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経験は本当に唯一無二なのか?

私が現在所属している企業では、新入社員や他の部署から異動してきたメンバーは旧メンバーやマネージャーを相手に自分が担当するSolutionについてWhiteboardを使って説明する文化があります。

これは、新メンバーが実務に入る前にあるレベルのスキルを醸成しているかどうかを見極めるための大切な儀式で個人差はありますが平均で3ヶ月ぐらいを要します。


私もこの3月に組織改編に伴い現在のチームに異動になり、前述したWhiteboardセッションを現在の同僚や上司、その他周辺部門のメンバー向けに実施して多くのフィードバックを頂きました。

Whiteboardだけで説明するには、Solutionが顧客のどんな課題を解決できるのか体系的な理解が必要です。ここ数年、相手に何かを説明する際は事前にGoogle SlidesやPowerPointを使って資料を作成してそれらを使って説明することがほとんどで、Whiteboardだけを使って説明する機会は無かったので大変勉強になりました。


セッション中に参加者から受けた質問は、私のSolutionに対する技術的な理解を問うものが多かったと記憶しています。セッションの大きな目的の1つなので当然ですが。ただしここに少しだけ?を感じていました。今もです。


先ずこの儀式の暗黙の前提となっているのが、(私の所属企業)の過去の文化や行動は正しいことかと思います。人や組織は誰しも過去の経験に多かれ少なかれ誇りや自負を持っているのではと推測します。私もしかりです。

この前提は疑うべきかと。理由は簡単で過去に起こったことが未来永劫起こり続ける理由も保証も何もないからです。

人が過去にどんな組織に在籍して何を経験したのかはとても大切だと思います。人は周りの環境に何らかの影響を受けるのは間違い無いので。ただしそれだけで何かを判断するのは?が残りますね。


過去の文化や行動で良い結果になったこともあれば悪い結果になったこともあるはずです。良い結果の体験は人や組織の頭に強烈なインパクトを与えて残り続けることが多いかもしれません。

ただし良い結果も過去のある一時点のものだけでこれからも正しいわけではないですね。悪い結果を悪と捉えず次のステージへの糧と捉えて、何がその結果を導いたのかを事実を元に冷静に見極める必要があるかと思います。

お客様とのミーティングの内容や商談の状況/見込み金額を正確にSalesforceにインプットして、管理層を含む関係者にタイムリーに共有すること等、当たり前のことを当たり前にできていないことが悪い結果を導いたかもしれません。


テクニカルなポイントもしかりです。CloudだのAIだの旬な言葉に惑わされてしまい、DNSやHttp等これまで何十年も語り継がれてきてこれからも根本的な原則は変わらないと思われるテクノロジーを疎かにしていたことが何らかの悪い結果を導いていたかもです。

ITILやCOBIT、MITREやSASE等の考え方の枠組みもあらゆる具体的な事象や個々人の経験を元に抽象化/概念化したものなのである程度は信じて良いと思います。最大公約数でしかないのであくまで枠組みとしてですが。

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