マガジンのカバー画像

410字 毎週ショートショート学びの場

109
ゼロさん+まろちゃんの410字で、ヒスイの410字もステージアップだ! まなぶ、切磋琢磨、みがく、やりぬく、ひとつあがる。 をめざす。非公開マガジンです。
運営しているクリエイター

#詩

ショート: 顔面重視で遭難し、漂流

美容整形で大金をかけるより、顔自動販売機で 手軽に顔が買える時代到来とは。 「顔より性格…

ショート: 美しき愛しい姉

橋りょうや日陰のカーブ又は勾配に置いてある 塩化カルシウムを回収しておいた。 衣装ケース…

ショート: 儚さを牛丼と流し込もう

今どき、マッチングアプリがあるのに、 合コンが存在する。そして、数合わせに呼ばれる。 私…

最後の天使がそこにいた。#ショートショート

むだなものほど、人生を豊かにする そんなことを言っていたのは いにしえの話だ。 今はむだ…

ショート: 平和だよな、この国は

テレビをつけると、司会者や論客が社会問題だと 唾が飛んできそうな勢いで討論していた。 別の…

恋を失ったら墓にゆく。#毎週ショートショートnote

わたしが失恋墓地に埋葬されたのは もうずいぶん昔の話だ。 鯉が島のはずれにある林の中の …

嫌われているものも、美しいものは美しいと思うクリスマス。

宿命的に漆黒の冬をもち、はかない夏はなにより 自然とふたりきりになりたいと願う人々が暮らして いる場所があった。 それは世界中の人に愛された童話の街。 そこは他人の自由も頑固に守ろうとする場所。 烏山がこの街に来てもう何年も経つ。 そこはかくれ場所であって、しかもあけっぴろ げなそんなところ。 ここで誰かを見守ることができるのは、鳥で ある烏山だけの役目だった。 いつもこの街で鳥の役目をしている烏山は クリスマスになると羽を一枚だけその街の木の てっぺ

ショート: SNS映えカラス

トナカイは絶滅危惧種で酷使できず、 サンタ会議で、頭を抱える者もいた。 トナカイに似た色…

ショート: 優しさと暴力

呼び出しを食らった私は、 目の前で自分の悪口を聞かされている。 雑で、理解力がなくて、大嫌…

ショート: バイリンガルは辛いぜよ

「優子、チャオ! 元気? あのさ〜、餃子って中国語でなんて言うの?」 佐知が親しげに質問し…

もうええわ。#ショートショート

誰かを推したいなんて感覚はない。 推しとか言うじゃん。 ちょっとケッて思ってる。 蹴って…

ショート: 野中のバラ

雑に刈った畦道に、脈略なく咲くバラ。 ♪童はみたり野中のバラ 細い道を突き進み、スマホを取…

立方体の思い出。#ショートショート

なにげなく耳に入ってきたことばが耳の中を よぎって、みぞおちのどこかしらに着地する。 言…

ありふれた日常がバグった夜。#ショートショート

コンビニで燻製チーズを買った。 燻製にすると食べ物たちは若干 縮む。 縮むだなんて、嫌いじゃない。 笑えるだろう。 いきなりチーズが年取ったみたいで。 たとえば、こういうことだ。 縮むという字を燻製にしたら、宿に なるようなもんだと、心は思う。 自分の名前の村上心という名前も、 いっそ燻製にしてしまいたい。 村上という苗字を持ちながらモノを 書いていると、それだけですみません という気持ちになるからだ。 レジはいつものパートのおばさん だった。