「夏の魔物」 スピッツ
夏の暑さは、見慣れた景色をどこか異次元めいたものに変えますね。
強い日差しが空間を歪め、蜃気楼の中にいるような雰囲気もありますし、さらには、お盆の時期でもありますし。
と、考えていて、ふと思うのは、まだ小学生の頃の田舎の夏の夜の出来事。
あの日は、夜まで友達の家で遊んでいて、もう暗くなるころに家へと向かっていました。ショートカットしようとおもって、いわゆる一般道ではない道を通ることにしたんですね。
それは、お寺の脇の道(というか道のようになっている場所)で、昼間は学校の帰りとかに何度も通った道なんですね。
日常的に、いつも通っていたお寺の脇の道。何度も何度も通った道。
なので、夜でも暗くても、怖いという感情は無く。
でも、その夜はちょっと違ったんですね。お盆が近かったということもあるのでしょうか。その道に差し掛かった時。その夜だけ、何故か不思議と、ハッキリ聴こえて来たのが読経の声。その日だけ。
何度も何度も通っていたから、いつかは無意識のうちに聴こえていたかもしれない読経。
何故か聴こえてくるんですね、その日の夜に限って。
怖いというよりも、夏の暑さと重なって、暗闇の中から響く読経に、不思議な感覚をおぼえたものです。
。。。夏はやはり不思議な空間を演出する演出家ですね。
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