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新『オホーツクに消ゆ』が2024年9月12日に発売

Switchで出るんですよ。リメイクされて!
『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ
~追憶の流氷・涙のニポポ人形~』
が…!

(ここから引用)

『あの「オホーツクに消ゆ」が…今、甦る。

ニポポ人形が涙するとき
またひとつ死体があがった…

ある朝、東京湾に
男の水死体が浮かび上がった。
身元不明、推定年齢40歳前後。

そして事件は、北海道へと進む。
釧路、網走、知床、紋別…。
道東を中心に連鎖していく第2、第3の殺人。

本タイトルはコマンド選択式
テキストアドベンチャーです。

プレイヤーは警視庁の警部となり、
部下に指示を出しながら
一連の事件を解決していきます。
「場所移動」や「人に聞け」など
14種類のコマンドを駆使して
捜査を進めます』

(引用終わり)

本記事は「オホーツクに消ゆ」について
あれこれと書いてみたい、と思います。

そもそもこのゲームは
1984年にPC版で初めて世の中に出たもの。
2024年から考えれば、もう約40年前。

シナリオを手掛けたのは堀井雄二さん。
『ドラクエ』の生みの親ですね!
1954年生まれ。2024年には70歳。
日本が誇るゲームデザイナーのお一人です。

兵庫県、淡路島のご出身。

1972年に早稲田大学の文学部に進学。
漫画研究会に所属します。
同世代には「100億の男」「幸せの時間」
などの漫画で有名な
国友やすゆきさんがいる。

1974年頃、ライターとして活動開始。
1978年に大学を卒業。
『週刊少年ジャンプ』の編集者である
鳥嶋和彦さん鳥山明さんの担当)
と知り合って、ゲーム仲間になって
遊び回っていたそうです。

1980年には月刊誌の
読者投稿コーナーを担当する。
その管理のために、当時普及しつつあった
パソコンを使い始めた。

…ここで、パソコンゲームにはまる。

ご本人曰く、パソコン雑誌などで海外の
「アドベンチャーゲーム」の存在を知った。
日本ではゲームと言えばまだ
アクションゲームが主流の時代です。

「物語を追体験できる」ゲームか!
面白そう…。自分でも作れないだろうか…。

こうして、1983年に
PC版のアドベンチャーゲーム、
『ポートピア連続殺人事件』
つくってみたそうなんですね。
淡路島のご出身のため、
神戸のポートピアには詳しかった。

ゲーム会社のエニックス
(現スクウェア・エニックス)は、
彼をアメリカのApple関連の見本市
「アップルフェスト」へと派遣します。
(注:ここで本場のRPGに触れたことが、
後に『ドラクエ』作成へとつながる)

1984年に彼は
『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ』を作成。
1985年『軽井沢誘拐案内』を発表します。
ポートピア、オホーツク、軽井沢!
この三作を「堀井ミステリー三部作」と呼ぶ。

1987年には、全面的にリメイクされた
ファミコン版が発売されます。
…このファミコン版が、世の中で一番
よく知られている「オホーツク」かもしれない。

この私、当時は小学生でした。

かなり、遊びましたね。
「くっしゃろこ」「あばしり」
「ウトロのまち」など、
その場所の雰囲気を想像しながら
何度「ばしょいどう」したことか…。

ファミコン版では全面的に
リメイクされた、と先述しましたが、
最初のPC版はかなりリアルだったんですよ。
しかし、ファミコン版では一転して、
『べーしっ君』など四コマ漫画を描いていた
荒井清和さんがイラストを担当。
漫画風のまろやかな表現へと変わる。

…ファミコン、漫画的表現、親しみやすい!

これは後の『ドラクエ』にも共通するところで、
鳥山明さんが描いた「スライム」などは
すごく漫画的な表現ですよね。
本場のアメリカのRPGにおけるスライムは
ホラー映画に出てきそうな
何でも溶かす恐ろしいモンスターだったのに…。

なお、このゲームでは
「コマンド選択方式」が採用されました。
これもまた、ゲームに親しみやすくなった
要因であった、と言われています。

というのも初期のアドベンチャーゲームでは
パソコンのキーボードで
「直接」プレイヤーが主人公を
どう動かすのかを
その都度、入力していたんですね。
例えば「新開地」に場所移動するのなら、
「シンカイチ イケ」のような感じで…。

そこで、堀井さんのライター仲間だった
さくまあきらさん
堀井さんに強く主張したそうなんです。

「直接入力するのは面倒くさい!
簡単に指示を出せる方法はないのか?」

これに応じて開発されたのが
「コマンド選択方式」。
選択肢を準備し、それを選ばせる。

ここには、1980年代に隆盛していた
「ゲームブック」の影響も
あったのではないか…
と私は
個人的に推測しています。

RPGから派生したゲームブックは、
読者があらかじめ取るべき行動を
「選択肢」の中から選ぶスタイル。
本場のRPG、テーブルトークRPGなどでは
選択肢はなく、直接やるべき行動を選んでいた。
しかしゲームブックでは選択方式に変わった。
これを応用したのでは…?

ともかく、このコマンド選択方式は
キーボードの無いファミコンに
とても適した方法になり、
以降のアドベンチャーゲームでは
この方式が主流になります。

…ゲームを未プレイの方のために
ネタバレは慎みますが、面白いゲームですよ。
北海道の地理にも詳しくなる。
往年のゲームファンのみならず、
今のお子さん、若い方にも
ぜひプレイしてもらいたいです。

なお、ファミコン版の音楽を担当したのは
上野利幸さん。

このゲームの曲は
「神曲」と呼ばれるものが多く人気が高い。
私もCD、サウンドトラックを持っています。
特に中盤あたりの
「ばしょいどう2」の曲が好きで、
車で流すと刑事になった気分になれる。

この上野さん、実は
「ゲヱセン上野」というペンネームで
活動されていたライターさんでした。
ドラクエのすぎやまこういちさんのような
専門の作曲家、音楽家ではない。
なのに40年近く経っても
まだ頭の中で再生できる曲をつくった…。
本当に凄い方だと思うのです。

最後に、まとめます。

本記事では2024年9月12日に発売される
『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ
~追憶の流氷・涙のニポポ人形~』

紹介してみました。

何かを世の中に普及するためには、
いかに「ユーザー目線」
(プレイヤー目線、読者目線)に立って、
親しみやすくするのかが大事だなあ…

改めて思った次第です。

ぜひ、このSwitch版の発売を機に、
オールドファンもニューゲーマーも
北海道へゲーム上で
『ばしょいどう』してみませんか?

今日のあなた自身を動かすのは、
そう、あなた自身の選択次第なのです。

(なお、リアルに北海道へ移動する時には、
北海道在住の 砂押 美穂 さんや
相田 良子 さんたちにオススメ情報を
聞き込みしてもいいかも)

※ソフトのページはこちらから↓

※こちらのページでは
『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ
~追憶の流氷・涙のニポポ人形~』の
予告動画などを見ることができます↓

※神曲『ばしょいどう2』を
リメイクした動画はこちら。
作業用BGMとしてどうぞ↓

※同じく『追跡』はこちら↓

※アドベンチャーゲーム全般については
こちらの記事もぜひ↓
『守るも攻めるもアドベンチャー』

※ちなみに「ファミコン探偵俱楽部」の新作も
2024年8月にリリースされます↓
『ファミコン探偵倶楽部 笑み男』

合わせてぜひどうぞ!

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