まれ、
そうでない悪循環の業界や会社は
廃業が相次ぎ、消えていく…。

いったん衰退に向かった歯車を
どうチェンジし、好循環にするのか?
その変化の一つの手がかり、方策が、
『ヘリテージ・ツーリズム』
なのではないでしょうか。

…ただ、このような試みが
うまくいく会社や業界もあれば
全くうまくいかないところもありますよね。
うまくいくためには「公の補助金」や
「外からのテコ入れ」だけでは不十分。

◆『その業界や会社に残る要人』の協力

が、必要不可欠であるように思うのです。

「ヨソ者、キレ者、バカ者」などが
会社の復活には必要だ、と言われます。
しかし『現場で要になる人』がいてこそ、
そういう人たちの活躍も活きてくる…。

逆に言えばそんな要人を
「発掘」し、つながりをつけ、協力し合い、
会社の実情、心理や物語に応じた方法で
立ち上がれるかどうか。これが
3Rできるかどうかの鍵だ、と思うのです。
そんな人がいない「閉鎖的」な会社、
風通しが良くない業界は、緩やかに朽ちる。


好循環も、実際にその場所にいて
循環させ続けてくれる専任の人材、
言わば「専務」がいてこそ…。

最後にまとめます。

本記事では会社の『廃業』から
「ヘリテージ・ツーリズム」を絡めて
『業績回復』について考えました。

新技術の発展、全体的な人口減少により
世の中が変わっていくのは、あらがえない。
ならば、その変わりように「応じて」
会社の事業自体も変わる必要がある。
変化を持続して循環させられるような
密着している要人をコアとして…。

(これは何も会社だけの話ではなく、
会社や業界を『地域』『市町村』などに
入れ替えても当てはまる話
です)

(また、個人のキャリアにも通底します)

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