合言葉「いつか一緒になるかもしれない」で、人脈がどんどん広がる
自分ひとりの力だけでは、どうしても限界があります。
何かを大きくしたり、武器になる情報を得るためには、人に頼る必要があります。人にお願いできるかどうかが、ビジネスでは勝負だったりするのです。
そんなことをメンバーに話した時、「人との”繋がり方”がわかりません」と言われました。
人脈の広げ方はむずかしいようで、結構シンプル。ちょっとしたコツをお話しできればと思います(といっても、割とマインドに寄ってしまいました……)。
連載「凡人社長の処世術」のつづきです
これまで、私の”経営哲学”お話ししてきました。このnoteはその派生で、人脈の広げ方に焦点をあてていきます。
「いつか一緒になるかもしれない」と私は考えています
ひとつ質問をさせてください。
あなたは新たなクライアントさんと出会ったとき、どんなスタンスで向き合っていますか?
「また新しい繋がりができるのしんどいな」「どうせこの会社が終わったら、それまでなんだろうな」
そんなことを思うかもしれません。もちろん、新たなご縁にウキウキしている方もいると思います。
実は、考え方の違いで、好転するかどうかが決まると言っても過言ではありません。
ちなみに私は、「どんな人でもパートナーになる可能性はあるから、どんな人とも対等に接したいな」が基本スタンスです。
仕事で事態が悪化したとき、「どうせもう会わないし」と思いながら仕事をしていると、態度や言葉遣いにでてしまうと思うんです。
あれ、お客さんの立場が入れ替わったぞ
「仕事に発展した出会いなんて、なかなかありませんよ……」と思う人もいるかもしれません。たしかに、運もありますよね。
でも、ごく稀に起こります。というか、起こりました。
私はふだん、柳井工業というプラント施工会社を経営しています。もっと可能性を広げるべく、「太陽光発電事業」も育てています。
そこでの出来事でした。
もともと、山下さん(仮名)から太陽光発電所を購入していました。私がお客さんだったんです。
もちろん、山下さんは柳井工業を知りません。仲良くなってお互いのことを話すようになり、はじめて「太陽光発電事業を本格化したいんですよね」って伝えたんです。
そうしたら、「柳井工業さんだったら今までの技術を活かして、施工に挑戦してみたらいかがですか?」と助言をくれました。
また、山下さんが施工会社を探していたので、柳井工業がご一緒することに。山下さんがお客さんになったんです。
もしここで「私がお客さまなんだから」と横柄な態度を取っていたら、こんな縁はなかったはずです。
やっぱり、対等に接するってたいせつなんです。
むかしは、対等になんてできなかった
日本には「お客さまは神様」という文化がありますよね。みなさんは、率直にどう思いますか?
私は苦手なんですよね……。というか、嫌いです。
綺麗事と思われそうですが、どんな人とも対等に向き合うのが、なんだかんだで損しないんです。かんたんそうで、むずかしいんですけどね。
シンガポールで学んだ「対等」と「共創」
偉そうに言っていますが、昔は対等に接するができませんでした。
今から5年前、出張でシンガポールに行ったことをきっかけに、「考え方をあらためないとな」と思ったんです。
すこし、その話をさせてください。先述した通り、私はプラント施工会社を経営しています。
当時の現場は、各国の東南アジアから来たメンバーがわんさか。外国人労働者と一緒に仕事をするのは、この工事がはじめてでした。
当時、若気の至りで「日本技術のすばらしさ」を教えてあげようと思っていたんです。
でもですよ。当然、日本人だけでは施工は終わりません。巨大なプラントは、意外にも複雑かつ緻密。みんなの力があってこそ、工事が進むんです。
そして、東南アジアの技術力を目の当たりにしました。「日本がいちばん」だと信じていたのに、技術の差はそこまで大きくはありませんでした。
むしろ、東南アジアの活気がすごかった。私に「もっと教えてください!」と、教えを乞う姿がとても新鮮でした。その姿は、日本の若手にはなかった姿だったんです。
そのときに、自分はなんて疎かなんだろうと胸が痛くなりました。どんな相手でも「対等」に。
ゴールに向かって「共創」することが何よりも大切だと知ったんです。
見返りを求めると、視野が狭くなる
「いつか共創するかもしれない」≠「見返りを求める」
もうひとつ、大事なポリシーがあります。見返りは求めないことです。
いつか一緒になるかもしれないと思うことは、「見返りを求める」と同義ではありません。
「この人と仲良くしていれば、いろんなノウハウを教えてくれるかもしれない」「大きな仕事を持ってそうだから、繋がっておこう」
人間なので、期待はしちゃういますよね。でも、その期待が裏切られたとき、しんどくないですか……?
最終的に、テイカーやマッチャーはしんどくなる
「ギブ&テイク」という言葉がありますが、かつての自分は、その間をとった「マッチャー」でした。
テイカーやマッチャーでいると、しんどくなります。損失ばかりに目が向くので、視野が狭くなるからです。
1年前の出来事でした。とあるお客様のために、死にもの狂いで仕事した経験がありました。
認められたい、次の仕事に繋げたい……そんな気持ちでした。
でも、自分が想像していたシナリオとは違っていたんです。詳細は割愛しますが、裏切られてしまいました。とてもしんどかったです。
ただ、私にも非はあったなと。相手に求めすぎていたんです。自分で期待をふくらませていたんです。
これを機に、人には期待しないことにしました。自分が応援したいから応援し、手助けしたいから助ける。
過度な期待を断捨離することで、自然と視野が広がっていき、俯瞰して物事を考えられるようになったのが、大きな収穫です。
・・・
いつも以上に、今日はコブシが入ってしまいました。つらかった経験も、こうしてnoteで消化できるのもいいですね。
自戒をこめてお話ししてきました。これからも、「対等」と「見返りは求めない」を徹底していきたいです。
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