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人を動かす

D・カーネギー著 山口 博訳 創元社出版

言わずとも知れた、超有名な自己啓発本。手元にあるのは、中古で手に入れた1986年出版の文庫。

2020年の今からすると、30年以上も前に書かれた本。まだ生まれていなかった人も多いのではありませんか?

内容について触れることはしませんが、この本から多くのインスピレーションを受けた経営者が多いと言われています。実際に私自身もキャリアカウンセラーをしておりますが、様々な「意思決定」において、「人を動かす」ことの難しさを体感していた時に手に取りました。

・・・本文については、買うなり借りるなりして読んでほしいのですが、本には「付録」があって、いかに紹介する幸福な家庭をつくる七原則が示されています。

1.口やかましくいわない

2.長所を認める

3.あら探しをしない

4.ほめる

5.ささやかな心づくしを怠らない

6.礼儀を守る

7.正しい性の知識を持つ

この7つを見るだけでは、ピンと来ないかもしれませんね。

私がこの7つをみて感じたのは、「幸福な家庭」というものに焦点を当てることは、ビジネス界では、タブー視されてきたのだなということです。民事不介入の原則でもそうなのでしょうが、最小単位の家庭である夫婦関係においても、古今東西、歴史上も不毛な問題として連綿と紡がれてきました。

・・・家族問題は、本当に根が深いので、カウンセリングの現場でも「リファー」するしかない領域でもあります。本気で問題解決に繋げるためには、時間もお金もパワーもかかります。

noteに書くことなのかどうかはよくわかりませんが、長い人生を生きる中で、第一家族をつくり、その次の第二家族をつくるファーストステップの目前にいる男女の皆さんは、「夫婦生活」の本当の形と現実をしっかりと見据えて踏み出してほしいと思います。結婚してダメだったら離婚すればいいという問題ではなく、夫婦生活はゲームのように簡単にリセットすることはできません。

できちゃった婚、恋愛結婚も主流ですが、本当の意味で愛し合い、慈しみあい、どんな苦難があったとしても、夫婦で乗り越えようとするお互いの意思を、確認して、愛情を伝え合う努力をし続けてください。

男と女は全く違う生き物です。第一家族として、全く異なる価値観文化の中で育ってきた他人が、一つ屋根の下で暮らすわけですから、問題が生じるのは当たり前のことです。

子どもや他人に夫婦の問題を転嫁し、虐待したり、育児放棄したり、ストレスを周りに当たり散らすのは止めるようにしましょう。。。

・・・排せつ物が必ず溜まるように、不要な感情、うまくいかないこと、問題は生じないはずがありません。問題が生じたときに、どうやってその問題に対処するのか、対処療法も大切です。それよりも大切なことは、問題を生じさせないような「予防」的行動も、本当に大切です。

余裕、心理的安全性、寛容さ、そして、「愛」。・・・人を動かすには、忍耐も努力もあらゆるものが必要だということを、この本は端的に教えてくれます。

※写真は、北海道で撮ったリス。家族問題を扱うカウンセラーになりつつありますが、自分の家族に関しては、理性で割り切れるものではありません。理性では抑えることができない感情がどろどろ渦巻くのも、人間の本性でもあります。産業カウンセリングの勉強もしましたが、医療との接続もなかなか難しいですし、キャリアカウンセリングは世界一難しいカウンセリングだなということを痛感しています。

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