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410字 毎週ショートショート学びの場

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ゼロさん+まろちゃんの410字で、ヒスイの410字もステージアップだ! まなぶ、切磋琢磨、みがく、やりぬく、ひとつあがる。 をめざす。非公開マガジンです。
運営しているクリエイター

#創作

永遠のにぶんのいち、あげる。

栞はその時、読んでいた本の言葉を 思い出していた。 「ひとが、存在していることの根っこに…

なにをみても、きっと何かを思いだす。

ほら、あそこって雲の辺りをきみは ゆびさしている。 きみのほらがどこなのかわからない。 …

人生いっつもミスマッチング。

ゴートゥザヘルって叫んだ。 ただこらしめたい、従属系のしがらみから 抜け出したいだけだった…

最後の天使がそこにいた。#ショートショート

むだなものほど、人生を豊かにする そんなことを言っていたのは いにしえの話だ。 今はむだ…

恋を失ったら墓にゆく。#毎週ショートショートnote

わたしが失恋墓地に埋葬されたのは もうずいぶん昔の話だ。 鯉が島のはずれにある林の中の …

嫌われているものも、美しいものは美しいと思うクリスマス。

宿命的に漆黒の冬をもち、はかない夏はなにより 自然とふたりきりになりたいと願う人々が暮ら…

穴の中の君に贈る言葉。#ショートショート

魂は、みえないでしょ。 僕は最近、たましいってこんなふうに しわくちゃで。 道端に放置されてたら、きっとすっげぇ でっかいバナナが、トラックかなんかの タイヤに踏まれて腐って黒ずんでるのね って、他人様から思われるようなもんじゃ ないかと思うようになったんですよ。 僕の声は欠片だ。 それの成れの果ては、埋めてしまわないと 凶器になるから土の暖かさが感じるほど奥深くに そっと埋めた。 在る夜の誘蛾灯の下。 電柱には妻の行方不明の写真がぬれたビニール コーティングの下で

もうええわ。#ショートショート

誰かを推したいなんて感覚はない。 推しとか言うじゃん。 ちょっとケッて思ってる。 蹴って…

立方体の思い出。#ショートショート

なにげなく耳に入ってきたことばが耳の中を よぎって、みぞおちのどこかしらに着地する。 言…

ありふれた日常がバグった夜。#ショートショート

コンビニで燻製チーズを買った。 燻製にすると食べ物たちは若干 縮む。 縮むだなんて、嫌い…

雨雲に告られました。#毎週ショートショートnote

シャボン玉に微かに映るささやかな虹を いつまでも見ていたら、その透明で七色 に光るしゃぼん…

ほんとうのジュリエットからの手紙。#毎週ショートショートnote。

路美夫には悲しい過去があった。 樹里という名前の婚約者がかつていた。 江渡樹里。 名前と…

死んでしまいたいと思えば思うほど。#毎週ショートショートnote

さっきから天井からなにかが落ちてくるのだ。 部分でもあるような全部でもあるような欠片が。 …

ジグソーパズルのように。#毎週ショートショートnote。

ジグソーパズルのような地図。 いろいろな国の欠片が地面に散らばっていた。 ずっと世界線がずれているのは知っていた。 向こう隣にあるものがそのまま反転して遠くへ 風にふかれてゆく欠片。 すべてはひとりの男の手に握られていた。 男の手に握られたジグソーの欠片が置かれた場所が その国になってゆく。 雨模様のボゴタ。アンデス山脈のふもとでパソコンの 画面と窓の向こうの雨で、着想が浮かばないと格闘し ているコロンビア生まれの作家の午後三時は置き去り にされた。 こことはちが